福島原発事故メディア・ウォッチ

福島原発事故のメディアによる報道を検証します。

この表現は私たちの意識にただちに影響するレベルです

2011-03-26 17:25:11 | テレビ
3月26日12時のNHK総合ニュースで福島県とその周辺の放射線レベルの測定結果数値が報道された。地図上の観測点の都市に数値を貼りつけてアナウンサーが数値を読む。福島・郡山では「通常値より高いレベル」。より南の観測点で数値が「やや高いレベル」のところでは、数値を読まない。そしてどの場合にも「通常値」を言わない。

さらに、お決まりの「健康に影響の出るレベルではない」が続いたが、ここにお決まりであったはずの「ただちに」が消えていた。13時のニュースでは「ただちに」が復活した部分があったが、これは取材先のことばの引用。NHKは「ただちに」をやめることにしたらしい。わずらわしいですから・・・ですかね。

3月22日のみのもんたの「朝ズバ」(TBS)でも、オリンピックメダリスト三屋裕子氏がこの「ただちに」がおきらいだと言っていた。「ことば尻をとらえるわけではないですけど」と、体育会系さわやかインテリタレントですから、あくまでお上品です。「もっとストンと落とせる」表現がいいと、三屋氏はおっしゃいます。「健康に影響は出ない」といえば、なるほどすっきりと決ります。巧妙なフェイントを相手コートの真ん中に「ストンと落とす」ように。

そして「高い」あるいは「やや高い」とはいえ「健康に影響ない」ということで、それなら今日は出かけようか、と、まるで花粉情報や降雨確率を聞いているかのように放射線被害は日常化します。福島原発の現状は緊急事態で軍事国家なら戒厳令レベルだと表現した友人がいますが、それがこんな陳腐化戦略で希釈化されます。いつか、私たちの健康状態がどこかの統計数値の一つとなるまで・・・。



最新の画像もっと見る