《内閣支持続落、19%=普天間で49%「首相退陣を」-時事世論調査》(時事ドットコム/2010/05/14-15:18)
(全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で5月7~10日実施。回収率68.8%)
鳩山内閣支持率――19.1%(前月比-4.6ポイント)
不支持率――64.1%(前月比+7.6ポイント)
内閣不支持の理由(複数回答)
「リーダーシップがない」――42.0%(前月比+9.9ポイント)
「期待が持てない」 ――38.3%(前月比+3.3ポイント)
「首相を信頼できない」 ――28.7%(前月比+7.8ポイント)
支持する理由
「他に適当な人がいない」――7.9%
「首相を信頼する」 ――3.7%
「だれでも同じ」 ――3.7%
普天間問題が「5月末決着」しなかった場合
「責任を取って辞任すべきだ」――49.2%
「辞任する必要はない」 ――42.0%
夏の参院選比例代表の投票先
自民 ――18.3%(前月比+1.5ポイント)
民主 ――17.3%(前月比-0.4ポイント)
みんなの党――7.3%(前月比+0.1ポイント)
公明 ――4.8%(前月比-0.4ポイント)
政党支持率
民主 ――17.0%(前月比-0.2ポイント)
自民 ――13.2%(前月比-1.0ポイント)
公明 ―― 4.0%
みんなの党 ――2.5%
共産 ――1.6%
どっこいしょ たちあがれ日本――0.7%
社民 ――0.1%
日本創新 ――0.1%
国民新 ――0.1%
新党日本 ――0.1%
支持政党なし ――57.7%(7カ月連続増)
前のブログで書いているが、「スポーツ報知」記事――《横粂氏、党執行部に鳩山、小沢氏の辞任を要求へ》(2010年5月8日06時02分)によると、神奈川11区選出民主党1年生議員横粂勝仁議員が「お二人に対して厳しい批判があり、そこを抜きにして党の再生はできない」という思いのもと、「民主党の中からなかなか声が上げられない。自分が最初でも声を上げないといけない」と心に決めて、自身のブログと地元の街頭演説で鳩山首相と小沢幹事長の退陣に狙いを定めた、1年生議員によるものとしては極めて異例だと記事が書いている執行部刷新を求める動きに出た。
そして、「発言して終わりでは意味がない。トップ2人に届いていない声を、党内で議論していきたい」と5月11日開催の民主党代議士会で執行部刷新要求の発言をし、賛同者を募っていく考えを明かしたという。
だが、いざ代議士会の蓋を開けてみたら、横粂議員は執行部刷新要求の声を一言も上げることなく幕を閉じることとなった。言行不一致を演じて見せたのである。このことについて、横粂議員は5月13日の自身のブログで1年生議員になって8ヶ月余、1年も経たないうちに世慣れたベテラン政治家に近い釈明を行っている。ブログを参考引用してみる。
《覚悟》(横粂ブログ/2010-05-13 23:24:32)
連日、様々なお声を頂いていることに、重ねて御礼申し上げます。
ご心配、お叱り、アドバイス等、一つひとつを重く深く、受け止めさせて頂いています。
代議士会での発言を見送った件につきまして、多くの失望のお声を頂いていますが、総理も幹事長もいらっしゃらない代議士会において、いきなり一方的に発言することが、国民の皆様のお声を届ける方法として果たして効果的な方法なのか、そして同時に、果たして政治家としてあるべき姿なのか、そう判断しての行動であることをご理解頂ければと思います。
政治家には、結果が求められます。
言いっ放しは簡単ですが、それでは意味がありません。
単なる批判は簡単ですが、それではどうしていくべきなのか、そして実際にどうしていくのか、そのビジョンが伴わなければなりません。
国民の皆様のお声の本質はどこにあるのか、それを届けるために今すべきこと今できることは何なのか、「実」を求めて、しかるべき行動を進行中です。
一時のご批判は覚悟の上、堂々と甘受させて頂きます。
ところで、ここ数日のうちに、たくさんの議員の「想い」に触れることができました。
各議員がそれぞれの「想い」を持ち、それぞれの「想い」に従って日々奮闘している、そんな当たり前のことを再認識しました。
また、私が思っていたよりも、永田町は「深い」なと素直に思いました。
早く私も深くならなければなりません。
深く、深く。
それでは、今後も様々なお声をお寄せ下さいますよう、宜しくお願い致します!
「民主党を前に!」
よこくめ勝仁(横粂勝仁)
「総理も幹事長もいらっしゃらない代議士会において、いきなり一方的に発言することが、国民の皆様のお声を届ける方法として果たして効果的な方法なのか、そして同時に、果たして政治家としてあるべき姿なのか、そう判断しての行動であることをご理解頂ければと思います」と釈明しているが、上記「スポーツ報知」はその冒頭で、〈昨年の衆院選で初当選した民主党の横粂勝仁氏(28)が7日、本紙の取材に応じ、鳩山由紀夫首相(63)と小沢一郎幹事長(67)への辞任要求を視野に、週明けの民主党代議士会で賛同者を募っていく考えを明かした。〉とはっきりと書いている。
賛同者を募っていく考えをマスコミとマスコミを通して国民にある意味約束することになる発言をしておきながら、なぜその声を上げなかったのだろうか。声を上げなかったことを、「総理も幹事長もいらっしゃらない」ことを理由としている。賛同者を募ることと「総理も幹事長もいらっしゃらない」ことは関係ないはずだが。
まさか鳩山首相と小沢幹事長にも賛同者になってくださいとお願いするわけではあるまい。お願いする予定だったなら、「総理も幹事長もいらっしゃらない」なら、お願いはできなくなる。
関係ないことを理由にするということはゴマカシの弁解に過ぎないということではないのか。
確かに「総理も幹事長もいらっしゃらない代議士会」では、執行部刷新要求の声を「一方的に発言」したとしても、相手にリアルタイムに直接伝わりはしないが、例え一方的発言であったとしても、これこれこういう声を上げましたとマスコミのインタビューに答えるなり、あるいは自身のブログに記事にすることで、マスコミやブログを通してその発言は広く世間に伝わるだけではなく、インタビューとブログの発言を元にマスコミが改めて記者会見なりの機会を捉えて二人に、横粂議員が執行部刷新を要求する、あるいは総理と幹事長の辞任を求める賛同者募集の発言をしていたがと聞くことをマスコミ自らの情報発信の本能的方向性としているから、結果としてマスコミ自体がその発言を二人に間接的にぶっつける役目を果たして、逆にその場に横粂議員が「いらっしゃなら」くても、マスコミを介して「総理も幹事長もいらっしゃらない」代議士会での横粂議員の“一方的発言”は二人の耳に届くことになるはずである。
こういった情報伝達の常識的なカラクリが頭になかったのだろうか。東大を出ているのである。
要するに、「政治家には、結果が求められます」と言いながら、インタビューやブログ、さらに街頭演説で発した“約束”に対して、“約束”に添う「結果」を出さなかった。
総理と幹事長の辞任という「結果」を出さなかったことではない。あくまでも代議士会で執行部刷新の声を上げると“約束”したことの「結果」を出さなかったことであり、代議士会で賛同者を募ると“約束”したことの「結果」を出さなかったことである。
「単なる批判は簡単ですが、それではどうしていくべきなのか、そして実際にどうしていくのか、そのビジョンが伴わなければなりません」と言っているが、これは政治家がよく使う、「反対ばかりしないで、対案を出せ」と同じ文脈の批判であろう。暗に、批判するのは簡単だ、批判ばかりしないで、どう行動すべきか「ビジョン」を示せと非を批判者側になすりつけている。責任回避と一種の開き直りでしかない。丁寧な書き方をしながら、いわば丁寧な姿勢を見せながら、その裏になかなかの強(したた)かさを隠していて、政治家のあるべき姿を見事に示している。
だが、ライバルの小泉進次郎のような正面切ってストレートに表に出していく強(したた)かさでなければ、支持政党であるという理由を乗り越えて本人の人格的な魅力で支持を得るには小泉進次郎のライバルになり得ないのではないだろうか。
このことは「私が思っていたよりも、永田町は「深い」なと素直に思いました。
早く私も深くならなければなりません。
深く、深く」の言葉に表れている。
政治家は常に自らの政治に対する理解者・賛同者を求めることを使命としているにも関わらず、その使命に反して永田町がどう「深い」のか、第三者が容易に理解できる具体的説明を簡潔明瞭、ストレートに展開すべきを、そうしないから、本人がどう「深くならなければな」らないのか、消化不良の理解で終わらせることになっている。
一般的に「永田町」という言葉で頭に思い浮かぶのは、「永田町の常識は社会の非常識」という良からぬ意味の言葉であるが、「早く私も深くならなければなりません」と言っている以上、いい意味での「深い」であるのは理解できるが、それ以上の意味は伝わってこない。
ブログ題名が「覚悟」とは勇ましいが、常に理解者・賛同者を求めることを使命としている政治家であることに加えて、不特定多数の他者を想定した情報の発信である以上、情報の受け手に対してより明確に伝わる情報伝達の姿を取るべきであり、また相手の理解を前提として政治家として常に言葉を発信することを役目としている以上、当然ストレートな情報発信であるべきを、こういったことに反して「覚悟」とは程遠く意味不明・理解不能なのは言葉の責任を果たしているとは言えないことではないだろうか。
無責任、独りよがり、独善の謗りを免れないが、こういったことも政治家なのだからといえば、免罪符ともなるが、そういった免罪符で成り立つ政治家に1年も満たないうちに成長を見せる姿を世間はどう見るかである。
世間がどう見ようと構わない、わが道を行くのみであると言うなら、古い政治家の体質を受け継ぐ新しい政治家という逆説を踏むことができることだけは確かと言える。
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