2004年10月 現代川柳『泥』終刊号
くらげあわあわ僕の心肺機能かな
いつからか黄昏ほうほう後頭部
るいるいと傷あわあわと岬の灯
一匹の手首と斜に向かい合う
真っ先に人差し指を告訴する
切り株の誤算尖った月が出る
矢印の向こう大きな穴がある
血液はさらさらですね砂時計
そして棺遠方探美の旅に出る
握手した手は薔薇だった刺だった
ネクタイの涙もろさを見てる月
自分史のいたるところが虫食いに
非常口に辞書十冊ほどを積む
中指の愁い遥かなる灯台
夜の底流れるデフォルメされた傷
ポケットをまさぐるぼくだけの楽園
八月の縄一本の失語症
八月炎天先ずは鼻頭から光る
くもの巣の技巧十指の敗北感
電子音じゅげむの森に迷い込む
私小説霧は晴れようともしない
太い樹にゆっくりゆっくりなればいい
追伸の一行がらがら蛇になる
満月をひとり占めする納骨堂
新しい駅で電池を取り替える
人は何故か天国への略図欲しがる
金のなる木夜店で買って来る
寂しい影を優しく包んでくれる闇
喝采のページ捲りを繰り返す
きらめく夜景夢追い人の滑走路
くらげあわあわ僕の心肺機能かな
いつからか黄昏ほうほう後頭部
るいるいと傷あわあわと岬の灯
一匹の手首と斜に向かい合う
真っ先に人差し指を告訴する
切り株の誤算尖った月が出る
矢印の向こう大きな穴がある
血液はさらさらですね砂時計
そして棺遠方探美の旅に出る
握手した手は薔薇だった刺だった
ネクタイの涙もろさを見てる月
自分史のいたるところが虫食いに
非常口に辞書十冊ほどを積む
中指の愁い遥かなる灯台
夜の底流れるデフォルメされた傷
ポケットをまさぐるぼくだけの楽園
八月の縄一本の失語症
八月炎天先ずは鼻頭から光る
くもの巣の技巧十指の敗北感
電子音じゅげむの森に迷い込む
私小説霧は晴れようともしない
太い樹にゆっくりゆっくりなればいい
追伸の一行がらがら蛇になる
満月をひとり占めする納骨堂
新しい駅で電池を取り替える
人は何故か天国への略図欲しがる
金のなる木夜店で買って来る
寂しい影を優しく包んでくれる闇
喝采のページ捲りを繰り返す
きらめく夜景夢追い人の滑走路