健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

末期乳がんの免疫療法

2018-06-13 08:30:58 | 研究
進行性の乳がんを患い、化学療法が効かずにがん細胞が他の臓器に広がっていた女性患者に対し、免疫系に働きかける実験的治療を施したところ、がんが完治したとの研究結果がNature Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。患者の女性は2年間にわたりがんのない状態を維持しており、末期乳がんに苦しむ患者の治療における「新たな免疫療法アプローチ」になるということです。免疫療法はこれまで、肺がんや子宮頸がん、白血病、メラノーマ(悪性黒色腫)、膀胱がん患者の一部で効果があることが示されていたそうですが、腸がんや乳がん、卵巣がんでは突破口が見いだせていなかったそうです。この女性患者は、従来型の治療が何度も失敗したことを受け、臨床試験に参加。研究チームは、女性から免疫細胞の一種であるリンパ球を取り出し、調整を施した上で体内に戻す治療実施。女性患者の腫瘍から取り出したリンパ球を調べ、がん細胞に反応するリンパ球の種類を特定。特定されたリンパ球は研究室で再活性化され、別の種類のがんに対する治療で効果が示されている免疫治療薬「免疫チェックポイント阻害剤」と共に体内に戻したそうです。この方法により、「個人に合わせた」抗がん治療を実現し、「完全な腫瘍の退縮」につながったということです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3177222
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする