蓮舫の民進党の貧相な現状打破の打開策もなしに共産党提案「野党連立政権構想」を恋愛に譬える危機感の無さ 

2016-11-22 11:13:08 | 政治

 2016年11月16日、民進党代表蓮舫が神奈川県小田原市で記者団に対して志位共産党委員長が実現を求めている野党連立政権構想について、「共産党の片思いの話」と語り、応じない考えを示したとマスコミが伝えていた。

 「共同通信社」の配信で、どの記事も同じ内容となっていて、これ以上の詳しい発言を伝えていない。

 確かに「片思いの話」とは蓮舫らしい簡潔かつ的確に言い当てた表現で感心はしたが、恋愛話に譬えて民進党の姿勢としていい問題なのだろうかと、その危機感の無さ・たわいの無さに逆の意味で感心した。

 つまり蓮舫は共産党と組むことは国民に受け入れられないと考えて、組まないままの現状を選択し、そのような現状でいくことを党代表として民進党の姿勢とすることにしたことになる。

 大いに結構なことである。

 共産党の野党連立政権構想を恋愛話に譬えるのは蓮舫だけかと思ったら、幹事長の野田佳彦までが譬えたことに驚いている。鳥取県米子市で記者団に語ったそうだ。

 11月20日付「asahi.com記事」   

 野田佳彦「蓮舫代表が『片思い』と言っている。それに尽きる。片思いと言われているところから、来年、党大会の案内というラブレターが届いてしまったので、どうするか、党執行部で議論したい」

 いやはや。

 自分では軽くユーモアを効かせた気の利いた発言をしたと内心得意になっているのかもしれない。

 共産党が野党連立政権構想を民進党に持ちかけるなんざあ、相手の気持を考えない片思いに過ぎない。民進党はこれポッチの思いもない。

 野田佳彦が「それに尽きる」と言っていることはそういうことであろう。

 代表・幹事長共に共産党と組まないままの現状を民進党として選択している。

 では、その現状を見てみよう。

 蓮舫が民進党代表に就いたのは2016年9月15日。

 共同通信社が9月17、18両日実施の全国電話世論調査。

 「蓮舫新代表期待する」56.9%
 「蓮舫代表に期待しない」38.4%

 9月17、18両日実施の産経・FNN合同世論調査での民進党に対する政権担当期待度。

 「民進党が政権を担う政党になると思うか」

 「思う」16・5%
 「思わない」75・8%

 NHKが10月8日~10日実施の全国電話世論調査による政党支持率。

 自民党37.1%(前回比-3.1)
 民進党 9.9%(前回比+1.6)
 公明党 3.9%(前回比-0.4)
 共産党 3.9%(前回比+1.4)
 日本維新の会 1.1%(前回比-0.8)
 生活の党 0.1%(前回比+0.1)
 社民党 1.1%(前回比+0.7)、
 支持政党なし 37.8%(前回比+0.8)

 蓮舫が新代表になっても民進党の支持率は1.6しか増えていない。支持政党なしは逆に0.8増えている。

 共同通信社「蓮舫新代表期待する」56.9%はご祝儀相場に過ぎなかったようだ。もし真に期待していたなら、支持政党なしが減って、民進党支持に回っていていいはずだ。

 毎日新聞が11月5、6両日に行った政党支持率

 自民32%
 民進 9%
 公明 4%
 共産 4%
 維新 4%
 無党派層34%

 蓮舫が代表になる前の支持率に戻ってしまっている。

 NHKが11月11日~13日に行った最新の政党支持率。

 自民党38.8%
 民進党 9.3%(以下略)

 国民の民進党に対する支持は以上のような惨憺たる状況にある。

 こういった民進党不人気が次期総選挙に向けた候補者擁立が11月時点で295選挙区中、212選挙区で成功しているものの、83選挙区もの空白区を招いていることになっているのだろう。

 衆議院の議席過半数は238議席。全員当選するわけはないが、全員当選を仮定したとしても、過半数には届かない。

 2014年12月14日投開票の衆議院議員選挙では民主党は198人立候補して当選が73議席。当選率は37%。政党支持率はほぼ変わらないから、現在擁立が決まっている212議席に37%の当選率を掛けると、78人。比率計算上は議席増は5人程度と言うことになる。

 同じ選挙で自民党は352人擁立して、291人が当選。約83%の当選率。

 共産党の「野党連立政権構想」に対して基本的な政策の相違が民進党をして「片思いの話」とさせている理由だろうが、片思いだからと袖にして選択することになる組まないままの現状たるや変わり映えがしない数値で推移している政党支持率や次期総選挙の予想当選者数から見ると、貧相そのものと言わざるを得ない。

 当然、蓮舫と野田佳彦には共産党提案の「野党連立政権構想」を断る以上、民進党が現在置かれているこの貧相そのものの現状を打開する責任が民進党支持者に対して有している。

 どのような現状打開策があると言うのだろうか。打開策を構築し、それを提示しなければならない。

 蓮舫が2016年8月5日午後に党本部で民進党代表選への出馬会見を行ったとき、「私たちは批判ばっかりだと思われている。私は代表として、ここを変えたいと思う。私たちには提案がある、提言がある、対案がある」と勇ましく宣言した。

 批判も提案も提言も対案も、ある政策に対する反対を前提として成り立つ。それが例え部分的であっても、反対だから、批判する。提案し、提言する。対案を出すことになる。

 いつ解散し、総選挙が行われるか分からない差し迫った現状に於いて第1野党としての選挙結果を残し得る現状打開策を提示できずに民進党に対する共産党提案の「野党連立政権構想」を共産党の「片思い」として反対してしまうことは蓮舫が民進党の新たな姿勢にするとした約束に自ら反則を犯すことになる、単に反対だけしていることになる。
 
 民進党が現在置かれている貧相な現状を打開する策を提示してこそ、自身が言っているとおりの“批判ではない対案・提言・提案の創造”に努めている姿勢を表現可能とすることができる。

 だが、どのような打開策も提示できないで、貧相な現状の推移に流されている。

 他に打開策がなければ、共産党の「野党連立政権構想」に乗るしか手は残されていないのではないのか。

 少なくとも野党連立政権に向けた政権協議だけはしてもいいはずだ。

 現在の民進党と共産党の衆参の議席数は民進党146議席に対して共産党は35議席。民進党が4倍の議席を確保している。当然、主導権を握ぎらなければならない民進党がそれゆえに民進党側から見た場合の、どれだけ現実的な政策を取れるかの議席の比率に応じた取捨選択を共産党に対して要求する資格を有していることになる。

 それを実現できるかどうかは蓮舫と野田佳彦、その他の執行部の腕の見せ所である。

 それさえもできない、貧相な現状を打破する打開策もない。その危機感の無さにも感心するが、座して死を待つような無策のまま現状に流されるだけということなら、安倍政権が余程の失敗を演じない限り、選挙後に備えて首を洗っておくしかない。

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