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スタンフォード式人生を変える運動の科学(Kelly McGonigal(ケリー・マクゴニガル))という本はとてもオススメ!

2021年05月22日 01時00分00秒 | 

 

 「スタンフォード式人生を変える運動の科学」という本は、外での運動は心身共に人間の幸福に貢献するという内容で、更に音楽と一緒に、そして仲間と、緑多い自然の中での運動が良いようです♪

以下は本書のポイント等です♪

「スタンフォード式人生を変える運動の科学」という本は、より良い人生のため健康を考える上で、とてもオススメです!

・本書の中心的なテーマは、「運動は人間の幸福にいかに貢献するか」である。私はまず、科学論文を徹底的に調べることから始めた。運動をする人たちの方が幸福度が高いことを示す論文は無数にあるが、それは読み飛ばし、その理由を解き明かすカギとなる研究や理論を探した。神経科学、古生物学、音楽学など幅広い分野の論文を熟読し、人類学、心理学、生理学の学者たちにも話を聞いた。またアスリートや運動の専門家らに取材し、ジムやダンススタジオ、公園から航空母艦まで、人々が体を動かすさまざまな場所を訪ねた。回想録や民族誌を読みあさり、世界のさまざまな文化や歴史の中で、体を動かすことが果たしてきた役割について、理解を深めた。さらに幅を広げ、哲学者や宗教学者による文献にも目を通した。ポッドキャストをダウンロードし、ソーシャルメディアのグループにも参加した。そして友人や家族のほか、面識のない人々にも連絡を取り、体を動かすことについてのインタビューを申し込んだ。取材後、気がつけば私は、いつも録音した会話の一部を聞き直していた。自分が取ったメモの内容を確認するためだけでなく、その人の体験談をもう一度、聞きたくなったからだ。取材した人の多くは、体を動かすことが自分にとって何を意味するかを語るとき、思わず涙ぐんでいた。ある人の話を繰り返し3回聞いたあと、私はこう書いていた。「そのことを話してくれたとき、彼女の目から涙があふれた」そして、ふと気がついたのだ。あれは喜びの涙であり、体を動かす喜びは感動をもたらすのだと。

・運動がもたらす心理的な効果は、「幸福ホルモン」と呼ばれるエンドルフィンによる高揚感だけではない。運動によって、ほかにも多くの脳内化学物質が活性化するため、エネルギーが湧き、不安が和らぎ、人との絆が深まるなど、さまざまな効果が得られる。脳の炎症を抑える効果もあるため、長期的にはうつ病や不安症や孤独を防ぐことにもつながる。更に、定期的な運動は脳の構造に物理的な変化をもたらし、喜びや、人とのつながりを感じやすくなる。こうした神経系の変化は、うつ病や依存症の最先端治療で確認された効果に匹敵するほどだ。運動すると貴軍が爽快になるのは、そのための仕組みが筋肉組織に備わっているためでもある。体を動かすと、脳のストレス耐性を高めるホルモンが、筋肉から血中へ分泌されるのだ。このホルモンは「希望の分子」とも呼ばれている。

・脳内化学物質の作用によって走ることに喜びを感じる状態は、原始人たちが狩猟や採集に励むための報酬として役立っていたらしい。私たちがランナーズハイと呼んでいるものは、祖先たちが協力し、狩りの獲物を分け合うのに役立っていたようだ。進化の過程で人類が生き延びたのは、体を動かすことで快感が得られたせいもあるだろう。現代においても、ランニングなどの運動がもたらす高揚感は、私たちの気分を高め、人とのつながりを深めるのに役立っている。ランナーズハイの科学を理解することは、そのような効果を利用して仲間とのつながりを深め、愛情や生きる喜びを実感できる運動を見つけるのにも役立つ。

・注目したいのは先進国で蔓延している心臓病が、狩猟採集民族であるハヅァ族にはまったく見られないことだ。同年代のアメリカ人と比較した場合、ハヅァ族のほうが血圧やコレステロール、トリグリセリドの数値が低く、心臓発作をまねく血液の炎症反応の指標である。C反応性タンパクの数値も低い。いずれも心臓が健康である証拠であり、身体活動量の多い人々によく見られる特徴だ。だがもっと驚いたのは、二大現代病と呼ぶべき不安症とうつ病が、ハヅァ族には見られなかったことだ。

・アメリカとイギリスの研究では、中強度の運動をしている成人たちに、一定の期間、座っている時間の多い生活をしてもらい、健康状態が悪化するかどうかを観察した。ふだん運動している人たちが、2週間ほとんど座りっぱなしの生活をしたところ、不安や疲労感や敵愾心が強まったことがわかった。

・無作為に選んだ成人を対象に1日の歩数を減らしたところ、88%の人たちに気分の落ち込みが見られた。座りっぱなしの生活では、1週間もし内うちに、人生の満足度は31%も低下した。毎日の平均歩数が5649歩を切ると不安や気分の落ち込みなどの症状が現れ、人生の満足度が低下してしまう。いっぽう、典型的なアメリカ人の1日の歩数は4774歩、世界の平均は4961歩という状況だ。

・現代人のように、がっしりとして、扁平で、地面を蹴りやすい足が登場したのは、化石記録によれば、100万年から200万年前ごろだ。ちょうどその時期からホモ・エレクトスの骨格の化石が見つかっており、猿人にくらべて大腿骨が1.5倍長く、肩幅が広く、前腕が短くなっている。いずれも効率的に走りやすくするための特徴だ。化石記録はさておき、あなたも自分の体を観察すれば、そのような特徴がたくさんあることに気づくだろう。大きな臀筋と長いアキレス腱は、体に推進力をもたらす。人間はほかの霊長類に比べて遅筋線維が多く、持久力に優れている。また走ることでミトコンドリアが増え、多くの酸素を使ってエネルギーを産生する。さらに人体には霊長類の中では言い津、項靱帯という頭蓋骨の底部と脊椎をつなぐ線維性膜が備わっている。オオカミや馬などの走る動物に備わっているこの項靱帯のおかげで、走っても頭がグラグラしないのだ。こうした適応はすべて、人間が持久系アスリートとして進化してきたことを示している。原始人の生存は長距離を速く走る能力にかかっていたため、あなたの体にも生まれつき骨や筋肉や関節が備わっていて、持久力を発揮できるようになっているのだ。

・ランナーズハイを引き起こすカギは、走る行為そのものではなく、中強度の運動を継続することにある。実際に数々の研究でも、サイクリングやトレッドミルの傾斜面でのウォーキングやハイキングなどをした場合も、内因性カンナビノイド値が上昇することがわかっている。高揚感を味わうためには、それなりの時間と努力を費やす必要があるのだ。

・継続した動きによって心拍数が上昇する運動なら、どんな運動であれ、頑張ったごほうびをもらえる。運動がもたらす高揚感を味わうには、何をすべきかという客観的な達成基準もなければ、必要な速度や距離も決まっていない。但し、自分にとってややきつい運動を20分は続ける必要がある。ランナーズハイは走ることではなく、持久力を発揮することで得られるからだ。

・運動をして汗をかくことで人付き合いにも自信がもてるとは、驚くべき副次効果にも思えるが、ランナーズハイに関連する脳内化学物質の作用によって、人はつながりやすくなるのだ。内因性カンナビノイドの作用に関する2017年のレビューでは、気分を高揚させる効果の高い3つの要因が明らかになった。すなわち、大麻中毒、運動、社会的つながりだ。いっぽう、内因性カンビノイドの血中濃度が低くなると表れやすい精神状態は、大麻の離脱症状、不安症、孤独の3つである。内因性カンナビノイドには、不安が和らぎ、明るい気分になるだけでなく、人とのつながりを感じやすくなる効果がある。内因性カンナビノイドの血中濃度が高くなると、人と一緒にいることが楽しくなるだけでなく、交流の妨げとなる社交不安が緩和される。そして内因性カンナビノイドの作用ご阻害されると、ランナーズハイを経験できなくなるのと同じように、人と交流する意欲や能力が削がれてしまうのだ。

・分かち合いが上手な集団は、生き残る可能性が高まった。そのため人体は自然選択によって、長い下肢骨などの持久力の強化につながる特徴に加えて、集団内の協力に役立つ特徴も備えるようになった。人間の白目が大きいのはそのためで、アイコンタクトによるコミュニケーションがしやすくなっている。

・ハヅァ族の人々は、焚き火のまわりに集まって夜を過ごす。朝から晩まで、危険な狩りや手間のかかる採集に励んだあとの寛ぎのひとときだ。焚き火を囲むことで人々のつながりが強まるのは、科学的にも明らかだ。温もりや、揺れる炎や、薪のはぜる音に包まれていると、私たちは人とつながる喜びを感じやすくなる。

・ランナーズハイが社会的孤立を防ぐ手段になるというのは意外かもしれない。だが、原始人たちの餓死を防ぐのに役立った脳の仕組みが現代社会の飢餓-すなわち孤独という窮地から私たちを救ってくれるのだ。運動と社会的つながりが結びついていることは、私たちが積極的に体を動かす理由であるとともに、人間が生きていくためには互いを必要とすることを私たちに思い出させてくれる。

・多くの研究によって、毎日運動をしている人たちは1日でも運動を休むと、不安や苛立ちを感じやすくなることがわかった。3日間運動しなかった場合にはうつ病の症状が表れ、1週間になると深刻な気分障害や不眠の症状が表れた。

・2011年3月、東日本大震災によって、宮城県岩沼市は甚大な被害を受けた。太平洋沿岸にある市の面積の約半分が津波で浸水し、180名の住民が犠牲となった。震災後、市民の15%にはうつ病の症状が見られた。市の公衆衛生担当の職員たちは、復興へ向けた取り組みの一環として、市民たちが体を動かす機会を増やすため、運動プログラムを実施した。すると、グループエクササイズへの参加が多い人たちほど、うつ病になりにくいことが明らかになった。うつ病の予防には、ひとりでウォーキングをするのも効果的だが、グループエクササイズのほうがさらに効果が高かった。

・音楽のもつ強壮剤的な効果は、人々が体の限界を超えて力を発揮するのに役立つ。ある実験では、糖尿病と高血圧の中年の患者たちを対象に、心血管ストレステストを実施した。これは、心臓の強度や持久力を測定するための基準となるテストだ。参加者たちはトレッドミルの上で歩いたあと、今度はできるだけ長く走る。だがトレッドミルはだんだん速度を上げ、台の傾斜も大きくなっていく。ほとんどの人は6分で息切れを起こし、8分以内にギブアップした。ところが、アップテンポの音楽を聴きながら走った場合は、患者たちは平均で51秒も長く持ちこたえた。全速力を出しながら、1分近くタイムを伸ばしたことになる。音楽は患者たちの心臓の能力を引き上げたのだ。

・今では多くのアスリートたちがこの効果を利用している。入念な対照実験においても、音楽をかけた場合、ボート選手や短距離走者や水泳選手たちが、自身のタイムを縮めることができた。またランナーたちは極度の暑さや湿度により長く耐え、トライアスロン選手たちは疲労の限界に達するまでの距離を延ばすことができた。アスリートたちが全力を出すときに音楽に合わせて体を動かすと、まるで歌から必要なエネルギーが供給されるかのように、酸素を効率よく消費することができるのだ。

・パワーソングには、刺激をもたらす共通の特徴がいくつかある。たとえば、激しいリズムや力強い曲調。また1分間に120拍から140拍のテンポは、世界的に人間の運動にもっとも適したリズムとされている。さらに、パワーソングは音楽以外の点で強い連想性をもっており、前向きな気持ちやイメージを抱かせたり、意味をもたらしたりする。

・ハッピーな音楽と喜びを表現する動きには、顕著な類似点がある。ハッピーな感じがする歌はテンポが速く、リズムが激しく、声のトーンは高めで、声量も大きい。楽しそうな動きにも同じような特徴がある。喜びの動作は速く、大きく、上下する。嬉しい気持ちは体を弾ませたり、ジャンプしたりして表現する。からだ全体で喜びを表すときは、両腕を広げて空を仰ぎ、体を大きく開く。

・心理学では、自然の中でおこなう運動をグリーン・エクササイズと呼ぶ。どんな運動であれ、屋外で体を動かし始めて5分もすると、気分が明るくなり、楽観的になることが分かっている。重要なのは、たんに気分が良くなるだけでなく、日常生活の悩みごとから離れて、生命のつながりを強く感じることだ。散歩をすると、体内時計のペースが遅くなり、時間が長くなったような感じがする。植物の豊富な環境にいるだけでも、自分の生き方をよく見つめられるようになる。また、美しい自然の中で過ごした時間を思い出すだけでも、「まわりの世界とのつながりを感じる」「日常の心配ごとから解放された気分だ」「自分より大きなものの存在を感じる」といった感想を述べる人が多い。屋外で過ごすのは、苛立った気分を穏やかにする効果もある。驚き、畏怖、好奇心、希望など私たちが自然の中で過ごすときに湧いてくる感情は、心配や注意散漫、気分の落ち込みなどに対する天然の解毒剤なのだ。

・人間が1日の大半を屋内で過ごすようになったのは、人類史上で見れば、比較的最近のことだ。人類はかつて、ほとんどの時間を野外で過ごしながら、自然とふれあっていたのであり、人間の脳はそのような状況で発達した。そのため人間の脳は、自然とふれあうことで認知能力が伸びる。屋外で活動的に過ごすことによって、私たちはマインドフルネスの状態になりやすく、自分よりも大きな存在とのつながりを感じやすくなり、人間が本来もっている喜びに目覚めるのだ。

・持久力の限界まで自分を追い込む経験をしたことによって、人間は互いに支え合い、助け合って生きているという大切なことに気づく人は多い。日本の比叡山延暦寺には、スピリチュアル・アスリートおも呼ぶべき修行僧たちがいる。この寺の千日回峰行という修行では、修行僧たちは真夜中に起き、峰や谷を越えながら約30kmの山道を6時間で巡拝する。季節や天候を問わず、たとえ雪が降っていても、わらじを履いて歩かねばならない。雨が激しいときは、わらじが壊れた場合に備えて、替えの一足を持っていく。30kmの道のりで休憩はたった1回、2分間、経を唱えるときだけだ。この回峰行は、経典の勉強や座禅などと同じく精神修養とされている。回峰行の歴史は平安時代までさかのぼるといわれる。1885年以来、7年間で満行を果たした僧はわずか51人だ。ひと晩で歩く距離は7年間で段階的に増えていく。最後の年は84kmに及び休憩なしでマラソン2回分の行程を歩くことになる。光永圓道は、千日回峰行の満行者のうち、数少ない存命の僧侶だ。2010年、光永はアメリカのナショナル・パブリック・ラジオの取材に対し、修業で得たもっとも大切な悟りについて語った。最初の700日の回峰行を終えたあとにおこなう「堂入り」という修行では、9日間の断食・断水・不眠・不臥で不動真言を唱え続ける。その儀式によって極度に消耗した彼が生き延びられたのは、ひとえに仲間の僧侶たちが世話をしてくれたおかげだった。その後も続いた合計7年間の壮絶な修行によって、心にもっとも深く刻まれた意義深い悟りについて彼はこう語った。「人はみな、自分は誰の世話にもならずに生きていると思っています。でも、そんなことは不可能なのです」

・私たちは体を動かすことによって、何万年も前から人類が生き残るために役立ってきたさまざまな本能を活用することができる。やりとげる力や、互いに協力し、助け合うコミュニティを形成する能力。将来のために備える力や困難を克服し、乗り越える力。社会的弱者を擁護し、守る力。まわりの人たちや世界とのつながりを感じる力。与え合い、手を差し伸べ、助け合う力なのだ。運動がこのような効果をもたらす仕組みは喜びにある。ランナーズハイも、体を一緒に動かすことによる高揚感も、自然との一体感も、すべては喜びをもたらす脳内化学物質の作用によるものだ。喜びを感じるからこそ、私たちは儀式や音楽に惹かれる。自己ベストを更新するのも、ほかの人たちと助け合うのも、誰かが目標を達成するのを見届けるのも、そこに喜びを感じるからこそ、大きな満足感が得られるのだ。運動によって私たちの最善の部分が引き出されるのも、やはり幸せな気分になるからだ。いっときのうれしさや誇らしさだけでなく、深い意味での幸福を味わうことができる。それは、目的意識をもって努力できたことや、良い仲間に恵まれたこと、自分よりも大きな存在とのつながりを実感できたことによる幸福感だ。そのような幸福感は、希望と呼ぶのがもっともふさわしい。

・とにかく動くこと。どんな運動でもどんな量でも構わないから自分が楽しいと思うことをしよう。
 ・体のなかでまだ動く部分を、感謝の気持ちをもって動かそう
 ・一人の時も、仲間と一緒の時も、体を動かそう
 ・家の中でも屋外でも体を動かそう
 ・音楽に合わせて体を動かそう。静寂の中でも体を動かそう。
 ・自分にとって意義のある目標を設定しよう。
 ・少しずつ挑戦し、やがて意欲的なチャレンジを達成しよう。
 ・新しい体験を求め、新しい自分に出会おう
 ・運動をすることでどんな気分になるか、自分にどんな変化が起きるかに注目しよう。
 ・体の声に耳を澄ませよう
 ・自分にとって心地よく感じることをしよう
 ・たとえ話や比喩を大いに活用しよう
 ・刺激を与えてくれ、温かく迎えてくれる、場所や人々やコミュニティを探そう
 ・喜びの糸をできるだけ長く手繰り寄せていこう

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