津波でビルが倒壊したということだが、指定避難場所としてのビルの必要性は否定できないはず

2011-03-28 10:39:57 | Weblog




 昨3月27日(2011年)エントリーした、《大地震・大津波が来ても住民が助かる街づくりは不可能だろうか - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》でこれからの指定避難場所として津波が建物に当たったときの衝撃を弱くするために敷地面積を狭くし、狭くした分、上に伸ばしたノッポとし、尚且つ住民が10分前後で逃げ込むことができるよう複数建てる必要上、複数の施設を纏めて入居させる複合ノッポビルが適切ではないかと素人ながら書いたが、昨夕のWEB記事が津波でビルが倒れたという記事を載せていた。

 津波がビルマまで倒壊させるとしたら、昨日のブログ記事は怪しくなるが、今回の津波が河川を俎上して15キロにも達したといった例は別にして、海岸線から4キロ、5キロとに達した津波が最も威力を発揮するのはやはり海岸線に近い地域のはずだから、近くに高台や鉄筋コンクリート造りのビルがない場合は新たにビルを建築して指定避難場所とする以外に方法はないのではないだろうか。

 記事の内容を見てみる。

 《女川の鉄筋ビル、基礎ごと倒れる 津波17メートル超か》asahi.com/2011年3月27日19時25分)

 東日本大震災で被災した宮城県女川町の出来事で、確認されたのは町の中心部。4棟以上の2~4階建てのビルが基礎ごと倒れ、地盤に打ち込んだ杭も一部、引き抜かれていた。船などの漂流物にぶつけられた跡はなく、水流の力だけで倒れたと見られているという。

 どんなビルかというと、鉄骨造りのほか、古い鉄筋コンクリート製と見られるものもあったと記事は書いている。

 記事だけでは詳しいことは分からないし、当方も建築の専門家ではない。土木作業に携わった経験はあるが、ペイペイの土木作業員、いわゆる土方として携わった経験のみだから、専門知識はないが、経験から知る限りのことを述べてみるが、但しあまり当てにはならない。無責任だが、述べることの正否の判断は読者に委ねるしかない。

 記事は、〈津波では壊れにくいと考えられてきた鉄筋コンクリートのビルも含まれ、17メートルを超す津波の強い水流で倒されたらしい。〉と解説している。

 早稲田大の柴山知也教授(海岸工学)は建物にかかった津波の力は1平方メートルあたり数十トンにのぼったと推測しているという。

 また、女川湾入り口の大型防波堤も倒れて水没、防潮堤のない中心街を守る砦の役目を喪失していた悪条件も作用したビル倒壊ということらしい。

 一般に鉄筋コンクリート製ビルは津波の力では倒れにくいと考えられていて、高台が近くにない場合の指定避難所とされていると記事は解説した上で、柴山早大教授の話を伝えている。

 柴山早大教授「女川では鉄骨造りも含め、基礎ごと倒れていることが深刻。湾奥を襲う津波の水流のすさまじさが示された珍しい例と言え、今後の津波避難ビルのあり方の検討が必要だ

 ノッポビルは上に伸びるほど倒れやすくなる。それを防ぐために地中に埋める部分の基礎コンクリート部分を高くしたり、ビル自体の底面積よりも基礎コンクリートの面積を広く取ったり、杭(コンクリートパイル)の本数を増やしたり、あるいはより長い杭(コンクリートパイル)を用いて、より深く土中に打ち込むことで尚一層強固に地面に固定するといったことをして倒壊に対する備えとする。

 鉄骨造りの場合は同規模の鉄筋コンクリート造りよりも全体的な重量が軽いために一般的には基礎の強度は低い。また地震に対する揺れも鉄筋コンクリート造りよりも鉄骨造りの方が揺れる。

 そういった関係からの鉄骨造りのビルの倒壊ということかもしれない。

 記事は地盤に打ち込んだ杭も一部、引き抜かれていたと書いているが、図で概略を示したが、杭(コンクリートパイル)はビルの基礎の面積とビルの高さ(階数)に応じた本数と、やはり面積と高さに応じた深さで地中に打ち込んで、その頭を1メートル前後、地面に潜って隠れるビルの基礎コンクリート部分相当に土を掘削した穴から出して鉄筋を排してコンクリートで埋め込んでビルの基礎とし、その上に鉄筋でコンクリートをつないで各階を積み上げていく。

 また杭(コンクリートパイル)自体にも鉄筋が配してあって、簡単には折れたり潰れたりしないようにそれなりに強度を持たせている。

 地中に杭(コンクリートパイル)を打ち込んで、地震に対して強度を持たせたビルが基礎コンクリートごと倒れるとしたら、杭(コンクリートパイル)が基礎コンクリートの底部に近い箇所で津波の圧力か、あるいはそれ以前に地震自体の揺れによって亀裂が入っていて、そこに新たに津波の力が加わってビルを倒していき、その倒れる力で杭(コンクリートパイル)の鉄筋を引きちぎってしまったか、記事に書いてあるように基礎コンクリートと杭(コンクリートパイル)がつながったままの状態で杭(コンクリートパイル)を引き抜く形でビルがそのまま倒れたか、いずれかを考えることができる。

 また古い鉄筋コンクリート製と見られるものもあったと記事が書いているが、築造年が何年か書いてないから詳しいことは分からないが、耐震性やビル本体の劣化の問題も生じる。

 こういった様々な問題に関係なく、1平方メートル辺り数十トンの津波の力がすべて関係した倒壊ということだとしても、やはり最初に書いたように高さ16~7、8メートルにも達する津波から身を守るための避難場所として津波の高さに優る自然の高い場所を近くに求めることができない場合は鉄筋コンクリート製のビルを建てて指定避難場所とする以外に方法はないように思うし、指定避難場所としてのビルの必要性は否定できないと思う。

 あとの問題は柴山早大教授が言っているように「今後の津波避難ビルのあり方」であろう。

 ビル本体の底面積より基礎コンクリートの面積をより広く取り、その高さもより高く取って、杭(コンクリートパイル)の本数を増やし、その長さもより長い物を用いて、より深く土中に固定して1平方メートル辺り数十トンの津波の力に耐え得るビルを建てる以外にない。

 その際、四角形のビルよりも円筒形のビルの方が津波の圧力を避けることができるかもしれない。

 問題は資金である。だが、地震や津波で命を失わさせないためにも、あるいは国民の生命と財産を守るという観点からも、国と自治体は豊富な補助を行い、各地域の要所要所に誰もが避難できるように配置した指定避難場所としてのビルを建てることによって、命の犠牲の回避を可能な限り図るべきではないだろうか。



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