えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

夫と一緒の生活・・・

2011-10-23 | 日記
煙探知器(火災防止用)の電池が切れ、交換しなければ…と思っていながら数日そのままにしていたら、夫が、

「掲示板、見たか?故障らしいぞ。不具合が生じているところは、連絡すれば無料で交換するって書いてあったよ」という。

確かに・・・
じゃ、連絡しなければ!と、思っているうちに、今度は、台所の換気扇が回らなくなった。
そのうち…と思っていたら、食事の後片付けを毎回してくれている夫がすぐに気付いて、さっそく
「去年の暮に、掃除しないんじゃったからな」と朝から掃除を始めてくれた。

毎日家にいる私としては、
「いいよ。私が後でやるから」と言ったが、こんな時、夫は私の言うことを聞かない。
「だって、出掛けなくっちゃならないんでしょ?」と言っても・・・。

居間に戻ってしまった私に夫から声がかかった。
「ダメだ、これ。モーターが回んない。業者に連絡するしかないな」

「ありがとう。わかった。じゃ、とりあえず、電池交換の件だけでも」と、住宅管理センター(公営住宅なので)へ電話をし、その件を済ませた後、

「すみません。換気扇のモーターが回らなくなってしまったんですが、どこに相談すればいいんでしょうか?」と聞いたら、

電話口に別の方が出て、

「わかりました。あとで、業者さんから直接電話してもらいますから待ってください」とのこと。

という訳で・・・

とんとんとんと話は進み、その後、私の留守中に業者さんからの電話を夫が受け、

「21日の午前中に来てくれるって。アンタ、大丈夫だろう?」・・・と。


煙探知器の交換用電池もまもなく届けられ、夫が改めて天井に取り付けてくれた。


・・・・・・

そして、21日の朝、
 工務店の方が見えて、20分ぐらいで新しい換気扇に取り換えてくれ、一件落着。

 私はモーターだけの交換かと思って、換気扇の部品全部、夫がきれいにしてくれていたものをとっておいたが、
「それは、持ち帰ります」と言われ、汚れたままのものを渡すのではなく、きれいになっているものを返せるほっとした気持ちで、夫にありがとう…という気持ちになった。

そして、この間の夫の仕事の速さに感謝!でした。

でも、工務店の方から仕事が終わって、

「じゃ、サインをお願いしていいですか?」と言われ、

世帯主は私・・・私の名前を書きながら、
夫は、と言えば毎朝日課の「朝風呂中」・・・。
玄関横にある風呂から出てくるわけにもいかないで、顔も出さないまま・・・。

電話で日程の打ち合わせをしたのは夫で、男の声・・・

「朝風呂ですか~、いいですね~」と返してくれた言葉を聞きながら、なんか誤解されてないかな・・・なんて考えてしまった。

夫が世帯主となっての新しい生活はいつごろ始められるのか・・・。




どうしても・・・

2011-10-23 | 日記
 金木犀のこと・・・

夫が逮捕されたのは10月10日の夜
その時の記憶に、金木犀の花の香りがあった、と聞いた。

それ以来、私は、実家の庭で毎年咲く大きな金木犀が、
いつか、必ず『悲しみの記憶』から、喜びの記憶へと変わるように・・・。
毎年、実家の金木犀が夫の癒しの花になってくれるように・・・と願い続けた。

 ところが、私が「夫とともに歩んでいきたい」と両親に告げたその直後に、実家の金木犀の木がその姿をとどめることもなく、
二メートぐらいの幹だけを残して切られてしまったのだ。
結婚を許さない、という父の感情がそこまで行動させたのかと思ったら、その真相をただすこともできず私はひとりその事実を受け止めるしかなかった。
両親の理解を得られないことに併せ、私の子どもころから大好きだった金木犀まで切ってしまわせたのかと、それほどこの結婚は両親を悲しみのどん底に落としてしまったのか・・・と。

 この話は、実は、今となってはまったくの笑い話であって・・・
本当は
「虫が喰って、どうする事も出来なくて切ったんだ」・・・と、後に弟から聞いた。

二年後、両親の理解も得られ再び夫と実家を訪れるようになった時には、見事に若い枝をたくさん増やし、姿は小ぶりでも見事に花をつけ、あの懐かしい香りで私たちを迎えてくれた。

 10月10日、今年、その日は守る会(解散)総会となった。(実際には、残務があるため解散は来年春まで存続されることになった)
長い闘いを支えてくださった「守る会」があったからこそ、のたたかい。
そして43年7か月目の「無罪判決」
無罪確定して初めて迎えるこの秋・・・。
その少し前から、住宅街のどこからともなく香ってくる金木犀の香りに、夫は、

「あっ、金木犀の香りだ!」

と、誰よりも早くその季節の到来を口にしていた・・・。

・・・・・・・・

 夫にとって「特別の秋」
今年、私は、実家の金木犀の枝をいつもより大ぶりに切って、玄関に挿した・・・。


 そんな、私たちにとって大切な金木犀。
今、花を落としたその姿はあまりにかわいそうな姿で、どうしても元気にさせてやりたい。
ながく、ながくこの家の家族を見守ってくれてきた木だけに、その前に立ってなす術もなく途方に暮れる両親の姿を見ながらそんなことを考えている…。