麻生の中川任命責任だけではなく、自民党の麻生総理・総裁任命責任も問わなければならない(1)

2009-02-20 15:50:14 | Weblog


 2月14日の「7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)」後の2月14日夕方(日本時間15日未明)記者会見で泥酔した醜態を世界に動画発信した我が日本の誇る中川昭一財務大臣を麻生が続投を指示、それを受けて本人は辞任否定、それが予算成立後に辞任だと麻生内閣の一員らしく麻生迷走を見習って態度が定まらなかったが、17日の午後6時になって辞表の提出、結局引責辞任となった。

 野党は麻生総理大臣の任命責任を問う。自民党内の一部勢力は執行部の麻生首相を一致結束して今後とも支えていくという申し合わせに反して「麻生首相では選挙が戦えない、新しい総裁を選出すべきだ」といわゆる「麻生降ろし」に公然と動き出した。

 「麻生降ろし」に走り出した勢力は先の総裁選で麻生に一票を投じない議員がいたとしても、自民党全体では麻生を総裁に選出し、総理へと向かわせた責任を負うはずである。しかも「選挙の顔」に重点を置いた期待を麻生にかけながら、2008年9月24日の国会での首相指名から僅か5カ月足らずで、「麻生では選挙が戦えない」と「選挙の顔」であることのお役目御免まで願っている。

 マンガ好きだとかオタクやアキバの若者に人気があるといった見せ掛けの特異さで上辺の人気を装っていた軽薄・単細胞な政治家を総理・総裁に選んだ自分たちの人間を見る目のなさ・愚昧な洞察力をこそ先ず責め、その愚かさを明らかにして、それを参考教材に新たな総裁選びを行うのでなければ、馬脚をすぐにも現すこととなって同じことの繰返しで終わるだろう。

 福田首相が支持率は低迷してはいてもまだ辞任する前から例の如く選挙都合で「福田降ろし」の動揺が始まり、森元首相の「福田康夫首相の無味乾燥な話より、麻生さんのような面白い話が受けるに決まっている。・・・我が党も麻生人気を大いに活用しないといけない。『次は麻生さんに』の気持ちは多いと思う。私も、勿論そう思っている」(毎日jp)といった誘導に一蓮托生を決め込んだ。

 勿論自民党議員に関しては麻生任命の責任だけではない。安倍総理・総裁任命責任、福田総理・総裁任命責任も残っている。1年程度の短命内閣で終わる総理・総裁を選んだ。そして今回は総理大臣の態を成さない麻生太郎を選んだ。国民に対する責任もある。

 昨年の麻生を選出した総裁戦ではただ単に開かれた党を演出・宣伝するために複数候補を許す状況をつくり出した結果、5人もの総裁立候補者が十把一絡げのように雁首を揃えたが、最初から「麻生」の出来レースだったはずである。よくよく見ると、5人ともドングリの背比べ程度にしか見えない。

 選挙用のポスターに誰と一緒に写ったらいいか、「選挙の顔」探しに今から騒いでいるそうだが、「自分の顔」のみで戦えないのは自律していない証拠だとは気づかないらしい。

 中川昭一の泥酔・朦朧記者会見も醜態なら、「麻生では戦えない」自民党内の右往左往も醜態であろう。

 昨2月19日の衆議院予算委員会で民主党の菅直人代表代行が中川に対する任命責任を麻生に追及した。勿論、日本の麻生太郎は任命責任など認めるはずはない。HP「衆議院インターネット審議中継」の動画から菅直人の麻生に対する最初の追及部分を文字に起こしてみた。

 菅直人「(本会議冒頭の麻生の謝罪の言葉に関して)総理がですね、私は本当にですね、どんなふうに中川財務大臣の辞任について言われるのかなあと、耳をそばだてて聞いておりました。

 しかし総理の言葉は中川財務大臣が自分の健康管理が不十分であったことから、総理の判断は一切入っておりません。本人が健康管理が不十分で辞任することとなった、申し訳ないと言われた部分は単に予算審議中に担当大臣が交代に至ったことは誠に申し訳ない。一言も自らが任命した大臣であることに対するお詫びの言葉は入っておりません。しかし私が、少なくとも見たり聞いたりしている限りは、麻生総理は中川財務大臣とかなり親しい関係じゃないんですか?

 一緒に食事をされたことも、お酒を飲まれたりしたことも、あるんじゃないですか?そして私は中川財務大臣と特に飲んだことはありませんけれども、少なくともこれまでお酒を巡る色んなトラブルが報道されてきたことは私も色んなところで目に致しております。本当に大丈夫かなあという声があったことも聞いております。

 それを承知で任命されたのは麻生総理なんです。しかも今も、公明党の委員の方もありましたように、G7の後の記者会見というのは、ある意味、会議そのものは世界から直接見ることはできませんから、G7の後の記者会見こそ、それこそ各国の財務大臣が自分の国の国民に対してだけではなく、世界に向かって我が国はこういう形で経済対策をやるんだと、最も重要な場面じゃないですか。

 その最も重要な場面で、少なくとも殆どのメディアがあれは酔っ払った状況じゃなかったのかと、言われるような醜態を曝した。そういう大臣を、私は一切徴候がなかったとは、言えないと思うのですよ。何回もそういう話題の出た人ですから。

 麻生さん、国民のみなさんに、私たちじゃなくて(冒頭で出席議員に)「予算審議中に担当大臣の交代という事態に至ったことは誠に申し訳ない」〈「asahi.com」〉と謝罪したことを指すのだろう。)国民のみなさんに自らが任命した中川財務大臣が、こういう醜態を曝して世界の信用を失って、辞めたことに対して、あなた自身の責任を、きちんと語って、お詫びをするならお詫びを、国民のみなさんにしてくださいな」

 麻生「過去、中川大臣が時々体調を崩されるということは報道によっては知っておりました。私はこの方と一緒に何回となくお酒を飲んだりしたことがあるかといえば、メシを食べたことは何回もあります。何十回となくあると思います。私の前で酒を飲まれたことは私の記憶ではありません。ないんです。

 私の場合は、少なくともそれを事実としておりますんで、近くで見ていても、少なくともこの数年間の間、私と、私と中川さんの間で、そのような酒席という席で彼が酒を口にしたという記憶はありません。そのため財務・金融にも明るく、金融に明るい、という意味で、私は適任であると考えを、考えて、任命をさせていただきました。

 最近体調管理というものにも注意しているということを聞いておりましたし、事実私もそう思っておりましたので、問題はないと判断をしておりました。しかしそういうふうになったというのは事実でありまして、閣僚に任命した責任は私にある。そのように考えております」

 菅直人「まあ、あの、何回も食事をしたけれども、あるけれども、お酒を飲んだことがないと言われれば、私は、一度も同席したことがありませんから、そのこと自体は否定する根拠はありません。ただ、総理大臣としていろんな情報が入っていたんじゃないですか?つまり、総理大臣はそういった噂は一切聞いていなかったんですか?

 総理大臣というのはそういうまさに閣僚や国民に対して、いろんな正確な、適確な情報を把握できていなかった、とすれば、その方がもっとひどいじゃないですか。

 ですから、そういう自分の前で酒を飲んでいなかったから、じゃあ、中川さんはお酒を飲まない人なんですか?そんなことはないでしょう。ですから、そういう言い逃れをしてですね、国民にまともにお詫びをされようとしないのは、おかしいんじゃないですか?

 つまりはそういう問題がある人であったけれども、まあ、それは大丈夫と思って、任命したけれども、結果としてこういうことになったのは私自身としてもちゃんとした注意をしなかった、あるまでは何もできなかった、ことの責任があるんだということをはっきりと言われるべきじゃないですか。

 私の前では酒を飲んだことがないから、それで大丈夫だと思ったんだとしたら、情報を把握できない総理という、意味で、私は総理の資格はないと思いますが、如何ですか?」

 麻生「あの人の噂というものを基にして、やるのも如何なものかと、言う点も我々としても考えておかなければならないところであります。人の噂、週刊誌の噂だけで、その人の判断やるというのも、極めて間違った情報をするということもあります。

 従って、お酒を飲まれた上での話というのは色々な方とは噂を聞きましたが、閣僚になられて、そういったことをきちんと自分の身を律するか、律しないかということは、かかって本人の問題だと存じます。従って、閣僚になったときに、色々お互いに話をさせていただく機会もありましたし、そのときにメシを食ったこともあります。にでも(?)、召し上がりませんでしたので、最初から、最初のうちなんだと思います。この種の話は最初のうちに申し上げておくべきだと思いましたんで、きちんと最初の段階で、酒の話というのは、これ酒は飲まないからいいけれども、注意しなければだめよと言ったら、本人も十分に自覚をしておられましたので、私共としては先ほど申し上げましたような経緯で、任命させていただいた、というのが私の背景であります。

 情報収集と言うんであれば、知らなかったと言えば、少なくとも色々な噂は知っておりました。それが情報というんであれば、その種の情報としては、噂同様に把握しておったというのは事実です」

 菅直人「今総理は早い段階で、つまりですね、閣僚になられた早い段階ですね。その中川さんの、お酒について注意したと言われましたね。言われましたね。どうぞ、今、言われましたでしょ?」

 麻生「その通りに先程答弁申し上げたとおりです」

 菅直人「ということは、まあ、噂であったか何であったかは別として、そして心配して注意された。それでよかったと思いますよ。結果としてその注意にきちんとした対応ができなかった。総理の注意できちんと対応できなかった。そういうことじゃないですか。

 だから、総理として自分がそういう注意をして大丈夫だと思ったけども、こういう事態になったことはやはり任命責任権者として、そういう選択をしたことについて、自らの責任があるんだろうと、ちゃんと言ってくださいよ。他人事(ひとごと)のようなことを言わないで、自分の口で国民のみなさんに言ってください」

 麻生「先程申し上げたとおりだと思いますが、少なくとも、今回の場合、勿論、疲労もあったでしょう。風邪を引いておられたのに、この前の一連の本会議の答弁を見られても、もう、鼻水状態でしたので、よく分かっているところだと思っております。

 加えて、抗ヒスタミン剤を飲めば、いわゆる少量のアルコールであっても、非常に大きく反応が出るということも、これは言われている通りで、そういった意味に於きましては、本人のクスリに拠ります部分というのは非常に大きかったんで、酒がすべてだと言われれば、私はそれは少し違っているんであって、クスリというものと酒、が少量であっても、反応するというところがご本人の判断というものが大きく違っていたところだと思っています。

 ただ先程、任命責任というんであれば、早めに注意したというのは、事実でありますから、その意味に於いて、その注意が会が終わった後のことでもあり、気が緩んだこともあったんだと思いますが、結果として色んな意味で、みんなの前で、ああいうような状態になったということに関しては、彼は非常に責任を重く感じ、結果として、その後の体調が芳しくないと判断をされましたんで、私は名誉挽回の機会というものもきちんと与えたらよろしいんじゃないかと、思ったことも事実です。

 しかし、本人の気力、そういった体調に合わせて気力というものも関係しますんで、そういった意味ではご本人が最終的に、とてもという判断をされたのに合わせて、辞任を受理したというのが経緯であります」

 菅直人「中川財務大臣が帰国をして、2月16日に先ず総理に会って、陳謝したと報道にあります。それに対して総理は、じゃあ、職務に専念して頑張れ、と、激励されたと報道に出ています。16日の夕方です。

 そして17日の朝、色々ありますけれども、衆議院、参議院それぞれ委員会が立って、財務大臣の出席が少なくとも求められていたのに、ええー、まあ、お医者さんに行かれたのだから、そのいい悪いは言いません。少なくともその出席をしないで、医者に行かれて、そして昼、この予算委員会の集中審議が始まる、僅か30分前に、記者会見をされて、衆議院での予算が通過したら、身をお出しします。

 私、そのときにですね、あー・安倍総理のことを思い出しました。会議のわずか10分前にですね、やーめたと、代表質問をする受け答えをやーめたと。集中審議を今から始めますという僅か30分前に、一方的に記者会見をして、やあ、予算が通過したら、関連法案が通過したら、辞表を出します。そんな人を相手にどうやって議論できるんですか?

 と言って、私たちはそんなことおかしんじゃないの、即座に辞めるべきだと、言って問責が参議院から出たら、夕方に今度は、即座に辞めます。その間に総理は前の日は夕方に慰留し、そして本日昼、昼前の少なくとも報道によれば、官邸に予算が通過したら、辞表を出しますということを言ったと。言ったということは、それでいいということを言われたんでしょ、総理?

 しかし夕方になったらまたですね、やっぱりダメだから、辞めます。そういうことに対して総理は、二転三転する本人の、その態度の変更に結局何も主導性を発揮しない。判断がぶれまくっているんじゃないですか。

 少なくとも前の日は大丈夫だと、あの画像見ても映像見ても大丈夫だと。まさに挽回のチャンスを与えようと。

 それが翌日の昼間になったら、また変って、暫くしたら辞めるのも仕方がない、言うのを即座に辞めるのも仕方がない。そのように判断がぶれまくるから、国民の信頼を得られないんですよ、如何ですか?」

麻生「中川大臣から三度に亘って、これは報道、説明を受けたと存じます。先ず16日の夜、面接をしております。官邸、官房長官も同席していたと記憶しております。ええと、G7の成果を、報道と併せて、記者会見の状況、等々の報道を受けております。

 そのとき中川大臣から、体調、万全にしてこそ二次補正関連予算案と21年度予算の成立に全力を尽くしたいという決意が述べられております。

 そこで私から、健康管理というものは、これはしっかりしなきゃあだめだと、身は注意をすると同時に体調万全にして、着実に仕事の成果を出して貰いたいと話をしました。17日の朝ですよ、これは。

 昼前、昼間にて、これも官房長官も同席したと思いますが、病院の検査の結果、風邪や疲労などで体調が思わしくなく、予算や関連法案の通過だけは全力を尽くして、その後に辞任するという報告がありました。私は本人の厳しい決断でもあり、辞めるという意味はそれなりに尊重すべきもんだと、そのとき思いました。

 夜、面談。これは官邸で。これも官房長官が同席しております。極めて体調が思わしくなく、その後も具合が悪いので、国会審議への影響も考慮し、本日辞任させていただきたい、との報告がありました。熟慮した上での判断だと思いましたので、大変厳しい判断を政治家としてされたんだと、思いますんで、その意志を尊重させていただいたということであります」

 菅直人「まさに総理がそういうことを、総理が、前以て、もうここまで来たなら、無理じゃないのと、言うんじゃなくて、まだ大丈夫でしょう、じゃあ、次は予算の通貨まで、じゃあそれもいいでしょう。最後は、じゃあ、即座に辞める。判断がぶれまくってるんじゃないですか。少なくとも人間検査ですよ、

 つまりは本人が言ったら、それでいいといったら、人間検査ということの責任はないということじゃないですか。本人が例えどう言おうと、ここはもう無理は無理、大丈夫なら、それでも応える。そういうものはたった24時間の間に、今お聞きしたらですね、16日の夜から17日の夜までの間に、最初は頑張れ。次は予算が通過したら、辞めるのも仕方がない。次は即座に辞める。こういうのが判断がぶれていると言うのです」

 菅直人はここで麻生に対する追及を一旦中断して、中川昭一辞任の後を受けて財務・金融担当相を兼任することとなった与謝野馨経済財政担当相に質問を移す。


 麻生の答弁は全編、これ軽薄な欺瞞に満ちた言葉の羅列となっている。

 その証明とする麻生の悪口は次ページで

 麻生の中川任命責任だけではなく、自民党の麻生総理・総裁任命責任も問わなければならない(2)に続く
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 麻生の中川任命責任だけでは... | トップ | 中川昭一/公人であることを... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事