様々な分野でグローバルに活躍する「普通の人々」が体験を語り、次世代の普通の人々のお役に立てればと思っているサイトです。

日本在住歴約40年のRon McFarlandと外資系勤務が長い齋藤信幸が、それぞれの海外体験を語ります。

グローバル中小企業の人材育成の取り組み‐マスダック

2017-02-16 06:39:51 | グローバル人材育成
【事業内容】
 1957年創業。製菓機械の開発・製造・販売、菓子の研究開発・製造・販売を行う埼玉県の企業。特に「どら焼」の製造設備では高いシェアを持っている。もうひとつの事業である食品事業部では「東京ばな奈」などの製造も行っている。

【海外展開の歴史と現状】
 海外売上比率は10~20%。オランダのアムステルダムに販売、製造の拠点がある。
 1990年代から当時営業を統括していた現社長が海外市場の開拓を自ら行った。2002年に業界団体の勧めもあって欧州の展示会に出品し、全自動どら焼機が好評を博した。2003年にはドイツの展示会「iba2003」に単独で出展し、再度、高い評価を得る。そして、2004年欧米への販売拠点となるマスダックヨーロッパを設立し、製造拠点も開拓。社員は現地化されており、部品の調達は東ヨーロッパなど、現地サプライチェーンも構築されている。また、アジアへも進出し、日本の菓子文化と生産技術の発信に努め、現在に至っている。ここまでが、同社のグローバル化のフェーズⅠである。
 そしてフェーズⅡでは、社内のグローバル化を図るべく、昨年から積極的に外国籍社員の採用活動を行っている。現在、技術系留学生を2名、営業2名を採用している。彼らが職場に入ることにより、日本人社員が異文化を学び、多様性を身に付けることが期待されている。また、成長するアジア市場向け装置の開発と販売を強化する狙いもある。
 フェーズⅢは、昨年採用した外国籍社員が中堅社員となる10~20年後で、主要な国には拠点ができ、グローバル人材は拠点間を移動する、完全なグローバル化である。
製菓機械で世界のトップを目指す同社のグローバル化のステップは見えている。

【人材育成】
 社長自らが欧米・アジアで海外営業を経験し、日本人に何ができて、何ができないか、現地人に任せるべきことは何か等が整理・分析され、会社の体制となっている。1990年代には技術者は海外に行くことを躊躇したが、現在は海外出張に対するアレルギーはなくなっているとのこと。
 さらに国内社員のグローバルマインドを醸成するために外国籍社員を採用し、異文化摩擦を経験し、それを解決・共有化することを目指している。多様性の受容という観点では、同社は理系女子の採用も積極的に行っている。

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