古賀茂明氏の有能な人材・有能な能力不活用と閑職1年9ヶ月は民主党ムダ根絶政策違反の税金のムダ遣い

2011-09-28 09:19:42 | Weblog

 改革派官僚として名を馳せていた経産官僚の古賀茂明氏が9月26日に辞職した。その経歴を「Wikipedia」から大まかに見てみる。

 〈1955年生れ

 1980年、東大法学部を卒業し、通商産業省(現経済産業省)に入省。

 2006年には大腸癌の手術を受け抗がん剤の投与を受けるようになる。この年、公務員改革に力を入れていた渡辺喜美行政改革担当内閣府特命担当大臣から、大臣補佐官の就任の要請を受けたが、癌による体調悪化から辞退し、代わりに経産省の同僚だった原英史を紹介し、原が大臣補佐官に就任した。

 2007年には独立行政法人の産業技術総合研究所に飛ばされたものの、渡辺大臣が福田康夫首相の反対を押しきる形で2008年に霞ヶ関に復帰させ、内閣官房に設置された国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任。当時の渡辺喜美行政改革担当相の下で、「年功序列人事の廃止」「天下り規制の強化」「事務次官廃止」など急進的な公務員制度改革に取り組んだ。

その後、就任した仙谷由人行政刷新大臣は、当初は公務員改革への意欲をみせ古賀を補佐官に就かせ行政改革を続けさせるつもりでいたものの、そのような人事は財務省が認めないとの古川元久内閣府副大臣や松井孝治内閣官房副長官ら官僚出身議員からの進言を受け断念。

 2009年12月、唐突に国家公務員制度改革推進本部の幹部全員が解任され、古賀も内閣事務官の任を解かれ、経済産業省に戻ったが、それ以降は仮置きの部署である「経済産業省大臣官房付」に長期間留め置かれる異例の人事措置が取られる。この間、数度にわたりマスコミを通じて政府の公務員制度改革案を批判し、広く名を知られるようになった。官僚批判の著書も出版し、ベストセラーになっている。

 2011年6月、7月15日までに辞職届を提出するよう海江田万里経済産業大臣及び松永文夫経済産業事務次官から通達されるが、これに応じなかった。同年7月には事実上の退職勧奨である民間出向の打診も受けたがこれも拒否した。しかし、枝野幸男経産相の就任後に同省の立岡恒良官房長から「枝野大臣は辞める手続きを進めてくれと言っている」と連絡があったため、9月26日付で辞職することを明らかにした。ところが枝野経産相は「私が直接対応すべき事務次官級幹部官僚人事ではない。事務次官以下に任せる」との発言があったため、古賀は「これは民主党が提言した党主導で行う官僚人事のひとつであり、官僚である事務次官以下で決めるのはおかしい。辞表を撤回して再度(枝野に)大臣としての判断を求める」としていたが、経産省の官房長から退職を促されたために9月22日、同月26日付で辞職する内容の辞表を提出した。

 メディアで公務員改革の主張や、東京電力批判などをするようになってからは、川崎市の自宅玄関前に血を流したハクビシンの死体が置いてあったり、近所の家や街灯には電気が通っているのに古賀の自宅のみが停電するなどの事態が生じているが、人為的ではなく偶然の可能性もあり、被害届等は出していない。〉・・・・・

 以上のことは新聞・テレビでも報道されていたことで、ほぼ間違いないと思う。約30年の官僚生活となる。

 《2009年民主党の政権政策(マニフェスト)》から「ムダ」という言葉を検索し、主なところを拾い出してみた。

 「税金のムダづかいを徹底的になくし、国民生活の立て直しに使う。それが、民主党の政権交代です。」

 「『税金のムダづかい』を再生産している今の仕組みを改め、新たな財源を生み出す。」

 「税金のムダづかいと天下りを根絶します。」

 「ムダづかいをなくすための政策」

 「ムダづかい、不要不急な事業を根絶する」

 ●天下りのあっせんを全面的に禁止します。特別会計、独立行政法人、公益法人の仕事を徹底的に見直しま
  す。
 ●官製談合と不透明な随意契約は一掃します。
 ●国家公務員の総人件費を2割削減します。
 ●国が地方に使い途を指定する「ひもつき補助金」は廃止します。
 ●企業団体による献金、パーティー券購入を禁止します。
 ●国会議員の世襲は禁止します。
 ●衆議院の比例代表定数を80削減します。

 「こんなにあるムダづかいの恐れ(平成21年度補正予算)」

 「メディア芸術総合センター建設(国営マンガ喫茶、117億円)
 官公庁の施設整備(2兆9000億円)
 雇用対策と称して天下り法人に渡した基金(7000億円)
 効果の疑わしい農地集積事業(3000億円)」

 「このマニフェスト政策各論は、『税金のムダづかい』を一掃し、明日の日本を切り開く具体的処方箋です。」

 「政策コスト、調達コストの引き下げで税金のムダづかいを根絶する。」

 「年金保険料のムダづかい体質を一掃する。」(以上)

 マニフェストが謳っている「ムダづかい、不要不急な事業を根絶する」の各項目は古賀茂明氏が取り組んでいた公務員制度改革にほぼ重なる。「事務次官廃止」の改革は民主党が掲げていた脱官僚主導・政治主導による政策コストの引き下げを目的としたもので、カネのムダ削減につながる改革と言える。

 だが、民主党は自らがムダ遣いをなくすために改革するとした各政策づくりに一度は有能と見ていた古賀氏の起用を思い立ちながら、断念、古賀氏という有能な人材を活用しなかったことと併せて1年9ヶ月間、死蔵することとなった。

 有能な人材・有能な能力の不活用、あるいは死蔵は裏返して言うと、無能な人材・無能な能力の活用もムダ遣いに入るはずだ。そこに生産性の無視、労働貢献度の軽視を介在させていることになるからであり、生産性の無視、労働貢献度の軽視自体がムダを生むことにつながることになるからだ。
 
 民主党は「国家公務員総人件費2割削減」、「衆議院比例代表定数80削減」の政策を掲げているが、数字上の削減のみで、無能な人材・無能な能力を蔓延(はびこ)らせたままであったなら、仕事の高度で密度の高い、尚且つ迅速な成果は期待不可能となり、その分のカネに換算した場合のムダだけではなく、無能な人材・無能な能力に投資する人件費も相当部分ムダに位置づけることができる。

 と言うことは、ムダ削減の基本は先ずは有能な人材・有能な能力の活用を出発点としなければならないことになる。有能な人材・有能な能力の活用を出発点として、より質の高いムダ削減の政治改革の迅速な到達点が期待可能となるはずである。

 民主党は古賀氏という有能な人材・有能な能力を活用しなかったばかりか2009年12月から9月26日までの1年9ヶ月、何ら活用もせず閑職に置いた。いわば有能な人材・有能な能力を死蔵させた。

 【死蔵】「活用しないで、ムダにしまっておくこと」(『大辞林』三省堂)

 譬えて言うなら、東京ジャイアンツ時代の松井秀喜を身体の故障があるわけでもないのに1年9ヶ月もベンチに置くようなものだろう。

 松井秀喜を1年9ヶ月もベンチに死蔵させた場合の損失額は膨大な金額に達するに違いない。

 古賀茂明氏に対する1年9ヶ月もの間のこの人材・能力の不活用、死蔵によって生じているはずの目には見えない、金銭に換算した場合の相当額のカネのムダ遣いと、入省から約30年勤続、56歳(?)のキャリア官僚にその人材・能力を活用しないままに支払っている報酬を併せた場合、国は、あるいは政府はかなりの無視できないムダ遣いをしていたことになる。

 マニフェストで「税金のムダづかいを徹底的になくし、国民生活の立て直しに使う。それが、民主党の政権交代です。」を掲げていながら、人材・能力を活用できない税金のムダ遣いを垂れ流してきた。

 現在経産相に就任した枝野幸男は古賀氏という有能な人材・有能な能力の不活用、死蔵によって生み出していた税金のムダを、不活用から活用への人事転換によって回収するチャンスがありながら、そのチャンスさえ自ら潰してしまった。

 有能な人材・有能な能力の不活用、死蔵が税金のムダ遣いだという認識さえ持つことがなかったからだろう。

 枝野がいくら口達者だとしても、このような認識を持つことができない政治家でいる以上、ムダ削減の政治改革は期待できまい。



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