現代川柳『泥』終刊号
日和見のユダと虚実を語り合う
海を抱きうそぶくユダと握手する
奸計にとっぷり堕ちたかユダの耳
夕暮れの橋に侘つ優しいユダ
夕陽と堕ちてゆくノスタルジィな影
半開きの扉から火まみれの苔しなる
ぼうっと沖の夕陽みている耳の底
甘い懊悩ホーホーホタル持ち歩く
間の抜けたサタンと不意にする会話
熱い一日だったと思うピアノ連弾
鬱の字をどう崩そうか走り梅雨
濡れ衣をはらりと脱いだ冬の蠉
鼻の奥につんと酒とおんなの吐息
媚びるでもなく腹芸ポトリ目が落ちる
朱に染まる腹芸あれはメランコリー
ピクンと動く呆れた記憶と慙愧
裏切りのくちびる淡いピンクがいい
密会の壺から秘めやかなるバドル
レタスパリッと壊れた壺を裏返す
クッキーカリカリ焼けてジハードか
負け犬の自負ご飯はてんこ盛り
ファックスかたかたと鳴る歯ぎしり
あわあわと狂女の面を彫り続け
梟がしきり啼く恋の成就
闇に沈んだ庭にそっと置く倦怠
砂時計さらさらさらと死に支度
寂として水葬の花もて弄ぶ
生かされて名残りの握りめし頬張る
無常観ばっさり捨てた泥人形
おやゆび姫サンバのリズムに良い痴れる
日和見のユダと虚実を語り合う
海を抱きうそぶくユダと握手する
奸計にとっぷり堕ちたかユダの耳
夕暮れの橋に侘つ優しいユダ
夕陽と堕ちてゆくノスタルジィな影
半開きの扉から火まみれの苔しなる
ぼうっと沖の夕陽みている耳の底
甘い懊悩ホーホーホタル持ち歩く
間の抜けたサタンと不意にする会話
熱い一日だったと思うピアノ連弾
鬱の字をどう崩そうか走り梅雨
濡れ衣をはらりと脱いだ冬の蠉
鼻の奥につんと酒とおんなの吐息
媚びるでもなく腹芸ポトリ目が落ちる
朱に染まる腹芸あれはメランコリー
ピクンと動く呆れた記憶と慙愧
裏切りのくちびる淡いピンクがいい
密会の壺から秘めやかなるバドル
レタスパリッと壊れた壺を裏返す
クッキーカリカリ焼けてジハードか
負け犬の自負ご飯はてんこ盛り
ファックスかたかたと鳴る歯ぎしり
あわあわと狂女の面を彫り続け
梟がしきり啼く恋の成就
闇に沈んだ庭にそっと置く倦怠
砂時計さらさらさらと死に支度
寂として水葬の花もて弄ぶ
生かされて名残りの握りめし頬張る
無常観ばっさり捨てた泥人形
おやゆび姫サンバのリズムに良い痴れる