goo blog サービス終了のお知らせ 

川柳・ボートっていいね!北海道散歩

川柳・政治・時事・エッセイ

葦のささやき・・・作品集

2007年12月23日 | 川柳
          現代川柳『泥』終刊号 91名作品

旭川 恕葉

倶利伽羅の寄る年波を撫でている
にごり酒いま「五郎八」と同棲中
神ほとけイラクの鳧がまだつかず

室蘭 万依

創られてそれでも薔薇には薔薇の業
泣くもんか雨の日に咲く青いバラ
止せばいいことをして来た手を洗う

登別 碧水

ロングラン花火疲れてきませんか
何を見過ぎたんですか眼科混んでいる
デモの声高いヒマワリの行進だ

江別 涼子

美しい三角だった泥だった
芋掘り菜を摘み異議なしと応える
ドラマではない夕暮の蛇口です

江別 あすか

そこここに涼風 花たちの解夏
何をしようと私を探す耳
聞こえるかも知れない目を瞑る

旭川 敏子

自信喪失いびつに減っていくルージュ
過去は過去あすへ一人の傘を干す
肩書きが取れると風はもう他人

羽生 尚

開き直ったカルテ未明の馬となり
前頭葉にたっぷりとマヨネーズ
掌の中のゼロは太っていくばかり

札幌 晶子

朝採りの曲がったきゅうりもそれなりに
三分咲き五分咲き花は来る年へ
とある日の真清水『泥』に透かされて

青森 省吾

炎天の蜘蛛いつまでも青い睾丸
水鏡水より這い出夜を干す
泥一滴音を立てずに飯を喰う

名古屋 騎久夫

秋が来る 秋には秋の花の彩
それも美学 きれいにさよならを言う
秋の風ぐんぐんせめてくる 独り

青森 洲花

のうぜん花散り果て凪ぎの海へ向く
笑い草つぎつぎ枯れて話のつぎ穂
二人して揚羽の羽化を見ませんか

五所川原 史

桜散る思いの丈が愛になる
散りぎわの花美しい笑顔見せ
世の中を転ばぬ先の知恵さがす
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする