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川柳・ボートっていいね!北海道散歩

川柳・政治・時事・エッセイ

最後です 月をきれいに拭いている・・佐藤容子。

2007年12月28日 | 川柳
         2004年10月現代川柳『泥』終刊号  ゆたかな闇

            最後です 月をきれいに拭いている

三日月の刺さった背なを慈しむ
背を曲げて覗く電池の切れた月
闇ゆたか どこまで開く月の門

声のする方から欠けてしまう月
秋の夜の長さ念々月洗う
ビシバシと顔にぶつかる感嘆符

どの蓋も固すぎないか現在地
いい顔になったね石を撫でている
手花火の終えた暗さに慣れ指は

疎外感じっとり湿っている花火
着メロのあっけらかんとした関係
鍵のないドアの向こうの症候群

からっぽの抽出し誰の声だろう
散乱の机上 助走はもうしない
オカリナもしっぽも革命など思う

いもの花ごめんなさいを繰り返す
ありがとうさようなら穴は掘り終えた
群れるのに少し疲れたシャボン玉

ふりむけば今もきらきら鬼アザミ
にぎやかなページに挟む骨の笛
ハンカチをきっちりたたむ泣かぬため

誤字脱字トコトコトコと着いてくる
風そより身辺整理終わらない
始まりも終わりも濡れている睫

どうしても答えの出せぬ解凍魚
みっつ老いされどされどと泥のひれ
水あって泳がぬ魚許されよ

はればれと秋雨に打たれ泥の魚  

                          
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