A → Z : Xserve

モラモラ会社員がムラムラしながらお届けするヌルヌルアーカイブ。

おかんが「裏世界デュミナス」で危機一髪Xserve

2004-07-29 | ピコピコアーカイブ
朝から、会社で俺の年代モノのフェラーリ携帯(ガネーシャのホログラムシール付き)が、ブルブルしやがる。俺は――毎朝の定番作業と化している――ウイルスメールを宛先でソートし、アンニュイな気だるさを漂わせつつも、正確極まりないマウスさばきで「ごみ箱」という名の“マクー空間”へとせっせと葬っていた。

こんな時間に家から電話とは……?

俺は、一抹の不安をかき消すかのように、多少荒々しく電話口に「もしもし?」と告げた。

「う、裏世界デュミナスに行けない!」
「……え?」
「デュミナスに行けない!」
「まぁまぁ、少しおちついてよ、母さん」
「デュミナス! デュミナス……!!(←ものすごく顔面蒼白そうなアトモスファー)」

嗚咽とも悲鳴ともつかない叫びが、朝の気だるい鼓膜をつんざく。一抹の不安は、割れた液晶画面のように瞬時に広がり、俺の視覚野を覆い尽くす。聞けば、つまりはこういうことらしかった。

1.家で急にインターネットにつながらなくなった
2.ネットにつながらないと、オンラインゲーム「FFXI」が遊べない
3.「FFXI」が遊べないと、毎週水曜日午前11時の数十人の待ち合わせに行けない
4.待ち合わせに行けないと、「裏世界デュミナス」にみんなに置いていかれる

――と。
これは、もう、ホント、
一大事! 一大事! 一大事……じゃねえええええええええええええええよ!
こっちは仕事してんだ。ウイルスメールを必死こいて削除してンだ! 「裏世界デュミナス」なんぞに、毎週平和に行ってんじゃねええええよ。そもそも、大体が……ああっっッ、毎週気軽に行けるなんて、ちっとも「裏」じゃねぇジャン(ラムネもあるジャン)。絶対不可侵かつ神聖なる神の領域である「裏」というワーディングを、そんな韓国のMMORPGばりに安売りする「裏世界」なんて、俺は認めてねえええええんだよ!

とはいえ、ヴァナディール(=FFXI)を第2の故郷と心に決め、日々確かな足跡をデジタルの地平に遺し、バーチャル旦那までいる我が母上としては、のっぴきならない事件が――「24」ばりに――午前10時から午前11時にかけて、リアルタイムに進行中……なのであって。

「CATVに電話しなよ」
「やだ」
「いや、やだ、とかじゃなくて。11時に間に合わなくなるよ? みんなに置いてかれるよ?」
「……」

かくして母はCATVに電話し、インターネット担当を呼び出し、怒鳴りつけ、脅迫し、懐柔し、哀願し、見事11時に「裏世界デュミナス」への切符を掴んだのでした。

めでたし。めでたし。
あー、ほんと迷惑。
(オマケに某テストの〆切30分オーバーしたし)