NHK世論調査、野田内閣支持率微増と野田政治否定的評価との奇妙な食い違い

2012-03-13 07:24:34 | Weblog

 NHKが3月9日から3日間行った、全国20歳以上男女対象コンピューター無作為抽出の番号に電話をかける「RDD」方式の世論調査で野田内閣支持率が前月比で微増した。《内閣支持率やや上昇 33%に》NHK NEWS WEB/2011年3月12日 19時27分)

 その内容を見ると、誰が見ても感じるに違いない奇妙な食い違いを窺うことができる。

 前月比である関係から、《野田内閣 支持率は31%》NHK NEWS WEB/2011年2月13日 19時8分)が伝えている2月10日から3日間行った調査と比較しながら、その食い違いを見てみる。

 2月調査――1557人対象、65%に当たる1008人から回答。
 3月調査――1615人対象、67%に当たる1074人から回答。

 最も関心がある社会保障政策と消費税増税、そして震災・原発対応に関してのみ取り上げる。

  2月支持率               3月支持率

「支持する」31%(1月比+1ポイント) ――33%(先月比+2ポイント)   
「支持しない」48%(1月比+1ポイント)――48%(先月比±0)

  2月支持する理由       3月支持する理由

「他の内閣より良さそうだから」45%  ――43%   
「人柄が信頼できるから」27%     ――29%

  2月支持しない理由      3月支持しない理由

「政策に期待が持てないから」39%   ――43%
「実行力がないから」32%       ――28%

“社会保障と税の一体改革”について
  2月調査なし          3月調査 

             「大いに評価する」4%  ――「まったく評価しない」17%
             「ある程度評価する」34%――「あまり評価しない」41%、

「社会保障と税の一体改革」関連法案今国会提出・成立目標について

 2月調査                         3月調査

「大いに評価する」7%  ――「まったく評価しない」19%  「賛成」27%――「反対」36%
「ある程度評価する」33%――「あまり評価しない」34%   「どちらともいえない」35%

月7万円以上「最低保障年金」創設財源、消費税率10%将来的+について

 2月調査                    3月調査なし

「賛成」14%――「反対」35%
「どちらともいえない」46%

大震災政府対応評価

 2月調査なし                3月調査

                「大いに評価する」5% ――「まったく評価しない」13%
                「ある程度評価する」34%――「あまり評価しない」44%

福島原発事故政府対応評価

 2月調査なし                3月調査

                「大いに評価する」2%  ――「まったく評価しない」30%
                「ある程度評価する」16%――「あまり評価しない」48%  (以上)

 2月、3月とも、支持理由に政策や実行力の項目は入らず、見た目の印象で得点を稼いでいる、いわば政治的実力、あるいは政策的実力で支持を集めているのではなく、“印象派”に所属する首相と言える。このことが支持・不支持の逆転現象となって現れている最大の理由であろう。

 また、前首相菅の不始末を引きずる不運を背負っているとは言え、首相として評価を得なければならない大震災対応や原発事故対応では不評価が評価を上回っている。特により目立った成果が求められている原発事故対応に関しては散々の結果である。

 「福島の再生なくして日本の再生なし」と機会あるごとに声を高くしていながら、菅仮免は悪い意味でその姿が見えたが、よい意味でも悪い意味でも姿が見えてこないことがそのまま反映しているマイナス評価ではないだろうか。

 ドジョウを任じていて、泥の中に潜る特性からすると当然と言えば当然なことかもしれないが、政治的行動性の影が薄いということである。この裏返しとしてある“印象派”と言うことでもあるに違いない。

 問題は消費税増税に関しても社会保障制度に関しても、「最低保障年金」制度にしても反対が賛成を上回っていながら、2月よりも3月調査での支持率が微増している点である。

 2月と比較した3月調査の支持・不支持率の違いからははっきりとは見えてこないが、各政策そのものの評価の反対が上回っていることから判断すると、やはり見た目の印象が支えとなった微増ではないだろうか。

 いくら見た目の印象で支持率を僅かながら挽回したとしても、それでも不支持率が支持率を10ポイント以上も上回っていることに変わりはないし、その原因が政治的実力や政策的実力に対する不評価にあるという点についても変わりはない。

 このことは国民にとって、特に被災地の住民にとって悲劇である。


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