ウソをつく閣僚が混じっている 安倍晋三は起用続行で「適材適所」と「全員野球」を取り繕い、任命責任を回避

2018-11-10 10:26:28 | 政治
 2018年11月5日の参院予算委員会で五輪相の櫻田義孝は立憲民主党参院幹事長蓮舫から、2020年東京オリ・パラ大会の基本コンセプトや大会ビジョンを問われたが、自身では答えることができず、役人のメモに頼って、それを読み上げるだけでその場をどうにか遣り過ごす、閣僚とは言えない無様な醜態を演じた。

 ところが、この無様さを11月6日閣議後記者会見で巧妙に言い繕っている。

 2018年11月6日付「日刊スポーツ」記事から桜田義孝の発言を纏めてみる。

 記者「参院予算委で大臣として初答弁した感想は」

 櫻田義孝「質問の事前通告がなく、何にもよく分からない中で、残念だった」

 記者「今後、事前通告のない質問も予想されるが」

 櫻田義孝「私が承知している範囲内では真摯に答えたい。ただ質問する人と接触禁止だと、準備が出来ない。通告していただければ、丁寧な答弁ができる。議論の質を高めるためにもその方が良い」

 記者「接触禁止だった人物とは」

 櫻田義孝「昨日は通告なしで質問する人がいたということ。名指しは敢えてしない。皆さんご承知置き、ですよね」

 記者「大会ビジョンや基本コンセプトは大会の根幹。事前通告がないと答えられない内容か」

 櫻田義孝「丁寧に答えるにはそうだと思うし、全然、何を質問するか分からないのは困ったなということ」

 例え蓮舫から事実質問通告がなかったとしても、記者が言っているように「大会ビジョンや基本コンセプトは大会の根幹」であり、大会の謳い文句である。五輪相を務めていながら、それすら頭に入れていなかった。だから、役人から読み上げるメモを渡されていながら、関係ない箇所を読み上げることになった。

 要するに無様な答弁を「事前通告」がなかったとすることで正当化し、その正当化によって「大会ビジョン」と「基本コンセプト」すら頭に入れていなかったことをナシにするさりげないウソを展開している。

 因みに「大会ビジョン」と「基本コンセプト」について私自身のことを言うと、知らなかったし、知る必要もなかった。なぜなら、興味はなかったからだ。2020年オリンピック開催都市として東京と福岡が立候補を表明したとき、東京に決まった場合は東京一極集中を加速させて都市と地方の格差を拡大一方に方向付けることになる東京反対、福岡開催賛成のブログを書いているから、東京に決まった「大会ビジョン」も「基本コンセプト」もどうでも良かった。

 事実、オリンピックの名のもとに国のカネまで入れて東京一極集中が加速している。

 記者が「今後、事前通告のない質問も予想されるが」と問うと、櫻田義孝は「私が承知している範囲内では真摯に答えたい」と答えているが、「大会ビジョン」も「基本コンセプト」も役人のメモに頼らなければ答弁できなかった無様さと、あとで「全然、何を質問するか分からないのは困ったなということ」と発言している事前通告頼みからすると、「通告していただければ、丁寧な答弁ができる」と請け合っていることは、事前通告に基づいて役人に作成させた答弁メモに頼った「丁寧な答弁」であり、「真摯に答える」がホンネを看做さざるを得ない。

 となると、事前通告がなくても、「私が承知している範囲内では真摯に答えたい」と言っていることにしても体裁よくウソをついて誤魔化しているとしか見ることはできない。

 このようにさりげないウソや誤魔化しで自己正当性を取り繕う閣僚がいる。となると、安倍晋三が言っていた閣僚任命の「適材適所」は一人でも欠けた場合でもウソになるし、「全員野球」も信用できないことになる。

 蓮舫は桜田義孝の「事前通告がなかった」とする発言に対して直ちに「事前通告しており、事実誤認」と反論。桜田義孝は「事前通告がなかった」とした発言を撤回することになった。「NHK NEWS WEB」(/2018年11月9日 11時18分)

 11月9日記者会見。

 櫻田義孝「事前に詳細な質問内容の通告をいただければ、充実した質疑ができたと考えている。一方で、通告が全然なかったと申し上げたのは事実と若干違いますので、撤回をさせていただきたい。

 今後、職務をしっかり全うできるよう努力していきたい。できるだけ丁寧な答弁ができるように、情報収集についてもいろいろと協力してもらいながら進めていきたい」

 この場に及んでもウソをついている。実際は事前通告はあった。にも関わらず、「事前に詳細な質問内容の通告をいただければ、充実した質疑ができたと考えている」と体裁よくウソをついている。底なしのウソにウソを重ねる典型例である。

 「詳細な質問内容」とは質問と一言一句同じ、あるいはそれに近いという意味での事前通告を言っていて、そういった類い求めているとしたら、そうではない一般的な事前通告でも他の閣僚がこなしている答弁を櫻田義孝は役人の手助けを得ても扱いきれていないことになって、この点を取り上げただけでも閣僚の資格を失う。

 大体が事前通告の事実があったのになかったとするウソの事実にして、そのなかったとした事実までウソでしたと撤回するために、いわばウソにウソを重ねた挙げ句に「事実と若干違います」と、「若干違う」という言葉を使うこと自体、自身のウソを限りなく薄める体裁の良い心理用語でしかなく、潔さは薬にしていないようだ。

 記事は最後に、〈一方、桜田大臣は、立憲民主党の蓮舫参議院幹事長について、先の参議院予算委員会に続いて、9日も「レンポウ」議員と言い間違え、今後、野党側の批判が強まることも予想されます。〉と解説している。

 読みが「レンホウ」であることを知らないとしたら、昨日今日国会議員になったわけではないのだから(1996年に第41回衆議院議員総選挙に初当選。以後連続当選4回。蓮舫の方は2004年7月の第20回参議院議員通常選挙に当選。「Wikipedia」)、無知そのもので、この一事から見ても、閣僚の資格も資質もない。読みを知りながら、「レンポウ」と呼んでいるとしたら、窺うことができるのは悪意のみで、この悪意は閣僚の資格・資質に決して馴染まない。

 櫻田義孝はどうも自身の能力の欠如をさりげなくウソをつくことで悟られまい心がけつつ、一人前の政治家でございますと装う名人のようだ。

 安倍晋三がもし櫻田義孝を起用し続けるようなら、適材適所とした閣僚任命と「全員野球」と称した内閣が些かでも綻びないように取り繕うことになり、こういった取り繕いは任命責任回避行動の選択に当たる。

 櫻田義孝の無責任安倍晋三が自らの無責任を響き合わせることになる。

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