覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

シューリヒトとフランクフルト放送交響楽団のブラームス 交響曲第1番

2006年12月14日 | 音楽
・シューリヒトのブラームスはどれも名演揃い。正規のスタジオ録音が決して多いとは言えないシューリヒトだが、ブラームスに関しては2番から4番の交響曲、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲第2番、悲劇的序曲、ハイドン変奏曲の正規録音がある。交響曲第1番に録音状態の良い正規の録音が無いのが残念だが、スイス・ロマンド管とフランクフルト放送響との放送録音を聴く事ができる。今日は久々にフランクフルト放送響との録音を聴いてみた。

・1965年録音というデータが正しければシューリヒト最晩年、85歳の時の録音になるが、この録音を聴く限り、とてもそんな事が信じられない熱い熱い演奏なのだ。晩年のシューリヒトは、高齢なのはもちろん、リューマチを患って指揮台に上るのも大変だったという話を読んだことがあるが、この録音を聴いているとそんな人が指揮をしているとは到底思えないのだ。

・第1楽章からノリにノッている。その気迫が凄まじい。この楽章の終結部や終楽章のクライマックス、頂点に向けてぐんぐんテンポが上がりオーケストラを追い込んで行く様子はまさに「怒涛の如く」という言葉がぴったり。聴いていて体がぞくぞくしてくるし、「次はどうなるんだろう」とワクワクさせられる。とにかく挙げていったらキリが無いほど、「こんな表現、今まで聴いた事が無い」というところがある。それはまるでその場のひらめき次第、即興で指揮をしているような感じ。悪い意味で言っているのではない。聴く人によっては「やり過ぎ」と感じるかもしれない。でも私はその意欲に満ちた発想・表現には感嘆してしまうし、そんなシューリヒトの演奏が大好きだ。

・熱い演奏になったのはライヴと言う事も影響しているかもしれない。しかしこの時、一体どんな風に指揮をしていたのか見てみたかった。ああ、やっぱりシューリヒトは素晴らしい!!!

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