健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

更年期障害へのホルモン治療で乳がんリスクアップ

2013-05-18 08:30:05 | 研究
更年期障害の辛い症状を和らげるために、ホルモン治療が行われることがあります。これは更年期障害の原因に加齢に伴うエストロゲンというホルモンの低下が挙げられるからです。更年期障害の一般的な症状としては、のぼせやほてりといった血管運動性のものの他に、精神的にも不安定になるケースも見られるそうです。ホルモンの変化が原因のため、治療ではホルモンを使うことが一般的で、エストロゲンが単発で用いられたり、エストロゲンとプロゲスチンというホルモンが併用されたりしているそうです。しかし、エストロゲンとプロゲスチンを併用する療法で、さらに閉経してから使い始めるまでの期間が短いと、乳がんの罹患リスクと、これに伴う死亡率が上がることが報告されました(QLife Pro)。これは、随分前から指摘されていたことだったと記憶しています。エストロゲンとプロゲスチンを組み合わせた人は、ホルモン療法をしていない人よりも0.18%乳がんにかかるリスクがアップしたと言う研究結果で、閉経からホルモン治療開始までの期間が短ければ短いほど、後に乳がんと診断されるリスクが高くなるというものです。内分泌系に大きな影響を与えるからではないでしょうか。
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