防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

国土交通省の「コスト縮減の知恵」というWEBページ

2010年04月15日 | Design with Nature

いさぼうネットから、上記のwebサイトがあるとの知らせがありました。

国土交通省 コスト縮減の知恵袋
http://www.mlit.go.jp/tec/chiebukuro/index.html

なかなか楽しいサイトです。私がよくかかわっていた砂防を検索してみても、

総合的な土砂管理のため、土砂の流れを妨げない砂防えん堤の設置
環境と調和した砂防施設

など、興味深い記事が並んでいました。
でも、総合的な土砂管理、環境と調和した、、云々は、本来の土砂の動きの身になって考えてみたら、より本質に近づいただけなんですけどね

本当のコスト縮減は、、、言わないことにしましょう。


絵図も公開される時代

2010年04月14日 | 災害の記憶と想像力
山梨県身延山にある七面山には大崩壊地があって、安政年間の地震によって崩壊したのではないかといわれていましたが、最近になってそれ以前から崩壊地として存在していた事が絵図の検証によって明らかにされました。

http://www4.ocn.ne.jp/~onagai/album2.html

現在は絵図もスキャンされて公開されるようになりました。
http://www.d1.dion.ne.jp/~s_minaga/sos_minobusan.htm

数値化できないものに価値を見出さない人もいますが、貴重な資料です

資格をとろうぜ

2010年04月13日 | 資格に関すること
昨日社内で、個人々々の今年度の目標についてざっくばらんに話し合いました。まず、会社全体としてどんな技術を開発するか、どんな仕事をととってこようかといった話から始まって、誰がどの学会でどんな論文うを執筆するか、、論文を書くなら仕事の出ないGWぐらいまでだぞ、、といったことなど、、

そして、資格をもっと果敢にとっていこうということになりました。技術士、技術士補、地質調査技士、一級土木施工管理技士、、、第二土曜日を中心に、模擬(創作)経験論文、実地試験論文を書いてこようと、、、

、、っとその前に、現場経験を増やす事がもっとも勉強になるだろうということになって、来週早速一般廃棄物処分場の地質調査社内巡検を行うことになりました。これだと、さきに書いた資格のもろもろが一気に勉強できるというわけです。頭で覚えたことすぐ忘れる(かく言うわたしも、いま地すべり防止工事士の問題をスムーズに解けるがどうか)ので、興味を持って高ぶった心と体で覚えたことは忘れませんからね。

それと、論文ですが、二重山稜の発達する山地の崩壊変遷と地形変化予測といったテーマでいこうと思ってます。最もベーシックな空中写真判読と地表・地質踏査だけではありますが、この実力が直接試されるような資格ってないでしょうかねえ。あれば、みんなPCの前に座らず、現場思考になるかも!?

科学的根拠と合意形成に基づいた社会基盤整備の推進 - 地盤工学会誌の記事から -

2010年04月12日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題

今日、地盤工学会誌の最新号が届いておりました。そのなかに、緊急提言として

提言1 科学的根拠と合意形成に基づいた社会基盤整備の推進
提言2 地球温暖化対策への建設分野からの具体的取り組み

という記事がありました。
まず、ひとつめは「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズの真意の是非を問うものでした。記事によると人間重視の社会基盤整備、国民目線の社会基盤整備と理解しているとのこと、もうひとつでは、建設分野のCO2排出量は日本の総CO2排出量の20%を占めているため、なんとかしようとのこと、、、

地質科学的な根拠はどれだけ検討されているのか、、、、、


大規模水害対策に関する専門調査会報告 首都圏水没 -土地の歴史はどこへ行った?

2010年04月10日 | Design with Nature
内閣府のサイトに大規模水害対策にの関する専門調査会の資料が公表されておりました。

大規模水害に関する専門調査会 首都圏水没
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/suigai/100402/100402_shiryo_1.pdf

まず、温暖化による海面上昇60cmが”検討の背景”としてあげられていますが、正直???だし、報告書のなかにもあまりでてきません。地球は温暖化しているんだぞというムードをあおる、あまり根拠がない感じがします。賛否両論あるでしょうけど、、、

私が最も気になったのは、「利根川・荒川の類型区分図」です。
いうまでもなく、平野は洪水の繰り返しによってできた地形です。そして、洪水は堤防が切れる「外水」、河川に排水されずに街中に水がたまる「内水」とがあります。江戸時代以前は、関東地方の主要な河川は、東京湾をめがけて流れていて、埼玉県の中川流域の低湿地帯を形成しました。、、が、、この図には入っていません。”堤防が必要ですよ”ということをアピールしたいためでしょうか

私は、このあたりの低地を空中写真判読してことがあるので、堤防が決壊してできた”押堀(おっぽり”という地形があったり、自然堤防、旧河道など、地形量の数値だけはわからない、”質的な側面””土地の歴史の痕跡”から、洪水の受けやすい土地を推定するという研究をてつだったことがあります。防災を語るには地質学だけではなく、歴史資料を猟補することも大事で、学際的な見方が必要になります。

この報告は、どうも手段が目的化しているような印象がいなめません。

「斜面」とは専門用語

2010年04月09日 | 防災・環境のコンセプト

私が連載している雑誌の編集者の方から「斜面という言葉は専門用語なので、一般の人に書籍を売るのは難しいのではないか」という指摘を受けました。びっくりしました。ちなみにウイキペデイアによると、

斜面とは水平面に対して、垂直以外のある角度をもって設定された平滑な表面のことである。

と定義されていて、モノを運搬する立場からの記述がなされていました。私が問題としている斜面は、万華鏡のように様々な表情を見せるものだとおもっていますので”平滑な表面”という表現にちょっと違和感を感じます。一般的には”坂”なんでしょうけど、偏土圧がかかっていることによって災害のポテンシャルが高まっていること、を伝えるには、いろいろ考えることが多そうです。


ときどき忘れそうな日本語(2)

2010年04月08日 | 雑感
盛土の補強土工法に、テールアルメやジオテキスタイル工法といったものがあります。時々日本語でなっていうのだったか?と思う事があります。

・テールアルメ(帯鋼補強土壁)
 垂直盛土であるため用地が最小限ですむ。1963年にフランスの技術者によって考案された補強土壁で、土と補強材で構成され粘着力のない砂で出来た盛土の中に補強材を順次層状に埋め込むと、これが粘着力を発揮する。壁面が倒れないように、盛土奥に向かって締め固める。振動ローラやタイヤローラで締め固めるのが効果的

・ジオテキスタイル
 ジオテキスタイルとは英語の「大地」または「土地」に関する技術を意味するGeotechnicsと織物のTextileを組み合わせて作られた造語であり、我が国では「土木(用途の)安定繊維材」という呼称がありますが、ここ数年の間にジオテキスタイルという用語が一般的に用いられるようになっています。

 のだそうです。

時々わすれそうな日本語

2010年04月07日 | 資格に関すること
軟弱地盤の対策工法に横文字が多いこと、、、1級土木施行管理技士の問題

・サンドドレーン工法(砂柱、砂杭)
 透水性の小さい粘土質地盤に砂杭による排水路を設置し、水平方向への排水距離を短縮させ(軟弱地盤の間隙比・隙間を減少させ)圧密を促進させ、強度を増加させる

・ペーパードレーン工法
  ペーパードレーンによる土質安定処理は、シルト・粘土などのような弱い土粒子・大きな間隙があり、間隙水で飽和しやすい地盤に使う。穴空きの軟弱地盤に打ち込む。施工が容易で地盤の乱れも少ない。

・バイブロフローテーション工法
 振動噴射機をつかって砂質(粘土質ではなく)地盤、振動と注水の効果によって地盤を締め固める

・サンドコンパクションパイル(SCP)工法
 直径40cほどの鋼菅(ケーシング)を頭部につけたハンマーの打撃によって、地中に貫入させ、所定の深さに達したら、ケーシング内に砂を補給する。軟弱な地盤に施工する場合、地盤の乱れや騒音・振動が発生する恐れがある。

いさぼう工法ニュース 「ノンフレーム工法」

2010年04月06日 | 技術動向
昨日法面緑化に関する記事をUPしたばかりですが、今日になって”いさぼう工法ニュース”のメールが届き、ノンフレーム工法の案内がありました。

http://isabou.net/index.asp?jump=/sponsor/non-frame/index.asp

設計担当者へのインタビュー記事もありました。

急傾斜地崩壊危険箇所において、家も密集していて大型重機が入れない。しかも景観形成重要エリアに指定されているので樹木の伐採はできない。そこで、建設残土処理も伴わない、生態系も乱さない(このためCO2削減にも貢献)というロックボルトを主体とした工法です。

急傾斜地と言えば法枠か擁壁が代名詞、といった表現もありました。

関連する書籍で【生態学的な斜面・のり面工法-これからの緑化手法】2006年(ああ、今はなき山海堂)がありますが、182ページに【植生の生物工学的能力】という表現があって、

植生は、その地域で自然淘汰されながら、厳しい環境のなかで生存してきた個別の能力を持っている。その生物工学的能力は、外力や外敵に対して植生を保護し、土中に強力にその根をはり巡らす結果、地盤の引っ張りに対する抵抗力を増大させ、さらに植生周辺において荷重分散と伝達作用が働き、安定な構造効果を発揮する・また、植物の持つ再生能力と増殖能力にも注目しておく必要がある

と述べられています。”利”にかなった”事業”のためではなく、”理”にかない自然の気持ちにたった説明で、理解しやすい文章です。

建設環境

2010年04月05日 | 防災・環境のコンセプト

今日はある道路工事現場の斜面調査に行ってきました。結構大規模な工事には大なり小なり反対運動がつき物です。今回の現場は、斜面を緑化することが道路建設合意の大きな要因となったと聞きました。

そこで「技術士をめざして 建設環境」に目を通してみたのですが(はよ資格とれ!?という声があちこちから聞こえますが、、大汗)道路整備における自然環境の保全という節のなかに、「既存種等による植栽」という項目があり

---------------------------------------------------------------------------------------------------------
道路建設に当たっては、地形改変や植生の破壊を起こさない設計、工法をとることが望ましいが、やむを得ず法面となった部分は、既存植生の構成種からなり、その植生に類似した断面構造を有する植栽を行うことが望ましい

現存の土壌は生物多様性があるため、現地盤を改変する場合には、その表土を保存しておき、建設後の法面表層に用いることが望ましい
---------------------------------------------------------------------------------------------------------
といったことが述べられています。しかし、その一方で、実際の効果について検証されていないことが課題として挙げられていました。

話変わって、今年度末砂防の仕事で、過去の災害時の山地崩壊の状況を見直すという仕事をそれこそ寝る間を削ってやっていたのですが、深さ1m以下の表層崩壊は、植生の被覆状態によって雲泥の差があります。それとこれとはスケールが違いますが、植生の根系による杭効果、水を吸い上げる効果、落葉によって雨水の衝撃を和らげる効果などを確かめる、気長な実験的研究をやってみたいものです。一定の土質定数とDMの都合によりワンクリックで決められる斜面調査など空ろです。

※もうひとついうなれば、建設環境にも地形発達史的背景、地質構造など、生態系の基盤となる場所の特性も調査すべきである(岩級区分と植生の根付き方にも相関があるように思えます)といった視点を加えてほしいものですが、、、その前に技術士とらねば、、、、、、、、、、


117年前の講演 - 滝大吉氏の講演-

2010年04月04日 | 防災・環境のコンセプト

先日下山先生との情報交換で、「滝大吉」氏の文献に興味を持ち、論文情報ナビゲータCINIIで調べてみました。そしたら、22件の文献が抽出されました。全て「建築雑誌」に掲載された論文で、PDFにされていました。こういったところは、この10年進んだところで、とても便利になりました。

CINIIで「滝大吉」で検索
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000005433510/?sortorder=1&count=20&start=1

論文はいずれも古い文体で記述されているので、読むのに結構骨ですが、耐震構造という講演記事のなかに、”地質”という説がありました。

演説「耐震構造」
http://ci.nii.ac.jp/els/110003787659.pdf?id=ART0004819853&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1270340321&cp=

読んでみると、土地の性質は一律、均一ではないため、建築物の重量をはじめとして留意すべきであるといったようなことが述べられています。

このようなことは、現在地質ではなく”土質”として分類されてしまっており、斜面に関してははPCのなかで一律、均一に評価をされることもあります。至極真っ当なことが、117年前から現在まで変わらず”主張すべきこと”になっています。


萬屋主義 - 下山先生のブログから

2010年04月03日 | 技術動向
webを通じて情報発信をしていると、とても良質で含蓄に富むことを教えていただけることがあります。このたび下山先生のブログの記事にコメントを寄せたところ、”萬屋主義の排斥”が技術の低迷を招いているとのコメントを頂きました。

ここで、萬屋主義という耳慣れない言葉が出てきましたので調べたところ、やはり下山先生のブログで、

-------------------------------------------------------------------------------------
かつては、「何かをする人」なら皆(農業であれ、商業であれ、工業:ものをつくること:であれ・・)、その「何か」にかかわることなら、多かれ少なかれ、何についてでも関心をもち、知り、学ぶのがあたりまえだった。
 たとえば、近世初頭までに、すでに、建築を含め各種の工作技術は多様な展開・進展を見せているが、これは決して指導者・学者がいて先導・指導したものではなく、また、時の政府が法律などで差配・誘導したものでもない。
 その成果は、すべて、「何かをする人」たち自身の日常的な営みの継続の結果であった、と言って過言ではない。

 人びとのこのようなあたりまえの営みを、「萬屋(よろずや)主義」として排斥につとめた人物がいる。福沢諭吉である。
 福沢は、一般に、日本の「近代」創生の重要人物として賞賛されるが、同時に「現代の停滞」の因をつくった人物でもある、と私は思う。
 彼は著書「学問のすすめ」で、西欧の文物に学ぶために、「一科一学」を説いた。江戸時代までのような「萬屋主義」では、西欧文物の会得には時間がかかる、手分けして学べ、というのである。「科」の字は、「分ける」「分類」の意。植物の○○科、学校の「教科」の「科」である。
--------------------------------------------------------------------------------------
という文章がありました。

思うに萬屋主義とは、高い志があれば自ずとそうなりやすいのではないかと思います。スペシャリストにもよいのですが、それが社会にどのように貢献するか、という志です。私の分野でいえば、事業のための防災事業、パソコンの都合に自然観を合わせるといったようなことがはびこっています。本当に地域住民の方にとって必要な、理にかなった、親身の防災調査・対策とはなんなのか、本質・原点を常に念頭に置くべきだと思うのです。そうすれば土地の歴史、水理、地質構造、などなど、自ずと”萬屋主義”になっていきます。

目指す役職は”興味なし”

2010年04月02日 | 雑感

新入社員:目指す役職は?…「興味なし」が男性で初の首位
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100326k0000m040040000c.html?inb=yt
明治安田生命保険が25日まとめた新入社員対象のアンケートで、将来目指す役職を聞いたところ、男性の28%が「役職には興味がない」と答え、初めてトップになった。厳しい就職環境や先行き不安から、就職先を選んだ理由も「会社の安定性」が2年連続でトップだった。

 「役職には興味がない」は、女性も65%に上った。自身のタイプを診断すると、職場の人間関係を重視して自分の考えを修正する「平和主義」が55%。成功のためにとことん頑張る「成功主義」は22%、自分の理想を貫き上司の反対にも対抗する「理想主義」は6%にとどまり、苦労して入った会社にスムーズに溶け込みたいという意識が強いようだ。「一生同じ会社に勤めたい」割合は52%と過半数に達した。

専門職という役職があるかどうかはわかりませんが、人命・財産を災害から守る、地学を国民的関心事にするといった野望を持つ人が少なくなったのは感じます。


ホームページ更新

2010年04月01日 | Design with Nature
季節も新しくなったところで、自社のホームページを更新しました。ホームページビルダーを使っているにしては情報が多すぎるのか、ちょこまかとした”あら”は目立ちますが、あとで修正するとしてまあよしとしましょう。情報の受けてが心地よく、ビジネスとして広がっていけばよいと思っています。

そして社内でも、いつでもHot infomationを更新できるように、知的生産ができるようにしていこうとはなしあいました。例えば、避難所となっている公園が実は斜面崩壊と隣り合わせだったり、岩盤クリープの発達史であったり、都市災害の変遷史であったり、地下水汚染の問題であったり、会社の名前負けしないよう二ということです。