拉致問題での日本側が言うのとは違う北朝鮮側の「真摯で真剣」ではない態度の不吉な行き着く先

2014-10-02 09:32:52 | Weblog



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       《9月29日(月) 小沢一郎代表記者会見要旨 党ホームページ掲載のご案内》 

      『安倍総理所信表明演説、具体案なく言葉の羅列のみに感じる』

      【質疑要旨】
      ・安倍総理所信表明演説の感想
      ・沖縄県知事選挙について
      ・民主党新執行部について
      ・土井たか子元衆議院議長逝去にあたって
      ・維新の党橋下代表発言の文書通信交通滞在費使途公開について
      ・消費税増税に関する考え方
      ・福島県知事選挙について   

 9月29日(2014年)の中国・瀋陽での日朝政府間協議開催は、北朝鮮側が「夏の終わりから秋の初め頃」としていた最初の報告が遅れることになった理由について説明を受けるためと調査を促すためを目的としていた。

 ここ最近の日朝政府間協議の経緯を見てみる。

 北朝鮮が「特別調査委員会」を立ち上げて、拉致問題その他の解決を約束したのはを5月26日から5月28日までのスウェーデン・ストックホルムで開催の日朝政府間協議である。

 〈北朝鮮側は過去北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を日本側が認めたことを評価し、従来の立場はあるものの、すべての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、最終的に日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明した。〉と外務省のサイトに記述してある。

 〈過去北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を日本側が認めたことを評価し〉としているが、実際には評価できるはずはないから、そのような体裁を取らざるを得ないところに日本側の弱みを読み取ることができる。

 それから約1カ月後の7月1日、北京開催の日朝政府間協議で日本側は特別調査委員会の権限、構成、調査方法等の説明を受けた。そしてその3日後の7月4日、北朝鮮は調査開始を発表。

 調査開始発表の前日7月3日、菅官房長官が記者会見で最初の調査結果の通報時期について「夏の終わりから秋の初め頃」との見通しを示したが、7月1日の協議で北朝鮮側から既に伝えられていたことになる。

 ところが2カ月半経過した9月19日、菅官房長官は記者会見で、北朝鮮側から再調査は全体で1年程度を目標としており、現在はまだ初期段階にあって、現時点でこの段階を超えた説明を行うことはできないと連絡がきたことを明らかにした。

 「夏の終わりから秋の初め頃」の約束を違えたのである。

 9月29日(2014年)の中国・瀋陽での日朝政府間協議終了後、日本側出席者伊原外務省アジア大洋州局長が記者団に対して「大変真摯で真剣なやり取りがあった」と述べている。

 北朝鮮側の報告に関わる約束違反を糺しに行ったのである。既に約束違反自体が「真摯で真剣」な態度とは決して言えないのに北朝鮮側は約束違反を「大変真摯で真剣」に弁明した。

 いわば調査の場で示すべき「真摯で真剣」な態度を調査の場で示さずに弁明の場で示した。当然、後者の場でいくら「真摯で真剣」な態度を示そうと意味をなさない。

 にも関わらず、「大変真摯で真剣なやり取りがあった」と言わざるを得ないのは相手次第の受け身の姿勢を取らざるを得ない者の弱みからだろう。

 9月29日の中国・瀋陽での日朝政府間協議での宋日昊・日朝国交正常化交渉担当大使の発言を安倍晋三が記者団に明らかにした事実として「NHK NEWS WEB」が伝えている。

 宋(ソン)大使「(再調査は)初期段階であり、具体的な調査結果を報告できる段階にはない。科学的かつ客観的な調査に着実に取り組んでいる。

 調査の詳細な現状については平壌に来て、特別調査委員会のメンバーに直接会って話を聞いてほしい」――

 この発言を素直に読み解くと、宋大使は特別調査委員会の調査結果の内容そのものの報告を受ける権限を持たないことになる。特別調査委員会側から言うと、宋大使に報告する義務はないことになる。

 但し調査結果を報告できる段階にあるかどうか程度の報告は受けていることになる。

 「直接会って話を聞いてほしい」とはそういうことであるはずだ。

 常識的には考えることができない調査体制ということになって、俄には信じることはできないし、拉致解決に「真摯で真剣」な態度で向き合っているようには到底思えない。

 このことは大体が「具体的な調査結果を報告できる段階にはない」と言いながら、「特別調査委員会のメンバーに直接会って話を聞いてほしい」と矛盾したことを話していることについても言うことができる。何も報告する内容がない話を聞きに行っても時間のムダである。ムダを取らせることに果して「真摯で真剣」と言えるだろうか。

 何らかの駆引きがあると見なければならない。
 
 宋大使の9月30日のNHKのインタビューでの発言にしても、「真摯で真剣」な様子はどこからも窺うことができない。

 《ソン大使「いつでもピョンヤンで報告できる」》NHK NEWS WEB/2014年10月1日 4時09分)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141001/k10015014951000.html

 宋(ソン)大使「9月初旬でも、日本側の要求さえあれば、それまでの調査内容を報告しようというのが特別調査委員会の考えだった。いつでも日本側がピョンヤンに来れば、継続中の調査についてその時点までの内容を報告できる。

 (日本側の一部制裁海上について)今後、両国の信頼が生じれば、制裁は消えていくと信じている」――

 日朝協議の場では「(再調査は)初期段階であり、具体的な調査結果を報告できる段階にはない」としていたはずなのに、「いつでも日本側がピョンヤンに来れば、継続中の調査についてその時点までの内容を報告できる」と矛盾したことを言うと同時に、やはり特別調査委員会から調査内容の報告を受ける権限がない自身の立場を暗に示すことになる発言を行っている。

 詳しい内容の報告は実際に調査を行った者が最も詳しく行い得るというなら、特別調査委員会のメンバーを出席させることによって解決する。そうしてこそ初めて「真摯で真剣」な態度と言うことができる。

 拉致問題に対する北朝鮮当局全体の態度に「真摯で真剣」な様子を感じ取ることができない。

 正直に報告できない理由があるから、報告を先延ばしに、苦し紛れにピョンヤンに呼びつけて、調査結果の報告を特別調査委員会メンバーから直接聞いてくれと言っているように思える。

 そうであることが「真摯で真剣」とは言えない態度となって現れていると言うことであるはずだ。

 正直に報告できずに先延ばしにする理由とは、あるいは「真摯で真剣」とは言えない態度を取ることになっている理由とは、拉致被害者の所在を把握していないことはないはずの事情を前提として、特別調査委員会が7月4日に調査開始を発表してから9月29日の中国・瀋陽での日朝政府間協議開始まで3カ月近くも調査の時間がそれなりに十分にあったことと、つまるところ、報告の先に帰国が待ち構えていること、この二つを考え併せると、帰国につなげる報告ができないということではないだろうか。

 報告の先延ばしが続くようなら、その最悪の結果について、10月1日、拉致被害者の家族が外務省の担当者から9月29日の日朝政府間協議での遣り取りの説明を受けて、横田めぐみさんの父親の滋さんが不吉な予想をしている。

 横田滋さん「被害者を殺して本当の骨を出してくることもあり得るのではないかと心配しています」(NHK NEWS WEB)――

 今まで拉致被害者が帰国できないのは拉致被害者が金正日が拉致の首謀者であることを知り得る立場にいるためではないかとブログに書いてきたが、実際にその通りなら、帰国させることができない事情そのものを抹消するために横田滋さんの不吉な予想を現実のものとしない保証はない。

 北朝鮮側の「真摯で真剣」ではない態度の行き着く先がそうならないと誰か断言できるだろうか。

 日本側が北朝鮮側によって強いられている受身の姿勢から、単に日朝政府間協議では「大変真摯で真剣なやり取りがあった」とばかり言ってはいられない。不吉な予想を現実のものとさせないためにも、横田滋さんがこのように言っていたと直接伝えて、いつかは実行に移すかもしれないその企みを、予想の段階で阻止しなければならない。

 もし既に手遅れだったとしたら・・・・。そういうことは誰も考えることはできないだろう。


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