6月16日(08年)の当ブログ記事≪岩手・宮城内陸地震/福田首相の「人命救助が一番」の危機管理は口先だけではないか≫で土石流に襲われて倒壊・埋没した宮城県栗原市の「駒の湯温泉」の1階部分に生き埋めとなった7人の行方不明者の一刻を争う捜索に自衛隊・レスキュー隊は手間と時間のかかる手作業で臨んだが、なぜ四川省大地震で中国当局が行ったように大型ヘリで運搬して重機を直接投入しなかったのか、「災害時緊急支援体制検討委員会」が平成18年2月22日に当時の安倍晋三内閣官房長官に提出した『大震災・大事故に当たり、迅速な人命救助・被災地復興支援のため、全国主要地に予め基地を設け、救援する具体策を提案する』とした提案書は自衛隊の大型ヘリよる重機運搬の活用を提案しているが、その提案はどうなったのか、中国ができて日本にできないということはないだろうから、提案が検討されないままに放置されたとしたら福田首相の言う「人命救助が一番」は口先だけのウソになるといった内容を書いたが、「生存限界」とされる72時間を遥かに経過した、地震発生から12日経過した6月26日になってやっと大型ではない、大型よりも作業効率が格段に劣る4トン重機を最初に1台、その後もう1台と合計2台投入している。
その後手、後手に見える人命救助活動及び危機管理対策に疑問を覚えて「首相官邸」にHPを通じて初期段階からなぜ大型重機を投入できなかったのか、また平成18年の提案書はどうなったのか6月20日(08年)に問い合わせてみた。
以下「大型ヘリによる重機運搬」に関する首相官邸・内閣官房・内閣府との不毛なやり取り――
●最初に「首相官邸」
「首相官邸HP」の「ご意見募集/FAQ」ページは「ご意見募集 国政に関するご意見・ご要望をお寄せ下さい」と書いてある。
注意書き
国政に関するご意見・ご要望をお寄せ下さい。
下記の項目にご記入の上、送信して下さい。
なお、各府省へ直接送信される場合はこちらへ。
※ ご意見・ご要望の欄以外のご記入は任意です。
※ 文字化けを防ぐため、半角カタカナ、丸数字、特殊文字は使用しないで下さい。
※ ご意見・ご要望は2000文字以内でお願いします。
※ 返信をお出しする際に、ご意見をお寄せいただいたのがパソコンからか携帯電話からかを判別する必
要があり、そのため、使用されているブラウザの種類の情報を取得しております。取得した情報につ
いては判別以外の目的には使用せず、また、判別終了後、破棄しております。
テーマ <自衛隊大型ヘリによる重機運搬に関して>
ご意見・ご要望 <今回の岩手・宮城内陸地震による土石流の直撃で2階建ての1階部分が宿の住人と宿泊客を閉じ込めたまま土砂に埋まった温泉宿「駒の湯温泉」に向けた自衛隊員・レスキュー隊員の救出で新聞もテレビも「道路の寸断等が理由で重機を入れることができないために手作業で作業を行わざるを得ず、救出が捗っていない」といったことを伝えていました。
中国の四川省大地震では堰止め湖の排水工事でパワーショベル重機が何台も稼動して作業を行っている映像をテレビが流していましたが、それが「唐家山ダムに排水路を敷設して水を抜くための工事が進められており、作業用の重機を運ぶ大型ヘリコプターが北川県の上空を往復している」と毎日新聞が伝えていた重機かどうか分かりませんが、とにかく中国では大型ヘリで重機を運搬して活用しているようです。
中国が災害復旧に重機を大型ヘリで運搬して活用しているのに、日本でそれができない理由があるのですか。大型ヘリで運搬すれば、道路の寸断や橋の崩落といった問題をクリアして、直接現場に短時間で重機を運び込むことができます。
「災害時緊急支援体制検討委員会」が「瓦礫に埋もれている人を出来る限り短時間に救出するため、自衛隊所有の大型ヘリコプターで(組立てなしの)12㌧前後のハサミ重機を、被災現場に空輸する」自衛隊の大型ヘリよる重機運搬の活用を提案内容の一つとした『大震災・大事故に当たり、迅速な人命救助・被災地復興支援のため、全国主要地に予め基地を設け、救援する具体策を提案する』とした提案書を平成18年2月22日に当時の安倍晋三内閣官房長官に提出しています。
以後2年4ヶ月が経過しています。災害被災民救済及び災害復旧を目的に重機が直接入れない場所への自衛隊用大型ヘリによる重機運搬はどうなっているのか、その後のイキサツを教えてください。福田首相が言っていた「人命救助が一番」に関わってくる問題です。>
* * * * * * * *
4日後の6月24日になって返事が来た。
送信者: "首相官邸HP発信専用" <hentou@kantei.go.jp>
宛先: <wbs08540@mail.wbs.ne.jp>
件名 : [首相官邸より]
日時 : 2008年6月24日 8:46
ご意見等をお送りいただきましてありがとうございました。
いただきました国政へのご意見・ご要望は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただくとともに、関係する省庁へも送付させていただきます。
首相官邸ホームページ「ご意見募集」コーナー担当
* * * * * * * *
この返事では当方の問い合わせに対する回答になっていない。福田首相の言う「国民目線」には見事合致した親切丁寧な対応だとは言える。
そこで再度送信フォームを使って問い合わせた。日時は6月24日14時30分。
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テーマ <「自衛隊大型ヘリによる重機運搬に関して」の回答は質問に対する回答になっていません>
ご意見・ご要望 <災害時に自衛隊大型ヘリで重機運搬を行うことを提案の一つとした平成18年2月22日に当時の安倍官房長官に提出の『大震災・大事故に当たり、迅速な人命救助・被災地復興支援のため、全国主要地に予め基地を設け、救援する具体策を提案する』とした提案書はその後どうなったのかお聞きしたのです。
「ご意見等をお送りいただきましてありがとうございました。
いただきました国政へのご意見・ご要望は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただくとともに、関係する省庁へも送付させていただきます」ではあまりに形式的・事務的で答になっていません。お宅の方で調べて回答するか、そういった問題はどこそこに問い合わせてくれと問い合わせ先を教えるか、どちらかにして貰わねば疑問の解きようがありません。
災害時に中国では大型ヘリで重機を運搬して活用しているのに日本では活用せず、手作業で生き埋め者の救出作業を行っている。福田首相の「人命第一」の言葉を裏切ることになりかねない重大問題です。「提案」がどうなったか教えてください。どこへ問い合わせたなら知ることができるか、案内願います。>
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いくら待っても返事なし。首相が「国民目線」と言っているのだから、内閣府のすべてのスタッフが「国民目線」を自らの姿勢として体現していなければ、首相一人だけの「国民目線」となって滑稽な矛盾を来たすことになる。いわば返事を出さないのも福田首相が口癖にしているとおりの「国民目線」に従った親切ご丁寧な対応ということにしなければならない。こちらからは「ありがとう」と礼を言うべきだろう。
ついしつこい気持になって、1週間待ってから7月1日10時40分に再度送信
フォームから問い合わせることにした。
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テーマ <被災地への自衛隊ヘリによる重機搬入について再度お伺いします。>
ご意見・ご要望 <5人が死亡、2人が行方不明の栗原市の旅館「駒の湯温泉」被災現場に6月26日に初めて自衛隊ヘリによって重機が搬入され、午後には2台目が搬入されると新聞が報道していました。
この自衛隊ヘリによる重機搬入は6月14日午前8時過ぎに地震が発生して「駒の湯温泉」の建物が土石流に押し潰され1階部分が2階部分を背負う形で倒壊、1階部分に7人が生き埋めになったことがその日のうちに判明した時点で手配すべきことだったのではないでしょうか。
「20~30センチ掘ると水がわいてくる。非常に困難な状況だ」と6月17日の時点で東京消防庁のハイパーレスキュー隊のメンバーが言っていたそうですが、重機はマフラーの排気ガス排出口がキャタピラ部分より上に出ていれば、キャタピラが埋まるぐらいの水量の場所でも運転可能です。「20~30センチ掘ると水がわいてくる」場所など問題ではないはずです。新聞の写真を見ると、建物の傾いている下方は水に浸かっていますが、上方の地面には水は見当たりません。十分に重機が動ける状態に見えます。
また新聞は重機搬入ができなかった理由に「道路の寸断」を挙げていましたが、空を飛ぶのだから、「道路の寸断」はヘリによる重機運搬の条件にはなり得ても、それを不可能にする条件とはなり得ません。公的機関の発表を鵜呑みに報道しているとしか思えません。
また、自衛隊ヘリによる重機搬入は平成18年2月22日に当時の安倍官房長官に提出した、災害時に自衛隊大型ヘリで重機運搬を行うことを提案の一つとしている『大震災・大事故に当たり、迅速な人命救助・被災地復興支援のため、全国主要地に予め基地を設け、救援する具体策を提案する』とした提案書の正式な具体化を受けた措置なのでしょうか。
そうだとしたら、今回の4トンの小型重機2台と提案書の「自衛隊所有の大型ヘリコプターで(組立てなしの)12㌧前後のハサミ重機を、被災現場に空輸する」としている提案規模との違いはどういう理由によるものなのでしょうか。
私には政府の人命救助に関わる危機管理が拙劣に思えてなりません。
返事を待ちます。
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前回は4日後だったが、今回は翌日の7月2日に返事が来た。
送信者: "首相官邸HP発信専用" <hentou@kantei.go.jp>
宛先: <wbs08540@mail.wbs.ne.jp>
件名 : [首相官邸より]
日時 : 2008年7月2日 8:33
ご意見等を拝見しました。
いただきました国政へのご意見・ご要望は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただきます。
首相官邸ホームページ「ご意見募集」コーナー担当
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これってふざけているのかな?悪い冗談?それとも小島よしおのギャグ「そんなの関係ねえ、オッパッピー」を役人言葉に翻訳して回答したということなのだろうか。
いやいや、あくまでも福田総理大臣閣下同様、右へ倣えで「国民目線」に立っているはずだから、「国民目線」に従った精一杯のご親切ご丁寧な返事なのだろう。どんなに貧乏・無力な国民でも徒や疎かには扱わないはずだ。
それで当方としても精一杯の親切丁寧を発揮することにした。「首相官邸」からの返事のメールを読み終えると同時に首相官邸HPにアクセス、送信フォームから再度問い合わせた。
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テーマ <『再度地震の災害地への自衛隊ヘリによる重機搬入についてお尋ねします』>
ご意見・ご要望 <前回の問い合わせに対して最初の問い合わせに対するのと全く同じ「ご意見等を拝見しました。
いただきました国政へのご意見・ご要望は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただきます。
首相官邸ホームページ「ご意見募集コーナー担当」なる機械的、紋切り型の返事をいただきました。」
当方の要望内容も読まずに用意してある返信用メールを送信したと疑いたくなるものの見事に素っ気ない同じ返事となっています。福田首相は「生活者重視」を政策の基本姿勢としています。首相官邸に所属するスタッフとして首相の「生活者重視」の意向を身を以て体現する立場にあると思いますが、このような返事を送信することが福田首相の「生活者従事」の基本姿勢に合致する態度なのでしょう。
道路が寸断した災害地に自衛隊ヘリで重機をいち早く如何に搬入するかどうかの問題は偏に「生活者重視」の問題に関わってくる事柄だと思いますが。
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4日経過しても返事が来ない。そこで7月6日に「首相官邸」から「内閣官房」へ変えることにした。
「大型ヘリによる重機運搬」に関する首相官邸・内閣官房・内閣府との不毛なやりとり(2)に続く
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