えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

夫の言い訳・・・

2010-11-28 | 日記
「かわいいなぁ」

そう言いながら、夫が近所の猫の頭を撫でる。
撫でながら私に向かって、
同意を求めるように
「なぁ」と言う。

私は口を尖らせて言う。

「私がかわいいね」って言ったら
「だめだめ!って聞いてくれなかったくせに」

夫が笑いながら言う。

「いいんだよ。俺は、かわいいって言っても飼わないもん。
 あんたは、飼うことを前提に言うから」

そうかもしれないけど・・・
でも、
やっぱり勝手だよね・・・。

最終公判を前に

2010-11-26 | 日記
ドキュメンタリー映画を回を重ねてみたせいだろうか・・・?
夫たちの映像とともに、私自身の12年をどうしても重ねて考えてしまう。

仮意釈放で社会に戻ってきたばかりの夫たちの姿を、私は映像で初めて知った。
そこには、私の知らない夫の姿があり、少なからず私も他の観客と同様の衝撃を受けている。
でも、それは逆に夫のことをもっと深く理解できたということでプラスに考えたいと思う。
 

私が夫と出会ったのは、夫が
「2度目の正月を迎えました!」と挨拶する1998年の救援会の新年会の席上。
社会に帰って1年4ヶ月目の夫だった。


「もっとこの人のことを知りたい」と思った。
えん罪と言うとてつもなく重い荷を背負っているにも拘らず、
「生きている喜び」に満ち溢れて見えたのだ。


・・・・・・

生きる姿勢も、物事の考え方も私には新鮮だった。

やがて、この人のように
「輝いて生きて行きたい」
「もう少し、この人の近くで生きて行きたい」と思うようになった。


だから

  この人に必要とされる人間になりたい・・・   そう、思った。


そして歩んできた12年・・・。
私の存在は、少しは役に立てたかな・・・
映像が進むにつれて、夫の表情がどんどん変わっていく。
自信と確信が満ち溢れ、そして、長い闘いが報われてきた安堵感の穏やかな表情・・・。
私も、夫の43年という闘いのほんの一時ではあるけれど、でも、一緒に歩んで来れて本当によかったとおもっている。

まだまだ再審の真っ只中なのになぜこんな気持ちになったのだろう・・・
いよいよ12月10日、結審の日を迎える。
最終陳述のためにパソコンに向かっている夫の姿に、
「思いのまま語っていいよ」と心の中で語りかけた・・・。




「ショージとタカオ」 水戸上映を終えて

2010-11-25 | 日記
「お久しぶりです!
 忙しいところ有り難うございます!」

 会場入り口で、何度か私はそんな挨拶をした。
それは、久しくお会いしていない人たちが、わざわざ「ショージとタカオ」を観るために来て下さったのだ。
どれくらいの方に観ていただけるのか、東京ではだいぶ高い評価がされ、話題が広がりつつあることを聞いていたが、私は本当に・・・・心配だった。
 上映開始後、最後列から見渡したら、座席のほぼ8割ぐらいが埋まっているように見え、映画を見ながら、その嬉しさを味わっていた・・・。

 上映後も、何人かの人たちに
「よかったよ。元気をいただいたわ」
「完全勝利まで、もう少しだね。頑張ろうね」
「sakuraiさんたちは、本当に幸せだね。たくさんの人たちに出会えて、どんどん人間らしくなっていくところに涙が出てきたわ」
また、
「よかったよ。あなたの役目もよくわかったよ」とも声をかけていただいた。

 そう・・・!
 夫と、「結婚する」と、言った時、本当に皆さんに心配をかけた。
でも、この映画は、夫と杉山さんのことだけに留まらず、私の人生の選択も間違ってなかったことを教えてくれるものとも言えた。

回を重ねて観るたびに、また違った思いも私の中に生れて来ている。
井手監督に、感謝!!・・・ですね。

皆さんの感想を聞きながら、いろんなことを感じた上映会だった。

布川事件を支援して下さる人たちの中に、私の30年来の友人たち、職場の上司、元同僚、同じ団地の方たち、私が担当した病院ボランティアの元会員さん、20代のころサークル活動を通じて知り合った仲間など、など、
私の知人友人、その家族の姿も目立った。それらのことに、心から「嬉しい」という思いでいっぱいになった。

 上映を決断して下さった茨城の会の皆さん、本当にありがとうございました!





友より

2010-11-21 | 日記
「・・・先日は、長い長いていねいな文字のお手紙をありがとうございました。
 
 ・・・よく、わかりましたので、当日は明るい顔でお会いしたいです」

 友から、ふたたび返事をいただいた。
 
 
あの時、友から手紙を受けった時から私の心は重かった。
自分の軽率さが恥ずかしかった。

 そんなつもりでなかった。
 でも、友を傷つけてしまったことは、率直に詫びなければいけない・・・
 
と、お詫びと自分の正直な気持ちを手紙に書いた。

それに対する返事だった。

 ありがとう・・・と私からも心から言いたい。


心をこめて
言葉を尽くして
伝えあうことの大切さを
友より教えられた。

友は、長い間、ご夫妻で「教護院」での職務についていたという。
法に触れる境界線で悩み、苦しむ子どもたちと長い間向き合ってきたからだろう。
友の「生きる姿勢」が私に伝わってきた、そんな手紙をまたいただいたのだ・・・。

23日、
ドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」を観に来て下さるという。

私も笑顔で会いたいと思う・・・。


 


国民は・・・

2010-11-20 | 日記
ニュースを聞いていて、思うこと。

TPP・・・農家は本当にこの先を不安に思っているのに・・・

大臣の失言・・・国民に選ばれ、国政改革に大きな期待をされていることを全く忘れて傲慢そのもの。
        まして「法務」なる職。余りにも無責任な発言。責任は自ら取るべきと思う。
        現政権の国務大臣は、もっと、もっと国民の側に目線を移して、職責を全うして欲しい・・・
        「発言」「失言」「撤回」「謝罪」、あまりにも軽すぎます。
        開き直りで押し通そうとするなら、国民の心は離れるばかりです。

事業仕分け・・・ゾンビ?どうして?
        無駄は極力無くしていってください。元は、すべて国民の税金です。
        党内での対立はなぜ?

独立行政法人・・・税金使い放題。許せないけど、チェックの甘さはやはり行政の責任では?
         どうしてこんなにまで自己の利権にしがみついてしまうの?

介護保険料が上がる?・・・えっ?!
             まだまだ無駄に使っている税金、ドッサリあるはず!
             私たちは、お金がなければ長生きしちゃいけないの・・・
             老いても私たちは日本国民です。
             こんな「貧しい政治」、なぜ?
             

この国の政治、おかしい。
ここまでなると、私のように鈍感な人間にも
「今のままではいけない!」と強く思う。

誰がこんな政治を許しているのか、もっとみんなが気付くべきだと思う。







K婦人

2010-11-20 | 日記
車で出かけようとして駐車場に向かう途中、近所のK婦人が、バス停に向かって歩いて行く後姿が目に入った。

「どちらまで行かれるんですか?」

と、聞くと、
下市商店街にある○○というところで『童謡の会』があるので、そこまでとのこと。

「どうぞ、乗ってください。近くのクリーニング屋さんまで行きますので」

ということで、K婦人を乗せての車中での会話。

「月1回なんだけどね、楽しみでね。もう10年になるの。
 最初行った時はね、歌うたびに涙がこぼれて来てね。でも、童謡はいいねぇ、子ども のころの思い出がいっぱい思い出されるの。
 最近親しい友人が二人も続いて亡くなってね、気持ちが暗くなって来ちゃって。家に 籠りきりにならないよう自分で努めて出かけるようにしているの」

K婦人は同じ棟の3階に住んでいるのだが、リュウマチを患っていて、なかなか体の自由が利かない。一人で暮らしていて、今、82歳という。白髪がきれいなとても素敵な女性だ。

「いっぱい集まってくるんだよ。席がなくなっちゃうくらい・・・。
 みんなと大きな声で歌っていると、気持ちが明るくなってね」

・・・・・

「助かっちゃったよ。ありがとう」

と言って、ゆっくり車を降りて歩いていく後姿を見送りながら、私は
「声をかけてよかった」
の思いと同時に、病を持ちながらも、一人暮らしの不自由さを前向きにとらえ、生きようとしている姿に考えさせられるものがあった。



愛猫gonのこと

2010-11-20 | 日記
昨夜、布団に入ったら急にgonのことを思い出してしまった。

「gonちゃん、おいで!」

寒い夜は、呼ぶと、必ず私の布団に入りこんできたgonだったが、

「あ~、もういないんだった・・・」と改めて思う夜だった。

昼間、寒くなってきたからと、セーターを持ちだす際、その衣類に何本かのgonの毛がついていることに気付いたせいかもしれない・・・。

gonが22年の生を閉じたのは今年1月。
まだまだ寒い冬の季節だった・・・。


年賀状の季節が来たけれど

2010-11-16 | 日記
「いつだって書けるよ」

と、夫は言うけれど、そうかなあ・・・

夫の中の確信は揺らがないのだろうが、やっぱり予定されている第6回公判(12/10)が済まなければ、
年頭に当たっての挨拶は出て来ないのではないかな・・・

 事実、私は、公判が重ねられて、そのたびに一喜一憂している。
12月の公判で、弁護団がどのように最終弁論をしてくださるのか、
本人が最終陳述で何を語るのか、
それらを聞く前か、後かでまったく心境が違うように思うのだ。
だけど・・・
12/10を待っていたら、12月後半の忙しさが今から予測できる。
年賀状の発送作業を、できるだけゆとりを持ってやりたいのだが、どうなるかな・・・

今年最後のばら

2010-11-16 | 日記
秋咲のばらがベランダの片隅で、しっかりと咲いていた。
朝夕の寒さの中で、かわいそうに思い、切って玄関に挿した。
やさしいクリーム色は、
私の心をとてもやさしくしてくれている・・・。

悪いことは言わないで・・・

2010-11-16 | 日記
帰宅途中の車の中。
テレビの相撲中継の音声が流れていた。
横綱白鵬の連勝記録がどこまで伸びるか、と相撲ファンが注目しているそのとき、
私もそのうちの一人で、どきどきしながら音声に聞き入っていた。

ところが、ところが・・・だ。

アナウンサーが、
「双葉山も、千代の富士も連勝が止まったのは
 序盤戦、2日目だったんですよね~。
 どういうわけなんでしょうね~。」

なんて話し出した。

 やめて!そんなこといわないで!
 そんな悪いことは言わないで!
 本当にそうなってしまうから・・・

と、真剣になって私は心配した。


そしたら・・・


だから言わないでって言ったでしょ!

と、いうことになってしまった。

対戦相手は、わが茨城出身の稀勢の里だから、こちらもうれしい事なのだけど、
何だか残念な気持ちと、
稀勢の里へ大きな拍手を送りたい気持ちと、びみょう・・・な気持ちを味わった。


それにしても、夫がいつも言っている言葉通りになってしまった。

「マイナスのようなことは言うんじゃない。言ったように必ずなるから」・・・と。