アンダとクーベリックのシューマン ピアノ協奏曲

・ゲザ・アンダのピアノ、クーベリック指揮のベルリン・フィルの演奏によるシューマンのピアノ協奏曲を聴きました。あまり話題になりませんが素晴らしい演奏だと思います。

・この曲、本当に大好きな曲です。第１楽章冒頭のオーボエのテーマからうっとりしてしまいますが、それをなぞるようにそっと入ってくるピアノのなんとロマンティックなこと！　シューマンの面目躍如たる所です。この曲は木管がとても重要だと思うのですが、この演奏ではベルリン・フィルの木管楽器がとても美しいソロを聴かせてくれます。それに絡むピアノの済んだ音色が印象的で、カデンツァでも優しさを忘れません。丁寧な誠実なピアノだと思います。

・クーベリックはシューマンを得意にしていますから、伴奏も細やかに神経の行き届いたもので、普段あまり気づかないチェロの旋律が浮き上がってくるところなど、思わずハッとさせられます。このディスクには録音年月日が書いてないのですが、おそらくクーベリックとベルリン・フィルがシューマンの交響曲全集を録音した頃のものかなと思います。