・・・続く・・・・ ●原子力発電所は、天にツバをする行為
説明をしてくれたその人がつい先日うちに来てくれましたので、その後のことを聞いてみたところ、全く事態は変わってないということでした。ほとんどの大地がいまでもダメだそうです。そこにいた何万頭かのトナカイは全部殺して入れ替えしたものの、それでも汚染の影響が出ているということでした。
いまの日本やアメリカやカナダの生活はまるで天国のような素晴らしいものですが、しかしそれは非常に危うい社会です。日本ではいまなお原子力発電所を次々と作ってはいますが、あれはトイレのないマンションを作っているようなものです。終末処理も全くできていないのに、次々と原発の建設を続けているんですから、これは天に向かって唾を吐いているようなものでしょう。
その唾が私をも含めて自分の顔に落ちてこないことを願ってはいるけれども、しかし何の保証もない。だから考えなければならないんです。30年40年前の暮らしに戻ることをね。
電気はこれ以上に明るくならなくてもいい。そういうことをいま本気で考えなければならないときだと思います。この地球を先祖から預かって、子孫に対して無傷で渡さなければならないのに、自然の破壊ぶりはもう無茶苦茶ですよ。傷だらけどころではなく、もはや瀕死の重傷です。
私がまだ子供のころのことですが、ある日突然お巡りさんが靴も脱がずに家の中に入ってきて、父を逮捕しました。
そのとき父は板の間にひれ伏して、「はい、行きます」と言ったまま顔を上げない。どうしたことかと思って黙ってそばで見ていたら、板の間にポタポタ大粒の涙が落ちるんですよ。父は昔ケガをして右目がダメになっていたのに、その目玉のないほうからも涙が落ちているんです。逮捕されたのはサケを獲ってきて家族に食べさせたからです。
私はこれまでに24回ほどパスポートが必要な旅をしていろんな少数民族の方々に会ってきましたが、主食まで奪われた民族に出会ったことはまだ一度もありません。ということは、日本ほど先住少数民族の権利を平気で奪った国はない。
この話は私が20数年前から言い続けて怒っていることの一つなんですが、いまだに130年前の法律がそのまま生き続けているんですよ。萱野 野鳥もすっかり少なくなってしまいましたね。私は二風谷でここ数年、カッコウの鳴き声を一回も聞いていません。こんなこと本当におかしいですよ。
●かつてのアイヌは「自然の利息」だけで暮らしていた
子供のころは、八月も中頃を過ぎますとサケがぼつぼつ獲れ始めまして、九月から十月まではその日食うものだけを獲り、そして本当に産卵の終わったホッチャレだけを保存用に獲っていました。
だからアイヌが川を預かっていたときには、利息だけで十分に間に合っていたんです。この前の講演でも「アイヌは自然の利息だけで暮らしていた」という題で話をしてきました。
アイヌが山や川を管理していたら、魚も鳥も減らなかったと思いますよ。このことはもう諦めかけていましたが、まだ言い続けなければなりませんね。
WEBより転載
川柳北海道は只今、アイヌの歴史を散策中です。
○昨日のこのブログ閲覧数が2210と驚異的な数字になっていました。
きっと、アイヌの祖先の方々や、現実にアイヌの歴史を正しく世に広めようと必死に活動している方々にとっても嬉しい応援歌ではあります。
引き続きご支援よろしくお願いします。
○9月末にまた、二風谷へ川柳の先輩とゆっくり、散策する予定です。
○「灯台もと暗し」とはよく言ったものです。
自分の足元の北海道の歴史を今頃、散策しています。
川柳北海道.川柳北海道