高畑裕太のことはどうでもいいが、示談成立後の弁護人のこのコメントはアンフェアそのもの

2016-09-11 11:25:45 | 事件

 高畑逮捕のことはその容疑と共にテレビの報道番組で知った。

 第一印象は、「バカだな、この男は、バカな真似をして」とバカが二つついた。母親が常々、「女性問題と覚醒剤には気をつけるんだよ。その日まで築き上げた経歴を一瞬にしてフイにしてしまう。私にだって影響してくるんだからね」と注意していなかったのだろうか。

 母親がざっくばらんな性格のようだから、「女が欲しくなってどうしても我慢できなくなったなら、売春が合法の外国に行って処理してくるんだね」ぐらいは言えたと思うのだが、言ってなかったのか、言ったにも関わらず、事件を起こしてしまったのだろうか。

 アジアの売春合法国なら日帰りはできるはずだ。問題は食欲が食べ溜めできないように性欲もいわゆる“やり溜め”が効かないことだろう。時間が許す限り回数をこなして性欲処理に励んだとしても、若くて性欲が強いと、帰りの飛行機の中で若くて美しくてセクシーなキャビンアテンダントが歩いているときのお尻の揺れを見ただけで、たちまち性欲をムラムラさせてしまうといったこともあるだろうけれども、性欲処理に外国まで出かけること自体が問題を起こしてはいけないという警戒心、あるいは自制心を機能させていることを意味して、決してバカな真似はしないはずだ。

 逮捕はテレビの報道だけで、どうでもいいことだから、その事件を伝える記事を覗くことはなかった。だが、高畑裕太が不起訴処分となり、警察から釈放後、高畑の弁護人がコメントを出したのを知って、ネット上から逮捕時の記事を覗いてみることにした。

 大方のマスコミは、女優・高畑淳子(61)の長男で、俳優・高畑裕太容疑者(22)=東京都渋谷区=が2016年8月23日、前橋市内のホテルで40代の従業員女性に性的暴行を加え、怪我をさせたなどとして強姦致傷容疑で群馬県警に逮捕されたといった書き方をして、この事件を伝えている。

 具体的には前橋市内のホテルで「アメニティグッズを持ってきてほしい」とフロントに連絡し、部屋にきた40代の従業員女性の手を無理矢理つかみ、室内に引き入れて性的暴行を加え、怪我をさせたというもの。

 対して酒を飲んでいた高畑裕太は警察の取り調べに「女性を見て欲求が抑えられなかった」と供述したと伝えている。

 性欲を抑えている男が酒を呑むと、その抑えが効かなくなってくる。逆に酒は時と場合に於いて性欲を高める役目もするから、始末に悪い。

 いずれにしても警察は男女それぞれの供述に基づいて相手の合意を得ない力づくの性行為だと判断して、強姦致傷と言う容疑で逮捕することになった。

 勿論、どのような犯罪行為も程度の違いというものがある。凶悪なものから悪質なもの、ほんの出来心からのもの、軽微なもの等々、それぞれに差があるはずだ。

 だが、相手の合意を得ない力づくでやり遂げた一方的な性行為をほんの出来心からとか、軽微な犯罪とすることはできないだろう。相手の意思や人権を無視しているのだから、悪質以上のものがあるはずだ。

 群馬県警に逮捕されたのは8月23日、群馬県警前橋署から釈放されたのが9月9日午後。逮捕日と釈放日を加えると、18日間勾留されていたことになる。

 逮捕から勾留までの流れを、「逮捕された人はどうなるのですか」庶民の弁護士 伊東良徳)なるサイトからピックアップしてみる。    

 警察は容疑者逮捕後、比較的簡単な供述調書を作った上で48時間(2日間)以内に一旦検察庁に連れいく。検察庁は24時間以内に容疑者の短時間の取り調べと、裁判所への勾留請求を行う。

 容疑者は検察の勾留請求後に裁判所に連れて行かれ、裁判所は容疑者に対して容疑事実について本当にやったのかどうか、何か言い分があるのかといった勾留質問を行う。

 裁判所はこの勾留質問後に10日間の勾留をするかどうかを判断し、勾留する場合、勾留状を発布。警察は取調べが10日間の勾留でも足りない場合、検察庁を通して裁判所に勾留延長を請求し、認められた場合更に10日間の勾留延長を行うことができる。

 高畑裕太の逮捕から釈放までの拘留期間が18日だと言うことは弁護人がどの時点で高畑裕太と接触したのか不明だが、テレビや映画では容疑者逮捕前の警察の捜査(聞き込み)時点で参考人として聴取を求められた際や犯罪現場に居合わせて事情聴取を受ける際などに弁護士の立会いがなければ何も喋らないと弁護士を呼ぶよう請求すると、弁護士がやってくるといったことがあるから、早い時期に弁護人と接触したのかもしれないが、高畑裕太は強姦致傷の容疑事実を警察だけではなく、検察庁でも認め、裁判所でも認めたことを意味することになる。

 取調べが10日間で済まずに勾留延長されることになったのは起訴に持っていくために容疑事実を固める持間がかかったのか、あるいは弁護人から示談の申し出があって、示談成立に手間取ったのか、多分、後者ではないだろうか。

 いずれにしても示談が成立して不起訴処分で釈放されることになった。釈放を受けて高畑裕太の弁護人がコメントを発表した。その全文を9月9日付「asahi.com」記事から見てみる。
 
 今回、高畑裕太さんが不起訴・釈放となりました。

 これには、被害者とされた女性との示談成立が考慮されたことは事実と思います。しかし、ご存じのとおり、強姦致傷罪は被害者の告訴がなくても起訴できる重大犯罪であり、悪質性が低いとか、犯罪の成立が疑わしいなどの事情がない限り、起訴は免れません。お金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません。

 一般論として、当初は、合意のもとに性行為が始まっても、強姦になる場合があります。すなわち、途中で、女性の方が拒否した場合に、その後の態様によっては強姦罪になる場合もあります。

 このような場合には、男性の方に、女性の拒否の意思が伝わったかどうかという問題があります。伝わっていなければ、故意がないので犯罪にはなりません。もっとも、このようなタイプではなく、当初から、脅迫や暴力を用いて女性が抵抗できない状態にして、無理矢理性行為を行うタイプの事件があり、これは明らかに強姦罪が成立します。違法性の顕著な悪質な強姦罪と言えます。

 私どもは、高畑裕太さんの話は繰り返し聞いていますが、他の関係者の話を聞くことはできませんでしたので、事実関係を解明することはできておりません。

 しかしながら、知り得た事実関係に照らせば、高畑裕太さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高く、少なくとも、逮捕時報道にあるような、電話で「部屋に歯ブラシを持ってきて」と呼びつけていきなり引きずり込んだ、などという事実はなかったと考えております。つまり、先ほど述べたような、違法性の顕著な悪質な事件ではなかったし、仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります。以上のこともあり、不起訴という結論に至ったと考えております。

 要するに強姦致傷罪というのはお金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単な犯罪ではなく、脅迫や暴力を用いて女性が抵抗できない状態にして無理矢理性行為を行う違法性の顕著な悪質な事件の場合もあるが、高畑裕太の場合は示談が成立程の事件性なのだから、そういった悪質性は勿論あるはずはなく、起訴されて裁判になっていれば、無罪の主張をしたと思われた事件に過ぎないと、さも無罪を勝ち取れるかのような言い回しで高畑裕太の名誉を守ろうとしている。

 但し他の関係者の話を聞くことができなかったから、事実関係は解明できていないことを前提とした根拠に過ぎない。

 いわば他の証言もなしに高畑裕太の証言のみで、「高畑裕太さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高」いと強姦を合意の性行為に持っていこうとしている。

 だとすると、警察で強姦致傷の事実を認め、その他検察庁のみならず裁判所でも認めた事実はどうなるのだろうか。

 大体が合意の有無、強行性の有無は裁判でこそシロクロを争うべき問題で、そうである以上、多分カネを使ったであろう示談成立後に口にすべき合意の可能性や強行性の否定性ではないはずだ。

 なぜなら、例え可能性の範囲内であっても、弁護人が容疑者の利益を守る自分たちの立場のみでそうであろうと予測することは許されないからだ。

 「合意のもとに性行為が始まっても、強姦になる場合があります。すなわち、途中で、女性の方が拒否した場合に、その後の態様によっては強姦罪になる場合もあります。

 このような場合には、男性の方に、女性の拒否の意思が伝わったかどうかという問題があります。伝わっていなければ、故意がないので犯罪にはなりません」と言っていることも高畑裕太を無罪に誘導する弁護士特有のレトリックに過ぎない。

 女性の拒否の意思が伝わっていながら、性的な満足感を得ることのみに気がまわって無理やり行為を続けて目的を果たしたのが事実であっても、弁護士の入れ知恵でいくらでも伝わっていなかったと事実をすり替えることができるからだ。

 あるいは弁護士の入れ知恵がなくても、罪逃れの強い意識が自ずと悪知恵を働かすことになって、伝わっていた事実をいなかった事実に変えることもできる。

 当然、このようなことも検察と弁護士の尋問を混じえた被告・原告双方の証言に基づいた裁判の遣り取りで決着をつけてこそ、その決着を表に出せるのであって、裁判もやらずに示談交渉が成立したことを全ての根拠にして高畑裕太には強姦の事実がなかったかのような印象づけを行うのはアンフェアとしか言い様がない。

 もし裁判になっていたら、マスコミはもっと騒いでいたろう。裁判の遣り取りを逐一報道されるばかりか、判決文がすべての事実となって活字や電波となって日本中に広まり、ネットにいつまでも残ることになる。

 そういったことを恐れて、裁判を回避したかったからこその示談でもあったはずだ。にも関わらず、裁判でなければ欠着がつかないことを自分たちで好きなように決着をつけている。悪質な情報操作のうちに入る。

 示談は金額に納得して承諾するという場合がある。弁護人が「初犯だから、たいした罪に問うことはできない、例え有罪になっても執行猶予付きだと思う。但し彼も将来ある身だから」と言うだけで、それ以外は余分なことを言わずとも、後はカネが金額に応じて物を言ってくれる。

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