中国の独身女性の80%近くが月収4千元(約4万9千円)以上の男性ではないと恋愛対象とはならないと考えているという。《中国、月収5万円超なら恋愛対象 独身女性》(47NEWS/2012/01/05 19:11 【共同通信】)
中国民政省主管の団体等による全国の男女を対象に約5万人から有効回答を得た調査を中国メディアが12月5日伝えた情報だそうだが、月収を条件としているだけではない。70%の女性が男性が家を持っていることを条件に挙げているという。
記事は、〈中国の2010年の平均月収は約3千元〉と書いている。80%と70%ということからすると、中国の平均を上回る月収と家屋所有の二つの条件を共に要求している女性が多く存在するだろうから、女性上位の相当に強かな権利主張となっている。
中国独身女性のこの権利主張は、中国民政省主管の団体の分析として、中国では女性への財産分与などに対する理解が進んでいることに対応した傾向だとしている。
いわば財産分与は既に家を持っていて高収入の未婚男性の方が分け前が将来的に大いに期待できることからの恋愛対象ということなのだろうか。
同団体「中国の独身男性は結婚や恋愛に非常にお金がかかる」
当然の結末でであろうが、日本でも証明している、中国の“結婚はカネなり”である。
内閣府が2010年9月~10月に行った20~30代男女計1万人対象のインターネットによる「結婚・家族形成に関する調査」
既婚者の結婚の決め手となった条件や未婚者の結婚相手に求める条件
「性格」
男性――91.9%
女性――95.0%
「経済力」
男性――12.4%
女性――67.2%
「容姿」
男性――46.4%
女性――33.8%
「恋愛感情」
男性――47.0%
女性――53.60%
「健康」
男性――35.8%
女性――52.4%
男性の場合は、女性に経済力がなくても、性格が良い上に容姿が優れていれば、恋愛感情も湧き、結婚対象となる。
女性の場合は、男性に性格が良く、経済力があれば、恋愛感情が十分に湧き、健康でありさえすれば、容姿はそこそこでもベストということになる。
男女とも「性格」を第一番に挙げているのはいくら相手に経済力があろうと、健康であろうと、激しい恋愛感情を抱けたとしても、素晴らしい容姿をしていようが、性格が不一致なら経済力も健康も恋愛感情も容姿も意味がないものにするゆえの当然、至極ご尤もの第一条件ということなのだろう。
だが、哀しいことに多くが結婚してみてから正体をさらけ出す相手の性格であり、性格不一致ということであって、「性格」を結婚相手に求める第一条件としていながら、離婚原因の第1位にも顔を出している皮肉な現象ともなっている「性格」ねだり第1位である。
女性は第2位に経済力を相手の男性に求めていて、日本でも証明している“結婚はカネなり”であろう。
要するに全体的な傾向としては性格が不一致なら経済力も健康も恋愛感情も容姿も意味がなくなるゆえに第1条件として「性格」を挙げているが、女性にとっては相手の男性にそこそこの、あるいはそこそこ以上の経済力があってこそ湧いてくる恋愛感情であり、長生きしてくれて末永く稼いでくれて生涯生活を保証してくれる健康が必要となり、経済力さえあれば、相手の男性の容姿はさほど問題にしないということではないだろうか。
この女性の男性に対する「経済力」志向は「雇用形態別 婚姻・交際状況」調査にも現れている。
既婚 恋人あり 恋人なし 交際経験なし
20代+30代男性正規雇用 27.5% 27.2% 30.6% 14.7%
〃 非正規雇用 15.3% 40.7% 39.3% ――
非正規雇用の場合、「恋人あり」が40.7%も占めているが、これが結婚に進むかどうかは女性側が結婚条件として男性に求めている「経済力」を考えると、保証の限りではないことになる。
正規雇用の場合、会社が倒産しない限り、昇給という手段で経済力を確保していくことが保証されている。
次の「年収別 婚姻・交際状況」が以上のことを証明してくれる。
既婚 恋人あり 恋人なし 交際経験なし
男性20代
300万円未満 8.7% 25.3% 30.4% 35.5%
300万円~400万円未満 25.7% 35,4% 25.2% 13.8%
400万円~500万円未満 36.5% 28.8% 28.2% 6.4%
500万円~600万円未満 39.2% 18.0% 38.2% 4.6%
600万以上 29.7% 38.9% 26.6% 4.6%
既婚 恋人あり 恋人なし 交際経験なし
男性30代
300万円未満 9.3% 18.46% 38.8% 33.6%
300万円~400万円未満 26.5% 20.7% 34.3% 18.3%
400万円~500万円未満 29.4% 20.6% 37.2% 12.9%
500万円~600万円未満 35.3% 21.8% 31.6% 11.3%
600万以上 37.6% 22.9% 29.8% 9.6%
既婚 恋人あり 恋人なし 交際経験なし
女性20代
300万円未満 25.7% 34.6% 24.3% 15.4%
300万円~400万円未満 16.2% 49.4% 27.5% 6.9%
400万円~500万円未満 22.7% 41.0% 30.1% 6.3%
500万円~600万円未満 32.9% 51.6% 15.5% 0.0%
600万以上 34.0% 46.6% 19.4% 0.0%
既婚 恋人あり 恋人なし 交際経験なし
女性30代
300万円未満 35.7% 20.4% 32.4% 11.4%
300万円~400万円未満 17.1% 35.3% 39.4% 11.4%
400万円~500万円未満 20.0% 36.6% 36.8% 6.7%
500万円~600万円未満 23.0% 39.5% 33.5% 4.0%
600万以上 30.0% 25.7% 34.3% 10.0%
収入の多少に応じた各状況となっていることが分かり、まさに女性にとって“結婚はカネなり”を示している。
カネのために男を裏切る女は、その逆も昔から存在したはずだが、カネで、と言えば露骨になるが、「経済力」で男を選択する結婚事情が社会的に一般化したということなのだろう。
また、女性にとっての“結婚はカネなり”は“男はカネなり”であることの証明でもある。
参考までに。
2009年8月25日ブログ記事――《麻生の「カネがねえなら、結婚しない方がいい」発言に見る“若者理解度” - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》
学生主催イベント「ちょっと聞いていい会」(2009年8月23日夜、都内開催)
学生「結婚資金が確保できない若者が多く、結婚の遅れが少子化につながっているのではないか」
麻生首相(当時)「金がないのに結婚はしない方がいい。オレは金がない方ではなかったが、43で結婚した。稼ぎが全然なくて(結婚相手として)尊敬の対象になるかというと、なかなか難しい感じがする」・・・・
厳然たる事実となっている、“男はカネなり”の一面を突いていないでもない発言とも言える。 |