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冠婚葬祭のひみつ(斉藤美奈子)

2006年12月01日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この本は、冠婚葬祭について、明治や昭和の冠婚葬祭から、いまどきの結婚、葬儀について分かりやすく説明した本です。私も知らなかったことも多くなかなかためになる本だと思います。お勧めです!以下はその中で私なりにポイントだと思った点です。

・明治の結婚式のスタンダードは以下の自宅結婚式だった。婿方で行われる盃事が「祝言」で、花嫁の輿が婿方の家の敷居をまたぐことを「輿入れ」と呼ぶ。一番華やかなのが2の花嫁行列だった。神式もキリスト教式もない純粋な民間行事だったのが特徴。
 1 婿方の使者が嫁方を訪れ、花嫁と両親・親族とで盃をかわす(嫁方での式)
 2 花嫁を乗せた輿(明治以降は人力車)を中心に、親戚一同がぞろぞろと行列を組んで、嫁方から婿方に向かう(花嫁行列)
 3 花嫁花婿の三々九度の盃に続き、親・家族・親族・客などと盃をかわす。(婿方での式)

・明治の葬式は、遺体を洗い清めて(湯灌(ゆかん))、ひと晩つきそう(通夜)ところは今と同じで、翌日は以下の手順。江戸時代は土葬がほとんどで、1896年の火葬率は29%、1955年の火葬率は54%。
 1 遺体を棺におさめて焼香し、庭先で人々と別れをして出棺する。(自宅での葬式)
 2 棺を中心に一同がぞろぞろ葬列をつくって檀那寺や墓地に向かう。(野辺送り)
 3 ここで僧侶が読経し(寺での葬式)、墓穴に棺を埋める(埋葬)

・神前結婚式のルーツは1900年5月10日の大正天皇の婚礼である。また、この二人はまた、はじめて新婚旅行に出かけたロイヤルカップルでもあった。伊勢神宮と神武天皇陵などへの参拝を兼ねた三重・京都・奈良への旅だった。

・「ゼクシー」の調査では、結婚にかかる総費用の全国平均は以下の524万円。結婚資金を貯蓄していた人は、男性68%、女性74%。二人の合計貯蓄金額は337万円。86%のカップルが親や親族からの援助を受けており、援助額の平均は227万円。最低でも1人150万円ずつの結婚資金を貯め、なおかつ親に200万円程度の援助を仰いではじめて結婚が可能になる。
 1 婚約費用(結納・婚約記念品・指輪など):31.8万円
 2 婚礼費用(挙式・披露宴など):282.7万円
 3 新婚旅行費(旅行費・土産など):62.3万円
 4 新生活費用(入居費用・家具家電など):147.2万円

・2003年の日本消費者連盟アンケートの葬儀平均額は328.6万円で内訳は以下の通り。
 1 葬儀一式の費用(基本セット+オプション):150.4万円
 2 飲食接待費(通夜ぶるまいと精進落しなど):38.6万円
 3 香典返し費(後日、会葬者に送る品物代):91.0万円
 4 宗教者に支払う費用(寺へのお布施など):48.6万円

・葬儀の中でも安価なのは、市民葬・区民葬と呼ばれる市区町村が世話する葬儀である。戦後の貧しかった時代に考えられた制度で、自治体の認定を受けた指定業者が葬儀を行い、規格にそった葬儀を統一価格で提供する。申込者か死亡者がその自治体に在住であれば、誰でも利用できる。(廃止した自治体もあるので要注意)東京23区の場合だと、死亡届を提出して「区民葬をしたい」といえば、「祭具券」「霊柩車券」「火葬券」がセットになった葬儀券をくれる。ちなみに棺と祭壇を含む「祭具券」はA(247,800円)、B(130,200円)、C(95,550円)の3クラス。霊柩車、火葬、骨壷にもランクがあり、最低に抑えれば154,600円、最高でも324,500円。ただし、遺影や生花や式場使用料は別途必要。

<目次>
はじめに
第1章 冠婚葬祭の100年
 1 明治の家と冠婚葬祭
 2 昭和の結婚と優性思想
 3 「冠婚葬祭入門」とその時代
 4 少婚多死の時代を迎えて
第2章 いまどきの結婚
 1 今日的ウェディング狂想曲
 2 結婚式に招待されたら
 3 多様化する結婚の形
 4 変容する通過儀礼
第3章 葬送のこれから
 1 現代葬儀の基礎知識
 2 死の準備はどこまで必要か
 3 身近な人の死に際して
 4 遺骨のゆくえ、墓のゆくえ
もっと知りたい人のためのブックガイド
主な参考文献
あとがき

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<今日の独り言>
 タンスの中の帽子を見ていると、虫が・・・・!!スーツも食べられています・・・!!止む無く防虫剤を買いました・・・

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