<中国の第一4半期のGDPは増加か(注1)>
<中国と豪州は外交と経済分離関係維持か>
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2020年7月25日 / 08:09 / 10時間前更新
[香港 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - オーストラリアと中国は、両国の外交関係の緊張にもかかわらず、互いにずっと離れないでいる。
ブラジルの供給混乱や低調な世界需要で、両国は貿易面の相互依存関係をさらに強化。
英豪系BHPグループ(BHP.AX)(BHPB.L)や豪リオ・ティント(RIO.AX)(RIO.L)が、中国政府のインフラ経済対策から利益を上げるという構図になっている。
鉱業で世界最大のBHPが21日発表した鉄鋼生産の主要原料、鉄鉱石の4-6月期の生産量は、前期比で11%増えた。(注1)
BHPに対して、最大顧客たる中国からの需要が急拡大していることがうかがえる。
同社は、中国が新型コロナウイルス感染流行の第2波を回避できるなら、今年の中国の鉄鋼生産は増加するとみている。
他方、中国を除く世界の鉄鋼生産は減少率が「2桁」に及ぶ見通しとしている。
リオ・ティントも先週、同様の発表をした。ジェフリーズによると、中国は世界最大の鉄鋼生産国として、世界各地から輸出される鉄鉱石の約4分の3を買い付けている。その大半はオーストラリアからだという。
つまり、中国とオーストラリアの貿易の中心は、観光でもなく教育でもなく、実は鉱物なのだ。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、
中国は昨年、オーストラリアから鉄鉱石約6億6500万トンを輸入したが、これは中国の鉄鉱石輸入全体の3分の2近くを占める。オーストラリアの輸出業者が約790億豪ドル(556億米ドル)の利益を稼いだことも公式統計で確認できる。
オーストラリア政府と中国政府の外交関係はかつてないほど悪化しているにもかかわらず、両国のこうした相互依存関係は損なわれていない。
外交悪化を背景に中国政府はオーストラリア産の大麦を標的にした高関税を発表したし、自国民にオーストラリアへの旅行や留学には慎重になるように警告した。対するオーストラリアは、中国政府による香港国家安全維持法の施行を受け、香港との犯罪人引き渡し条約を停止した。
もう一つの世界的な鉱物輸出業者であるブラジルのバーレ(VALE3.SA)は、依然として、昨年のダム決壊事故や新型コロナの打撃から持ち直す途上にある。
このことが、BHPとリオ・ティントを中国にとって、一段となくてはならない存在にしている。
中国はオーストラリアへの依存を減らそうと、アフリカのような地域に投資しているが、成果が出るには何年もかかるだろう。
だから今のところ、とげとげしい両国の政治関係も、いわば地中に隠された宝のような経済的依存関係の実態を変えることはできない。
●背景となるニュース
*BHPグループは21日、4-6月期の鉄鉱石生産量が前期比11%増の6700万トンだったと発表した。
2021年度は2億7600万-2億8600万トンとする見通しを示した。これはUBSの予想である2億8750万トンを下回った。
https://jp.reuters.com/article/china-australia-breakingviews-idJPKCN24N0OG