えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

時の流れの中で

2006-09-24 | 日記
実家の庭に
大きな金木犀の木があって
あのひとに
見てもらいたいって
思った

悲しい思い出しかなかったあのひとに
新しい
金木犀の思い出を
つくってほしかった

なのに

あのひとといっしょになるって言った
翌年の春
父が
庭の金木犀の木を
ばっさりと
切ってしまった

そんなに
私たちの結婚が
許せなかったのだろうか

尋ねることができないまま
7年が過ぎた

今年
新しく伸び始めた木々に
たくさんの
金木犀の花が咲いた

父と母と
夫と私と
揃って
満開の金木犀の
香りに酔った

時の流れの中で
それぞれに
いろんなことがあって
いま
寄り添って生きる
私たち家族がいる



(今日は、keikoさんのノートを書き写しちゃった!)

 今年もkeikoさんの実家の稲刈りにみんなで行ったんだ。
 syoujiさんとkeikoさんと、akiraさんとkaoriさんと・・・
 なぜだか、watasiは「お留守番」だった・・・。
 watasiも行きたかったヨ・・・。

 金木犀が咲いて本当に庭中に香っていたみたいだよ。
 keikoさん、子どもの頃から大好きな花でね、空き瓶に挿して机に飾ったりしていたんだって・・・。
 また、毎年見られるようになってほっとしたみたい・・・
 syoujiさんと一緒に見られたのが一番かな?

( ナイショの話・・・・
 おじいちゃんに聞いたら、「虫がついて仕方がなかったから、切ったんだ・・・」と言っていた。
keikoさんとsyoujiさんの結婚には、大反対したけれど、金木犀を切ったこととは全く関係なかったんだ。それに、その頃は未だ、「syoujiさんと金木犀の思い出」のことは全く知らない時期だったんだ・・・。
勘当されちゃったkeikoさんだったから、きっとそんなふうに考えてしまったんだろうね。)

18歳・・・

2006-09-15 | 日記
 誕生日・・・
というより、正確に言うと、
9月14日は
「keikoさんに拾われて、この家に来て丸18年になりました」
ということ。

 だけど・・・
keikoさんもsyoujiさんも帰りが遅くて
なーんにもしてくれなかった
そりゃ、守る会の会議だったから忙しいの分かるけど・・・

 でも、そのかわりkaoriさんがちゃんと来てくれた。
嬉しかった!
だって、watasiは高齢でしょう?それに、病弱?だから・・・
ね!来年の9月14日まで・・・びみょ~でしょ?

 18年前・・・
大きな台風が来るって予報が出ていた。
この家に連れてこられて、本当に命を助けてもらったと思っている・・・
keikoさんのファミリーに感謝!!

(写真は、18年前のakiraくんとkaoriさんとwatasi。分かるかしら?
 akiraくん5年生、kaoriさん3年生だった)

シャンプーして

2006-09-09 | 日記
「ごん、どうした?」
syoujiさんが、電話の向こうからwatasiを心配して聞いてる。

「昨日、病院で点滴をしてもらったみたい。kaoriさんが連れて行ってくれたの。
また、元気になった。不思議ね。なんかあったら「点滴」。お決まりのコースになってしまったみたい・・・」

「それはよかった。俺、ごんの死ぬのは絶対見たくないからな。」

「・・・・・」

keikoさん、また返事に困っていた・・・。
しょうがないや。
syoujiさんの「死への恐怖」はどうしようもないモンね・・・

 でも、大丈夫!
watasiは、まだまだ死んだりしない。
今日は、一昨日よりずっと元気になったので、kaoriさんに体をシャンプーしてもらった。
シャンプーは好きじゃないけれど、「おしっこ臭いし、お尻も汚れているから」って言われちゃった・・・。
おむつもはずしてもらえたよ(ほっ!)

さっぱりした!
今日は、だから気分爽快の一日だった!

18回目の誕生日が来るというのに

2006-09-07 | 日記
 もうすぐwatasiの18回目の誕生日が来る。

なのに、その、誕生日を目前に食欲も落ち、うんちもおしっこも出なくなってしまった・・・。

「今年の夏はなんとか越えたな・・・。ごんは長生きするぞ!」
そう言って、水戸を基点に長いキャラバン生活の続いたsyoujiさんが、本来の仕事に戻るため利根町に帰っていった直後だった。

 やっぱりダウン!!
トイレは何度も行きたくなって、でも出ないから部屋に戻って、あっちの隅、こっちの隅に行って、頑張れば少しだけ、ほんの少しだけ、ウンチもおしっこも出て・・・でも、やっぱりまたすぐしたくなって・・・
苦しくって、苦しくって・・・。

 kaoriさんに「おむつ」をしてもらった。
初めてのこと・・・。
少し恥ずかしかったけれど、でも、何だか少し落ち着いてきた・・・。
 オモラシシナクテスムモノ・・・
早く元気になりたいよ・・・

「草取りに来てくれませんか?」

2006-09-01 | 日記
 9月に入って、急に涼しく感じ、「もう、秋?」
そんなふうに思える一日だった。
watasiも、家の中で留守番しているのに、とても過ごしやすかった。
この夏は、短かったけれど毎日暑かったからね。

 夏と言えば、syoujiさんの家の、庭の草取りのこと書いておかなければ・・・。
今でこそ、syoujiさんが機械で「ガー」って1、2時間できれいに片づけまでしてくれちゃうけれど、前はkeikoさんがほとんど手でやってたんだ・・・。
 
 「庭が草ぼうぼうで。草取りに来てくれませんか?」

 8年前、syoujiさんの手紙に、そう、書いてあった。
(でも、あの頃、みんなにも声かけ、していたのかな?)
すぐにその言葉に乗ってしまったkeikoさん・・・。
「裁判の事なんか全く分からないけれど、それくらいなら、私にも出来るかもしれない」って。
keikoさんにとっては、事実上の「プロポーズ」のように思えて、張り切っちゃったんだ・・・。

 初めて、syoujiさんの家に行ったとき・・・
そう、そう、それは手紙に書いてあったとおり、本当に草丈が30センチもある位大きく、わさわさと風になびくくらいの状態だった。
あの頃は、今ほど活動に時間が取られるというより、「自立?のために、まずは生活優先で平日はほとんど仕事、休日が活動」そんな生活だった。
だから、確かに庭の草取りなんかしていられなかったんだ。
 keikoさん、結婚する前から、月1回くらいだけど、せっせ、せっせと草取りのためだけに通っていたっけ・・・。

syoujiさん、言ったんだ。
「除草剤を使えばいいのかもしれないけれど、俺、使いたくないんだ」って。
こうも言ったっけ・・・
「お墓にも草は生やしたくないんだ。だから、毎月1回は、墓参りをするようにしよう!」って。
だもん!
keikoさん、頑張っちゃうよね。車のトランクには、いつも軍手と鎌が入っていて、いつでもお墓に行けるようになっているし・・・。

 ある年の夏のものすごく暑い日。
keikoさん、取っても、取っても間に合わないくらいの庭の草と朝から大格闘したんだ。
その日、syoujiさんは、東京へ行くことになっていて
「暑いから、1人で無理することないよ」って言ってくれたけど、できる日が限られているからって水分も取らずに頑張ったんだ。
立ちくらみを我慢しながら続けていたら、近所の奥さんに声をかけられ、めまいするのを口にできなくて世間話をやっとの思いでして、それから倒れるように家の中に入ったら呼吸もできなくなって・・・。
「熱中症だ!」って気付いて、何とか知ってる知識で対応したけれど、とても恐い思いをしたんだ。
 夜、帰ったsyoujiさんに話したけれど、あの「もしかしたら死ぬかも知れない」という恐怖感は伝わらなかった(ように思う・・・)
だけど、あれ以来、syoujiさんが「無理しなくていい」と言ってくれ、「機械でやればすぐだから」と、仕事の合間を見てやってくれるようになった。

 「keikoさんが恥ずかしい思いをしないように」(あまり利根町に来ないで草ぼうぼうにしていると思われては・・・の思いから?)
「俺が、きれいにやっといたから・・・」

 今は、そんな会話が二人の間で交わされている。
だけど・・・
keikoさん、syoujiさんの言葉は嬉しいけれど
自分も活動の時間が増え、利根町に行ける回数が減ったこと、「せめて草取りだけは・・・」の初心が続けられないのがなんとも淋しく
「いいよ」と、言われても
利根町に行った時は、できる限りお墓の掃除と庭に出て草取りを続けている・・・。

 syoujiさんもkeikoさんも年なんだから、もう少し「楽」を覚えてもいいんだけどね・・・。

 先日も、全国現地調査で、誰が急に自宅まで来てくれるか分からないからと、syoujiさんがきれいにやってくれて、今は本当にきれい!になっている・・・(みたい・・・)