ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

NHK の広場、18、ドイツ語(17、係への手紙)

2005年07月20日 | NHKの広場
 ラジオドイツ語講座担当ディレクター、松井健児様

前略
 これまでの私の手紙に対する〔2003年〕03月05日付けの貴下
からの返事と03月04日付けの田辺茂樹さんからの返事をいただ
きました。

貴下からの返事については、その中に、「4月はじめのアン
コールリクエスト特集で『樅の木』についても触れる予定」と
ありましたし、その他のこともあり、今日までお返事しません
でした。

1、アンコールリクエスト特集では『樅の木』についての言
及はありませんでした。つまり、 Tannenbaum については、N
HKの方で間違っていたと認めたにもかかわらず、聴取者は間
違った説明を聞かされたままになっているということだと思い
ます。

2、その他の点については田辺さんは元を左右にしています
が、無責任だと思います。「歌で楽しむドイツ語」はいずれ再
放送する予定だそうですが、その時も又、デタラメな説明を押
し通すつもりですか。私が親切に指摘しているのですから、私
だけでははっきりしないと言うならば、日本人のドイツ語学者
及びドイツ人のドイツ語学者を交えて検討してから再放送する
べきだと思います。

私の考えはその後、私のホームページ「哲学の広場」のコー
ナー「辞書で読むドイツ語」の中に「NHKラジオドイツ語講
座の発展的学習」という欄を作りました。既に4回分載ってい
ます。今後も書いていくつもりです。それをご覧ください。

尚、私の本『辞書で読むドイツ語』については(ラジオ講座
のテキストの)6月号に広告が載っています。

3、私の問題にしているのは、個々の間違いだけではなく、
放送の中で出てきた問題点については放送の中で必ず取り上げ
るのが教養番組の義務ではないのか、ということです。授業の
中での質問については教師は授業の中で取り上げるべきですが
、それと同じだと思います。これは議論の少ない日本人の特性
から見ても大切な事だと思います。私が裁判所に訴えてでも主
張しようかと考えているのもこの点です。

 4、聴取者の評判は大切ですが、学問的見地も大切だと思い
ます。両者が一致しない場合は、一致するようにするべきだと
思います。

 貴下が挙げている「評判のよかった中級講座」は、全体とし
てはどれもよかったですが、「原書で楽しむグリム」と「歌で
楽しむドイツ語」は講師の実力不足のために語学的には問題が
沢山ありました。

 御存知ないようですが、池田佳代子さんのドイツ語学につい
ては学者の間での評判は悪いです。私が見てもそうです。

 田辺さんは今回初めて知りましたが、お話になりません。

 完全な人はいませんから欠点のあるのは仕方ないことです。
欠点を自覚して、それを補うことを受け入れるだけの謙虚さを
持った人を選んだらどうですか。あなたが「番組制作のプロ」
ならそうするべきだと思いますが。

 今年の番組では中級はこれまでのものに比べてなんとなく物
足りない感じがします。しかし、特に間違いというほどのこと
は今のところありませんし、ドイツ語は聞きやすいものになっ
ています。

 初級は「説明した方がよいのに」と思う点で説明のない事が
1つありましたが、それは私のHPに書きます。間違いと思う
のは次の点です。

 05月19日の放送の中で、 in der Prager Strasse 12 を「プ
ラーガー・シュトラーセ12番地」と訳していました。これは違
うと思います。

 この際、ドイツ(欧米)と日本の住所表示の根本的な違いを
説明したらどうでしょうか。日本では「地」番表示です。ドイ
ツでは「建物」番号の表示です。つまり、 in der Prager
Strasse 12 というのは「プラハ通りの中で12番の建物」とい
うことです。

ドイツでは市域を更に地域に分ける発想はないようです。通
りにすべて名前を付けて、その通りの左右で奇数と偶数に分け
て、通りの始まりのところから順に一方の側の建物は1, 3, 5
~、他方の側の建物には2, 4, 6 ~と番号札を建物に張るよう
です。

ドイツ人のゲストの方に確かめてから、放送で説明した方が
よいのではないでしょうか。(講師の)増本浩子さんもこれく
らいの事は知っていると思います。

今後もがんばって下さい。しかし、他人の意見を聞く謙虚さ
だけは忘れないで下さい。
                  草々
2003年05月20日
                     牧野 紀之

 付記

 この「地番」の件はその後訂正されませんでした。又、再放
送の際にもそのままでした。反論もありませんでした。これが
「教養」番組でしょうか。
    (2005年07月20日)