ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

NHK の広場、7、ドイツ語(06、接続法第2式の扱い)

2005年07月09日 | NHKの広場
荒井 訓 様

前回も申し上げましたが、「レオのドイツ語世界」はとても
よかったと思います。工夫が沢山ありました。

聞いていますと、あなたは関口存男氏のドイツ語学を学んで
いるらしいと思いました。又、ランゲさんという立派な同僚に
も恵まれているようです。何よりあなたはまだ40代のようでこ
れからの日本のドイツ語教育学界を背負って立つ人の一人だと
思います。

そこであえて問題を提起します。

それはほかでもない接続法第2式をどう研究し、どう説明す
るかという問題です。

私見によれば、接2の用法を全部説明するという意気込みを
持った本は1つもないと思います。どれを見ても「基本だけ」
説明する、といった風に逃げています。

 又、独和辞典もようやく話法の助動詞の接2形を独立した見
出し語として掲げるようになりましたが、その用法の説明は極
めて不十分です。

 関口氏の『接続法の詳細』(三修社)だけは例外で、これは
本当に立派なものですが、それでも全部は尽くしていません
し、何よりもハンドブックのようになっていないために、出て
きた接2の用法を手軽に調べたい時に役立たないと思います。

 あなたは9月号の27ページでそれの一部を説明していますが
、やはり接2の用法の全体像を示すべきではなかったかと思い
ます。又、もっと沢山の時間を割いて接2を取り上げるべきで
はなかったかと思います。

 その理由は、第1に、ドイツ人にとっては接2は極めて身近
な存在で、子供のころにその基本を身につけるものであり、接
2を使って多くの感情を表現し、ニュアンスを表すからです。

 第2の理由は、日本人のドイツ語学習者は(多分、ドイツ語
を外語として学ぶ人はみな)接2は難しいという先入観に囚わ
れているからです。そして、その原因の1つは、研究者がしっ
かりしていないからであり、例えば読本のテキストについてい
る「編者の注解」をみましても、難しい所は素通りしています
し、間違っている場合も多いからです。

 というわけで、あなたが今後、接2の研究と教育方法につい
て考えてくださるように希望します。
                   草々
2001年10月01日
                     牧野 紀之

 付記・これにも返事がありませんでした。

NHK の広場、6、ドイツ語(05、返事がないこと)

2005年07月09日 | NHKの広場
NHKラジオドイツ語講座の係 御中

前略
 私は(2001年)08月27日付けでラジオ講座の担当講師3人に
手紙を書いたものです。係の方から葉書でお返事をいただきま
したが、そこには「三講師へのお便りありがとうございます。
各先生におわたしし回答を依頼しました」とありますが、09月
30日現在、いまだに回答をいただいていません。少しおかしい
のではないでしょうか。

 その後感じたことを書きます。

池田香代子氏の講座はメルヘンの世界の説明には聞くべき点
がありますが、ドイツ語学の講座としてはあまりにも不十分だ
と思います。絶対に説明しなければならない点が落ちていて、
しかもそれがたくさんあるのです。少し例をあげます。

テキスト8月号の80~82ページについて。

(1) 80ページ8行目と15行目の sollte の位置については絶
対に説明しなければならないと思います。又、sollteについて
は直接法の過去形なのか接続法第二式現在なのかも説明するべ
きだと思います。

(2) 同、14~15行目は und als sie oben stand und [als]
das Feuer eben sollte angezuendet werden, とありますが、
この [als] は私が入れたものです。同じ接続詞に導かれた副
文が2つ以上並べられる場合、2回目以降にその接続詞を繰り
返すか省くかの問題を説明するべきだと思います。

(3) 92ページ5行目の haette は接続法第二式のどういう用
法なのか、説明するべきだと思います。

 テキスト9月号はまず64ページを取り上げます。

(4) 4行目の der Aschenputtel im Hause はなぜ不定冠詞
が付かないのか。これは説明するべきだと思います。これは「
固有名詞の普通名詞化」の一種とも考えられ、それならば ein
Goethe (ゲーテのような大詩人)のように不定冠詞がついて
おかしくないからです。

(5) 12行目の文頭の Hast duの定形倒置(私はこれは「定形
先置」と名付けますが)も説明するべきだと思います。

(6) 23行目の der hing voll Aepfel も、こういう言い方の
特徴及び定形がなぜ正置されているのか、この2点について説
明するべきだと思います。

 (7) 9月号72ページの Da haette ich Lust についての説明
はありがたかったです。しかし、更に進んで、こういう場合は
Da, wenn ich Lust haette とは言わないのかということも説
明してほしいと思います。

(8) 同74ページの Das Pech wollte nicht abgehenの
wollte はかなり知られていますが、語学の講座としては説明
した方が親切だったと思います。

 以上はほんの数例ですが、これまでにも沢山ありました。
やはりドイツ語講座だということを考えてほしいと思いま
す。
参考のために率直な意見を述べました。
                     草々
2001年10月01日
                      牧野 紀之

 付記・これにも返事がありませんでした。