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日本在住歴約40年のRon McFarlandと外資系勤務が長い齋藤信幸が、それぞれの海外体験を語ります。

グローバル化している日本企業の研修

2013-03-08 01:16:37 | グローバル人材育成
多くの日本企業はすでにグローバル化しており、そのため各種の海外出張・赴任のための研修を行っている。その主なものは、英会話・ビジネス英語などの語学研修、具体的な目標としてのTOEICの730点などで達成である。赴任前には、語学力のブラシアップとともに、赴任先の文化・商習慣に関する基礎、労務に関する法律、セクシャルハラスメント研修、プレゼンテーションスキルアップなどを行う。さらに、赴任先では生活に必要な情報提供(住宅の探し方、日本食レストラン、銀行口座の開設方法、ドライバーやメイドの雇用方法など)や赴任先事業所の組織等について短期間の研修が行われる。

これらの研修は基礎力・基礎知識としては有用である。しかし、実際に現地で仕事を始めると仕事の取り組み方等で現地人の上司や部下にちょっとした違和感を持つようになる。これまでの日本人同士ならごく当たり前であった物事の捉え方や判断基準が共有化できないのだ。これは海外の赴任先にとどまらない。外国人の社員が増えている日本国内の職場でも起きつつある。そしてある人は、「外国人はやはり変わっている」と嘆くも解決するわけでもなく、また、ある人は「どうしたら理解してもらえるのか」と真剣に悩む。「だからxxx人は嫌いだ」との暴言も聞こえてくる。

英語力や当該国の文化や商習慣、法律といった知識に加えて、違和感の原因を知り解決することが必要になる。一つは自分の価値観や判断基準の源になっている日本人としてのアイデンティティである。そしてもう一つは、何故、相手がそのような行動をするのか、その背景の理解である。難しいことではない。気配りの効く日本人は、相手の気持ち・立場を察して行動することは得意である。ただ、相手が外国人の場合は、相手の立場を理解するための知識・経験を持ち合わせていないか、不足している場合が多いのである。

以前、海外で仕事をする場合、その成果は、

OUTPUT  = 仕事 × 英語力

といわれていた。しかし、グローバル化が進み、人との関わりが深化し、ビジネスも複雑化する現在、これだけでは不十分で新たなスキル「グローバルリーダー・スキル」が必要になった。したがって、海外での仕事の成果は、

 OUTPUT = 仕事 × 英語力 × グローバルリーダー・スキル

と表される。

 国内外のビジネスの現場でその能力を最大限に発揮し、このOUTPUTを最大化できるグローバルリーダーのスキルにはどのような要素が必要か次回から見ていくことにする。
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