このところ女流作家の読書が続いています。
意識的にやっている訳ではないのですが、、気になるタイトル、読み遅れ(?)、現代の有名作品、ナウい作家(誤解がなければ)など選んでいたら、
こうなってしまいました。
同姓の作家に対しては、ある程度自分の中で、位置づけが出来ているから、
今のところ、読む機会が少ないのかも知れません。
根底には、女流作品に興味がある、というのが、本音だと思います。今週は
俵万智氏の「サラダ記念日」を読んでみました。
最初の短歌には正直、びっくりしました。イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」が使われていたからです。
とっかかりの短歌はある程度選んでいるんでしょうか?
思いがけない冒頭でした。
この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「ホテル・カリフォルニア」
恋人がイーグルスを好きなんでしょうね。
俵さんご自身はサザンオールスターズが好きなんですね。
何点か、サザンを入れた短歌がありました。
後は恋愛の歌が多かったです。(当たり前かもしれませんが)
君--という表現が多かったですね。
読みやすく、中には、釘付けになるフレーズもあり、楽しく読めました。この作家の
「チョコレート革命」もすんなり読めそうな予感です。
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続いて読んだのが、村上由佳氏の「へウ"ンリーブルー」でした。
これは甘すぎました。
この恋愛の世界は。
4人の男女の織りなす世界は、私のようなおじさんには、用なしの世界でしょうね。
「サラダ記念日」よりも、もっと甘かったです。
私の方が、読む選択を誤ったみたいな気がしました。
ただ、内容にはrealityがあり、少し考えさせられました。
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そして昨日読んだのが、寺山修司氏の「寺山修司少女詩集」でした。
少し前のこの本の文庫の表紙です。
そして下の表紙が昨日買った文庫のものです。
表紙だけでも満足できそうです。
以前、読んだことのある詩もあり、カルメンマキの歌った「時には母のない子のように」の詩も入っていて、バラエティに富んだ詩集でした。
全体的に寺山修司氏の 海とか、涙とかに対しての思い入れ、こだわりが目につきました。
ずばりずばりと書かれた様な、最初の、海の章の中の様々の詩は、この詩集の中では、私は一番心に残った箇所です。冒頭の詩はこうです。
----- 一ばんみじかい抒情詩 -----
なみだは
にんげんのつくることのできる
いちばん小さな
海です
冒頭のこの詩を含めて30ページくらいの 海 は この詩集のメインでしょうか?
それから、
あなたの
一本の黒髪が
地平線になりました
で始まる 愛 は読み応えが私にはあった箇所です。
一番最後の章は 時には母のない子のように でした。
最初のはじまりはこうです。
------ 半分愛して -------
半分愛してください
のこりの半分で
だまって海を見ていたいのです
半分愛してください
のこりの半分で
人生を考えてみたいのです
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カルメンマキさんの歌った「時には母のない子のように」の詩も
この最終章に入ってます。寺山修司氏の作詞であったことをすっかり忘れていました。
寺山修司氏の短歌を出来ればまとめて次は読みたいです。
映像で与えられた素材より「読む」ことのほうがはるかに世界が広がると信じている所以です。俳句の17文字で表す世界はさらにレベルが高すぎてちょっととっつきにくい気がします。
ひと頃朝日新聞の歌壇を毎週ノートに貼りつけていて、表現の仕方を修行していました。私が生み出した数編の短歌は、ひっそりとノートの中に眠っています。思い出です。
高校の時石川啄木が好きで、家でもいつも言っていたら、誕生日に中学生だった妹が文庫本の石川啄木歌集をプレゼントしてくれました。当時200円そこそこの本でしたが私にとっては今でも一番の贈り物として心に残っているものです。
我が家の本棚にもある見覚えのある表紙ばかりですが、ここ十年程は読むことも書くこともなく過ごしていたので新鮮です。
こんな新しい表紙になっているのですね。
短歌もそうですが、昔愛読していたやなせたかし先生編集(アンパンマンの)の「詩とメルヘン」の中の投稿詩で「ほんの3行詩」というのやら、これまたどこかの投稿で5行詩なるものがありまして、よく投稿しました(これも佳作どまりで。。)3行詩には、やなせ先生が挿絵とちょこっと書いてくださるのが嬉しくてよく投稿してたま~に載せてもらいました。
短歌や短い詩は、言葉のパズルのようで読んでいても書いていても楽しいです
どちらにしても、日本人は短歌とか俳句とか、少ない枠の中に思いを閉じ込めるのが、好きですね。
啄木ですか---。
どんどん文学の世界は広がっていきますね。
ジョンレノンは松尾芭蕉の短歌に触発され、Across the universe を作ったということです。思えばあの歌の歌詞もややこしい感じでしたね。
本当だとすれば、目の付け所が、天才かと思います。
一冊の歌集、詩集が宝ものになりうる可能性は十分にありますね。その中にある31文字、17文字はそう簡単には書けませんからね。
TSエリオットという詩人には、4行詩というものがありましたね。(確か?)。そう思えば、詩人、歌人の、創作への情熱、こだわりはどこの国もすごいですね。
覚えてますよ、大きな雑誌で、やなせたかし氏の編集だったのですね。今の時代ではちょっと、受け入られにくいような雑誌なんでしょうね。(廃版になっていなかったらごめんなさい)
かわいいイラストと詩をコーヒーカップに刷り込んだものなどは、定番ですね。
一昔二昔前は詩の雑誌がかなりありましたよね。でも今は本当に見かけません。寂しいですね。携帯文化のしわ寄せでしょうか?
詩を投稿するにも、いい場所がないと思いませんか?
日本文学の古典の文庫の表紙も、人目をひくナウいものになってますが、裏を返せば、売れないのでしょうね。
3行詩、5行詩、短歌etc,小さな枠の中で、言葉が作り出す空間を感じ取ることは楽しいことですね。