細野豪志の社会全体にパニックが起こることを懸念してSPEEDIを未公開としたとする発言に窺うことのできる国民の生命の安全を守る危機管理意識欠如から、民主党代表選に立候補する資格はないし、ましてや首相になる資格もないと、9月7日当ブログ記事――《野田首相、細野環境相に民主党代表を務める資格なし》に書いた。
主として党内の若手から党代表選立候補を要請されて、一旦は真剣に考慮する姿勢を見せたものの断念、野田首相に対する支持表明で幕を閉じることになったが、その立候補断念理由発言を見て、やはり代表にも首相にも向かない、その資格のない政治家であると確信を深めた。
《【民主代表選】不出馬の細野氏「41歳で経験不足」と説明》(MSN産経/2012.9.8 18:03)
9月8日(2012年)の茨城県日立市での講演。
細野環境相「41歳で12年しか国会議員を務めていない私が党代表になり、首相になるのは、通常では考えられない。
悩みに悩んだが、福島をはじめ被災地には厳しい問題があり、猶予できない状況だ。
(野田首相を再選支持する考えを示し)素晴らしい資質を持った政治家だ。
(代表選での被災地に関わる主張について)被災地に手を差し伸べ、元気な日本にしていこうという呼び掛けが必要だ」
記事は最後に、「元気な日本にしていこうという呼び掛けが必要だ」という発言を紹介しているが、政治にとって最早掛け声の時期は過ぎ、何をどうするか、何が不足か、それは正しい方法なのか等々、一つ一つ検証しつつ、改めるべきは改め、推し進めるべきは強力に推し進めて、復興完遂の具体化を図っていく時期に差し掛かっているはずである。
いわば、「元気な日本」を取り戻す過程に着実に邁進しているのかどうかを、復興担当の政策実務者の一人として問題としていなければならない時期であるにも関わらず、今以て呼びかけに目を向けている。
この判断能力の錯誤一つを取っても、とてもまともな考えの出来る政治家には思えない。
細野は、「41歳で12年しか国会議員を務めていない私が党代表になり、首相になるのは、通常では考えられない」と言っている。
経験や知識が年齢や勤務年数に応じた獲得事項であるなら、言っていることは正しい。同じ年齢の人間が同じ経験を同じ年数経たとしても、同じ知識や同じ技能を獲得するわけではないのは極々当たり前の常識である。
同じ経験から、何をどう学んで自身の知識とし、その知識を次の経験にどう応用し、活用するかで、その人間の能力や創造性は決まってくる。
経験から自身が必要とする知識や創造性を読み取る能力を欠いていたなら、何年国会議員をしていたとしても、どう歳を取ろうとも、ごく普通の政治家であることから一歩も出ることはできないだろう。
だが、細野は年齢と国会議員としての勤務年数で以って自己の能力を測り、経験不足だとしている。あるいは創造性不足だとしている。知識不足だと言っている。
「大阪維新の会」橋下徹代表は1969年6月29日生まれの43歳。大阪府知事を3年8カ月務め、大阪市長を8カ月少々務めているだけだが、国政レベルの自らの政治集団の組織を予定し、その党代表を務め、次の衆議院選挙で一大勢力を築こうとしている。
橋下徹と比較したら、細野は2歳年下であっても、12年の長きに亘って国会議員をしている豊富な経験を抱えていることになる。
だが、その豊富な経験が党代表としての、あるいは首相としての知識や能力・創造性に役立たないと見做している。
このことが事実とするなら、橋下徹にしても党代表としての資格も、衆議院選挙に組織下の党員を立候補させる資格もないことになる。
経験や知識、能力を年齢と議員歴で測るから、こういった合理性のない、矛盾した考えを尤もらしげにに披露することになる。
また政治はトップリーダーが一人で行うものではない。チームプレーである。自身が経験不足と思うなら、それを補う人材を党役員・閣僚に用いいれば補うことができる。「最善かつ最強の布陣」(野田首相)の布陣と言って内閣を組織しながら、ボロを出して早々に首のすげ替えをやらかしているようでは内閣の長としての判断能力を疑われることになる。
かくかように必要な資質は先ずは的確な合理的判断能力であって、その能力が指導力を保証することになる。年齢でも、経験年数でもない。
満足な判断を下すことができなければ、指導力は発揮しようがなく、指導力が満足に発揮できなければ、どのようなトップであっても、組織を満足に指導・運営することはできようがない。
党代表の資格、あるいは首相の資質に年齢と国会議員としての勤続年数を持ってきたところに、逆に細野には党代表となる資格もなければ、首相となる資質もないことを自ずと物語っていることになる。
要するに野田首相と同じく言葉の巧みさ、口達者で持っている政治家だということなのだろう。
だとしても、細野が党代表及び首相の資格を年齢と国会議員勤続年数に置いている以上、何歳の年齢と何年の勤続年数が党代表及び首相の資格獲得に当たるか、国民に説明すべきである。