リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

元号を愚考する

2019-02-24 22:17:43 | 日記
5月1日から新しい年号になります。
新しい元号の時代は、平和でおだやかであってほしいものです。

平成は「内平外成」、「地平かに天成る」の願いを込めて決まったよう
で、漢籍の史記と書経からの出典らしい。
そでもその平成年間は残念ながら、その願いとは裏腹に激動の時代だっ
た。
わずか30年間に阪神淡路と東日本の2度の大震災、相次ぐ猛烈な台風と
豪雨禍。
オウム真理教による、世界を震撼させた化学テロ地下鉄サリン事件…
多くの人命が奪われ、生活基盤が破壊された。
「地平かに、天成る」とはほど遠い、呪われた30年間の面が色濃い。

改元を目前にして、元号について愚考した。
年号は日本独特の制度で、飛鳥時代の西暦645年の「大化」以来、平成
まで244もの年号を経ている(調べたオレも暇だなあ)。
地震や疫病など大きな厄災があれば、わずか2か月で改元されたこともあっ
たが、明治以降は「一世一元」。
天皇の在位中は元号は変えないという勅を発布して、明治、大正、昭和、平
成と続いてきた。
今回初めて譲位による改元になるが、それ以前は崩御による改元だった。

新しい元号はどんな名前になるだろう。
ソニー生命が行ったアンケートでは一番多かったのは平和で、続いて和平、
安久、未来、自由、新生が上位を占めている。
でもローマ字表で明治のM、大正のT、昭和のS、平成のHとダブル元号は避け
るとか。
そうなると「平和」「未来」「新生」はまずアウト。

有識者による選定作業は続けられているだろうけど、国と国民の平穏を願う
ネーミングを期待したい。
同時に新元号はこれまでのような漢籍(中国人によって書かれた漢文形態の書
物)からじゃなくて、ぜひ日本人によって書かれた書物から採用してほしいも
のだ。
中国が古代から中世日本のお手本だった時代はとにかく、もうそんな「呪縛」
から解放されるべき時だ。
一部政治家や学者から「ぜひ日本人の書物から」という声もあるようだが…

元号など不要、という人もいる。
しかし「一世一元」制度は世界に例を見ない貴重な文化遺産、廃止すべきだは
ない。
世界共通の西暦は確かに便利だけど、時代の「色」は感じられない。
維新と世界に窓を開いた「明治」、ロマンと束の間の自由を謳歌した「大正」、
戦争と戦後躍進の「昭和」…明治~昭和の近代だけでも、これだけ歴史の色彩・
臭いを感じ取ることができる。
平成はどんな時代色になるのだろうか。

元号…日本の「歴史」も見えてきて、とても味のある制度だね。


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