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危険運転致死罪

2008-01-10 08:23:00 | weblog
2006年8月福岡市東区で発生した飲酒運転による3児死亡事故で、危険運転致死傷罪などに問われていた同市元職員今林 大(23)被告の判決公判が1月8日福岡地裁であった。検察側の求刑25年に対して結果はなんと懲役7年6月。裁判批判はあまりしたくはないが、この判決では国民感情とあまりにも乖離し、危険な飲酒運転を追放しようとする社会の流れに大きく逆行する判決であって、両親のくやしさに同情を禁じえない。
この事故、裁判所が危険運転致死傷罪を適用するかどうかが最大の注目点だったが、結局適用が見送られ改めて同罪のハードルの高さばかりが印象づけられた。その判決骨子の中心をなしているのが「被告は、事故当時酩酊状態とはいえず、アルコールの影響で正常な運転が困難な状況にあったとは認められない。」という論旨であるが、もともと大量の酒を飲み100km/hもの高速で運転、そのうえ見通しのよい直線道路で前車に追突をする行為が果たして正常な運転に該当するだろうか。
事故後逃走した被告は大量の水を飲み、友人に身代わりを依頼するなどの隠滅工作をしており、皮肉にもこれが逆に「正常な判断能力」の認定材料とされている。
そもそも危険運転罪は、飲酒運転などの悪質運転で人を殺傷した場合、格段に重い刑罰を課すことによってこの種事故を防ぐために平成13年制定された。
「正常」「困難」「影響」「故意」といった表現は裁判官個々の裁量によって不安定な解釈の余地を残す。事故当時悪質重大違反がそこに並列的に存在するだけで適用できるような明快な法の整備を急いでもらいたい。と同時に本件は控訴して再度上級裁判所で審理をやり直すよう強く望みたい。


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