<「日本における中国の影響力」と題する調査報告書登場秋元司・衆院議員首相補佐官の今井尚哉記者会見 説明責任果たすか>
<「日本における中国の影響力」と題する調査報告書登場首相補佐官の今井尚哉(たかや)氏説明責任果たすか>
<「日本における中国の影響力」と題する調査報告書登場二階俊博・自民党幹事長や公明党は説明責任果たすか>
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古森 義久のプロフィール
産経新聞ワシントン駐在客員特派員。1963年慶應義塾大学経済学部卒業後、毎日新聞入社。72年から南ベトナムのサイゴン特派員。75年サイゴン支局長。76年ワシントン特派員。81年米国カーネギー財団国際平和研究所上級研究員。83年毎日新聞東京本社政治部編集委員。87年毎日新聞を退社して産経新聞に入社。ロンドン支局長、ワシントン支局長、中国総局長、ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員などを経て、2013年から現職。2010年より国際教養大学客員教授を兼務。2015年より麗澤大学特別教授を兼務。『ODA幻想』『モンスターと化した韓国の奈落』『米中激突と日本の針路』『新型コロナウイルスが世界を滅ぼす』など著書多数。
2020.7.29(水)
米国有力研究機関が日本の対中政策形成の実態を調査
米国の有力研究機関が、日本の対中融和政策を推進する勢力についての調査報告書を作成した。7月下旬に公表されたこの報告書は、安倍晋三首相の対中姿勢に大きな影響を与えてきた人物として、首相補佐官の今井尚哉(たかや)氏の名を明記していた。また安倍首相の対中政策を親中方向に向かわせる存在として、二階俊博・自民党幹事長や公明党を挙げていた。
この報告書は政府の支援を得て作成された。米国が日本の対中政策形成にこうした強い関心を持つのは、トランプ政権の中国への対決が強まり、日本との対中共同歩調を期待するためだとみられる。
政府の支援のもと2年をかけて調査
ワシントンの有力シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は「日本における中国の影響力」と題する調査報告書を作成し、7月末に公表した。
日本の対中政策がどのように形成されるのかをテーマに、中国の統一戦線工作部などの諸機関が日本に対してどのように影響力を行使してどのような結果を得ているのかなどについて広範に調査した。
報告書は国務省の「グローバル関与センター」の支援を得て作成された。同センターはトランプ政権が新設した機関で、中国の対外的な影響力工作や政治宣伝への対応を任務としている。
約50ページの同報告書は、CSIS研究員やニューヨーク大学教授を歴任した国際政治学者のデビン・スチュワート氏が中心となり、日本、米国、中国などの専門家約40人への面接調査や広範な情報、資料を基に、約2年をかけて作成されたという。
二階氏への批判をにじませる
同報告書の「中国の日本でのシャープパワー・汚職」という章では、統合型リゾート(IR)開発事業をめぐる汚職事件で収賄罪で起訴された秋元司・衆院議員
<秋元 司(あきもと つかさ、1971年〈昭和46年〉10月23日 -49歳 )は、日本の政治家。衆議院議員(3期)。国土交通副大臣兼内閣府副大臣兼復興副大臣(第3次安倍第3次改造内閣・第4次安倍内閣)、防衛大臣政務官(第1次安倍改造内閣・福田康夫内閣)、衆議院内閣委員長、参議院議員(1期)、自民党内閣部会長等を歴任。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E5%85%83%E5%8F%B8 >
の中国側との関係などについて詳述していた。
報告書は、秋元被告に賄賂を渡したとされる中国企業「500ドットコム」は、中国政府が支援する「清華ユニグループ」「清華ホールディングス」、さらには清華大学と深いつながりがあったことを強調し、この汚職事件の背後に中国政府の影が広がっていることを示唆する。清華大学は習近平国家主席らの出身校として知られる。
同報告書はそのうえで、秋元被告が自民党の二階派所属だったことを指摘し、次のように述べていた。
・自民党の二階俊博幹事長
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二階 俊博(にかい としひろ[1]、1939年〈昭和14年〉2月17日 - 81歳。)とは、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(12期)。自由民主党幹事長(第48代)、志帥会会長(第6代)。
和歌山県議会議員(2期)、運輸政務次官(第2次海部内閣・細川内閣)、運輸大臣(第75代・第76代)、北海道開発庁長官(第69代・第70代)、保守党幹事長(第2代)、保守新党幹事長(初代)、自由民主党総務局長、経済産業大臣(第6代・第9代・第10代)、自由民主党国会対策委員長(第48代)、自由民主党総務会長(第46代・第53代)、自由民主党選挙対策局長(初代)、自由民主党国土強靭化推進本部長[2][3]などを歴任した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E9%9A%8E%E4%BF%8A%E5%8D%9A
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の名から二階派と呼ばれる自民党のこのパワフルな派閥は親中派である。同派閥は『二階・今井派』と呼ばれることもある。
・首相補佐官で経済産業省出身の今井尚哉氏は、中国や中国のインフラプロジェクト(「一帯一路」やアジアインフラ投資銀行)に対する姿勢をより融和的にするよう、安倍首相に説得してきた。
同報告書の認識によると、安倍首相の対中政策に関して今井氏は二階氏と同等ともいえる影響力を有している。今井氏の安倍首相への「説得」についても、「すでに説得した」という意味の完了形の英語を使っていた。米国の学術機関が、他国政府の対外政策を調査するなかで、政治指導者や閣僚ではなく、本来は裏方である補佐官の個人名を挙げてその影響力を指摘することは珍しい。米国側はそれだけ今井氏の役割に強い関心を持っているということだろう。