プーチン側近ナルイシキンは日本は自立した政策を取るべきだと言うが、対ロ制裁に関して十分に自立している

2014-06-05 06:39:56 | Weblog




      生活の党PR

       《6月2日(月) 小沢一郎生活の党代表定例記者会見要旨》
     
      【質疑要旨】
      『野党再編、自民党に対峙する基本的な考え方でまとまるべき』
      ・日本維新の会分党について
      ・結いの党江田憲司代表の野党再編構想について     

 プーチン大統領の側近ナルイシキン下院議長が6月2日来日、都内開催の文化交流イベント「ロシア文化フェスティバル」に出席した。プーチンと共にウクライナの主権と領土の一体性侵害の国際法違反という極めて政治的な陰謀をやらかした側近が文化交流イベントに出席するというのは、これまた極めて異例且つ皮肉な組み合わせだ。政治的悪に手を染め、文化の顔を装う。

 6月3日、東京都内でNHKのインタ ビューに応じたという。《ロシア大統領側近 日本は自立した政策を》NHK NEWS WEB/2014年6月3日 20時54分)

 ナルイシキン「日ロ関係は双方の国民にとって極めて重要であり、日本は国益を尊重して、より自立した政策を取るべきだ。

 (北方領土問題について)ロシアはこの問題を協議する用意はある。穏やかな環境で協議することが必要だ。

 (ウクライナ問題)まず、東部での軍事作戦を停止しなくてはいけない。過激な民族主義グループの武装解除も必要だ」

 最後の言葉は発端が親ロ派武装組織の市庁舎占拠等の武力行使であることを無視している。

 最初の発言について記事解説は、〈制裁で足並みをそろえる欧米諸国とは一線を画して、ロシアとの関係を重視するように求め〉たものであり、〈日本を含むG7=先進7か国の首脳は、4日からウクライナ問題の対応などについて協議しますが、今回のナルイシキン氏の発言は、領土問題の解決に向けて、日本側に対して欧米諸国と距離を置き、独自の外交を進めることに強い期待を示したもの〉だとしている。

 要するに米欧に追随することなく、日本はロシアとの関係を重視して、対ロに関しては自立した独自外交を進めるべきだと進言した。

 プーチンも6月24日、主要国の通信社代表らとの会見で、「日本が制裁に加わったことに驚いた」(NHK NEWS WEB)と、逆説的な物言いで期待していた独自外交に反して欧米に追随した非独自外交であったことに驚きを見せている。

 上記「NHK NEWS WEB」記事解説は、ナルイシキンをアメリカ政府が国内への渡航禁止や資産の凍結などの制裁を科したロシア政府関係者の1人だとしている。

 犯罪映画風に言うと、「WANTED」(指名手配)と書かれたポスターに顔写真付きで載っている一人だということである。 

 但し安倍政権はナルイシキンを「WANTED」(指名手配)していない。記事は、〈G7=先進7か国での合意を受けて、日本政府も、ロシア政府関係者ら23人のビザの発給を停止するなど、ロシアへの制裁を科していますが、この中にナルイシキン議長は、含まれておらず、今回の訪日が実現したものです。〉と解説している。

 ナルイシキンはウクライナの主権と領土の一体性侵害の国際法違反に関してプーチと共犯関係にある側近であるにも関わらず、安倍内閣はビザ発給停止の制裁対象から外していた。

 23人の中に側近を入れていなければ、側近から遠い地位にある有象無象ばかりの23人が対象という疑いが出てくる。しかも安倍政権の23人のビザ発給停止は当分の間という極めて控えめなものとなっている。

 このアメリカと比較した日本の対ロ制裁の構造は決して追随といった形式を取っているものではなく、十分に自立した、それゆえに甘くもすることができる独自の制裁だと言うことができる。何しろプーチンと同罪の側近でありながら、日本には堂々と顔を出すことができるのだから。

 ナルイシキンの、外交は自立していないという日本批判は当たっていない。安倍晋三自身が掲げている「積極的平和主義」は、掲げている以上、外交・内政の全てに反映されることになる。その反映を受けたロシアの国際犯罪に対する欧米と比較した独自外交からの制裁の軽さということであるはずだ。


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