健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

コレステロール値が高い方が、脳卒中の死亡率が低く、症状も軽くなる!?

2010-07-14 08:02:14 | 研究
これはまた、ある意味面白い研究結果が報告されました(YOMIURI ONLINE)。コレステロール値が高く、高脂血症と診断された人の方が、そうでない人よりも脳卒中の死亡率が低く、症状も軽くなるというものです。一般的に、高脂血症は動脈硬化を引き起こす大きな要因の1つであるため、循環器系疾患のリスクファクターとして知られています。つまり、脳血管の破綻である脳卒中の危険因子であるということになります。そのため、高脂血症を改善するために、投薬治療が行われたり、食事に気をつけたり、運動を取り入れたりしています。
しかし、脳梗塞で入院した患者のうち、高脂血症でない9851人が入院中に死亡した割合は約5・5%だったが、高脂血症の2311人の死亡率は約2・4%にとどまったというのです。脳内出血やくも膜下出血でも、高脂血症の場合は死亡率が半分から3分の1だったそうです。さらに、脳卒中で入院した患者と患者でない人を比較した調査では、患者の方が高脂血症の割合が低かったそうです。これは本当に驚きです。また、悪玉とされるLDLコレステロール値が高いほど総死亡率が低くなるとのデータもあるそうです。日本脂質栄養学会では、今年の9月に「LDLコレステロール値が高い方が長寿に結びつく」との内容の指針を発表する方針だそうです。あれれ!?これでは教科書を書き換えなければいけません。細胞レベルの実験では、LDLコレステロールは脂肪を血管に沈着させる作用を持つことが示されているはずです(実際に、この論文を読んだことはありませんが・・・・・)。だとすると、こうした疫学的な研究結果と実験室レベルの結果が異なるのはなぜなのでしょう。おそらく、動脈硬化を引き起こすには単なる1つの要因ではなく、複数の要因がかなり複雑に作用して引き起こすのではないかと考えられます。その要因の複雑な作用は何か?やはり、身体の大部分を占めている骨格筋に秘密が隠されているのではないでしょうか。
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