小沢氏党員資格停止処分見直し是非に見る自己都合な発言しかできない菅、前原、江田五月、玄葉

2011-08-25 08:59:23 | Weblog



 8月27日告示、8月29日投開票予定民主党代表選立候補表明議員のうち、海江田経産相と小沢鋭仁元環境相、馬淵前国交相が小沢元代表に対する党員資格停止処分の見直しを表明している。

 理由は、党内融和。

 これは菅執行部が小沢氏を党員資格停止処分としたばかりか、小沢グループ議員に対しても主要な内閣人事と党人事から排除したことによって党内分裂・党内対立を生じせしめた非生産的な党運営を反面教師とした見直し表明であろう。

 参議院に於いて全野党に対して数の劣勢を強いられているばかりか、党内に於いても数を分裂させて党運営や内閣運営ばかりか、政策運営に関しても様々な障害を生じせしめ、菅仮免はただでさえ欠いている自らの指導力を数という勢力の前に一層無力とした。

 いわば菅仮免の党及び内閣運営が教えた党員資格停止処分見直しであるはずだ。

 但しすべての代表選立候補予定議員が見直しを示唆したわけではないし、現執行部側からも見直しに異を唱える声が上がった。必然的に代表選の争点に浮上することになる。

 現執行部側からは、先ず江田五月と玄葉光一郎。《小沢氏処分、江田法相「裁量で動かせぬ」=玄葉戦略相も見直し否定》時事ドットコム/2011/08/23-12:18)

 江田五月「(新しい)代表の裁量であれこれ動かせるものではない。今の体制の下で決めたことは尊重すべきだ。見直す必要があるなら、それなりの手続きを取ってやることになる」

 言っていることが前後で矛盾していることに気づかないらしい。党員資格停止処分は現執行部の決定事項であって、新執行部がそれを引く継ぐか、あるいは見直すかは新執行部の党に諮った上での決定事項であるはずだ。

 要するに江田が言っているように「見直す必要があるなら、それなりの手続きを取ってやることになる」というわけであって、党に諮って進めるルールに則した手続きを取りさえしたなら、「(新しい)代表の裁量であれこれ動かせるものではない」と絶対決定事項だと決めつけることは決してできない。

 江田五月は瓦礫処理問題の国会答弁で、「瓦礫処理は進んでいます」と怒り声で何度も言い張っていたが、具体的な処理率と具体的な現地の状況を示されると最後には「進んでいます」の言い張りをトーンダウンさせた判断能力の持主だけあって、どこまでいってもトンチンカンを引きずるようだ。

 こんなことは誰にも分かることだが、単に自分たちの決めたことだから、あるいは小沢憎しの感情から見直したくないというだけの自己都合からの発言に過ぎない。

 玄葉光一郎「執行部が時間をかけて丁寧に出した結論だ。小沢元代表もそんな小さな話をいちいち問題にするような器の方ではない」

 江田五月とドッコイドッコイの頭の良さを示している。党員資格停止処分は小沢氏にとって「小さな話」なのか。

 もし小沢元代表が党員資格停止処分を受けていなければ、再度代表選出のチャンスに賭け、自らの政治を実現する最後の挑戦と看做さない可能性は否定できない。

 小沢氏自身、7月に自らの党員資格停止処分に不服申し立てをし、却下されている。「小さな話」だったなら、不服申し立てなどするだろうか。

 半数を少し超える民主党国会議員が昨年の党代表選挙で無能な菅を無能だと気づかずに代表に投票し、首相の椅子に座らせた過ちを犯した。半数を少し超える中から決して少なくない議員がその反省から一国のリーダーには何よりも指導力が必要であることを学んだはずだ。その学習効果と菅に1票を投じた反省から今回もし小沢氏が立候補していたら、小沢氏への確かな流れをつくる勢力足り得る可能性も否定できない。

 決して「小さな話」ではないのに「小さな話」だと矮小化できる認識能力は素晴らしい。

 玄葉は「執行部が時間をかけて丁寧に出した結論」だと言っているが、党員資格停止処分が「小さな話」であるなら、逆に「時間をかけて丁寧に出した結論」だとすること自体に矛盾が生じることになる。

 菅執行部は「小さな話」に時間をかけて丁寧に結論を出す態勢となっていることになる。だから「小さな話」に時間を取られることとなって、肝心の震災対応で、その初動と二次対応、三次対応に遅れを取ることになったのだろうか。

 いくら「執行部が時間をかけて丁寧に出した結論」だとしても、現執行部の決定事項であることに変わりはなく、現執行部の決定事項を次期執行部はすべて引き継ぐこととするという取り決めがない以上、新執行部の前執行部とは異なる決定事項として違反だとすることはできない。

 要するに合理的に判断する前に自分たちが決めたことで変えたくないという感情的思惑から、それを次ぎの執行部にまで押し付けようと自己都合を働かせているに過ぎない。

 菅仮免も自己都合の範囲でしか認識できていない。《菅首相:小沢元代表の党員資格停止処分見直しけん制》毎日jp/2011年8月23日 22時44分)

 8月23日参院財政金融委員会。

 菅仮免「きちんとルールに則って決めたことは、本来守られるべきものだと認識している。代表選に立候補しようとする方が、自ら信ずる政策や党運営を述べるのはそれぞれの見識だ。議員の処分は、党のルールに従って常任幹事会が党倫理委員会に諮って決定している。もし決定を変えるなら、改めて常任幹事会で議論すべきことになる」

 江田五月と同様に前後の発言に矛盾を犯している。「もし決定を変えるなら、改めて常任幹事会で議論すべきことになる」と発言の最後で非絶対的決定に過ぎないとしていながら、「きちんとルールに則って決めたことは、本来守られるべきものだと認識している」と絶対的決定に位置づけている。

 同じ執行部であっても、途中で処分を見直す場合もある。いわば、「きちんとルールに則って決めたこと」を「きちんとルールに則って決め」直すケースの存在であり、常に絶対的決定であるわけではないということである。

 当然、新執行部が決め直す正当な機会を有するはずだ。菅が「もし決定を変えるなら、改めて常任幹事会で議論すべきことになる」と言っているように、「党のルールに従って常任幹事会が党倫理委員会に諮って決定」し直す正当な機会の執行の資格を保有しているはずである。

 条件は唯一党のルールに則って行うことであって、決して絶対的決定であることを条件としているわけではないにも関わらず、さも絶対的決定が条件であるかのように装う自己都合を働かせている。

 では、一旦は代表選立候補を見送る姿勢を見せていたが、23日に正式に立候補表明した前原誠司。《「小沢史観」脱却を訴え…代表選立候補の前原氏》YOMIURI ONLINE/2011年8月23日19時03分)

 前原誠司「小沢史観というようなものとは脱却しなければいけない。特に被災者に寄り添う、そういった目線が今は何よりも大切なので、党内がどうのこうのとか、あるいは大事な政策で与野党でにらみ合う、あるいは足を引っ張り合う、そういう政治からは脱却しなくてはいけないと思う」

 党内融和を訴えているが、この記事では小沢氏の党員資格停止に関しては何も書いていない。

 《小沢氏処分は執行部の決定を尊重すべき…前原氏》YOMIURI ONLINE/2011年8月23日19時29分)

 前原誠司「経緯があって何度も役員会や、最終的には常任幹事会で決定されたものなので、現執行部が決定を下したことを尊重するという考え方で党が結束すべきだと思う」

 前原誠司が言うべき言葉は、「もし私が代表に選ばれ、新執行部を編成することになったら、前執行部の決定を尊重し、そのような体制のもとで党は結束すべきだと思う」であろう。

 だからと言って、党のルールに則りさえすれば、見直しができないわけではない。それが唯一の条件だからだ。

 一番まともなことを言っているのは野田財務相である。

 8月23日の会見。

 野田財務相「新体制ができた時、今までの執行部や関係者の説明を聞いて、新体制で判断するということだ」(asahi.com

 現執行部の決定が絶対ではないということを言っている。

 但し、増税路線には賛成しかねる。


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