防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

デザインの付加価値

2009年04月15日 | 技術動向
先日私が勤める会社に、「地質断面のデザインがわかりやすくて抜群にいい。それをつくったアプリーケーションやデザイン素材を送信してくれないか」という問い合わせがあったそうです。べつに特許をとっているわけでもないので、渡しても支障はないし信頼できる取引先なのですが、付加価値のあるものなのでちょっと無理ですといいました。プレゼンテーションも、もっと圧倒できるものにしないといけませんね。

全面露頭

2009年04月14日 | 維持管理の時代

これは静岡県のある山地でみつけた全面露頭です。
褶曲構造が見事です。
もちろん私たち地質技術者は、”オオッ”と声を上げて足を止めました。

道路工事の切土ほど、よい露頭を提供してくれるものはありません。これほど地層をひん曲げる自然のパワーには恐れおののくばかりです。まわりには地すべり地形がたくさんありますが、これをみれば納得です。x残念なのは、大規模な土木構造物を造成される際、こういうことはほとんど気にかけられず、直線を作っていきます。

これからの維持管理の大変さ、地すべり、法面の崩壊、ちょくちょくおこるはずです。


子供手当て

2009年04月13日 | 雑感

追加経済対策として、与党も野党も子供手当てなるものを画策しているようです。私はまだ子供はいませんが、いずれもあまり感心しません。

働くもの食うべからずという言葉があるとおり、お金は頑張って働いて稼ぐものだということを認識させないといけません。

やすくするんであれば、大学の自然科学系の授業料でしょうか。自然科学の発展なしに、防災も産業の発展もありえず、景気も浮揚しないと思うのですが。


住宅ジャーナル

2009年04月12日 | 技術動向
住宅ジャーナルに文章を投稿しているのですが、もっとはっきり物腰強くてもいいですよと編集者に言われました。学会論文と違って、論理ではなく読者の気持ちになってレフェリーを受けることは貴重な体験です。なんといってもいくばくかのお金を頂いて文章を書くのもはじめてなので、いろいろ勉強になります。

経済効果2000億円の裏側

2009年04月11日 | 各地でのTOPICS
神奈川への経済波及効果は年間2000億円/神奈川口構想で県が試算
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivapr0904192/

 県は八日、羽田空港が再拡張・国際化され、神奈川口構想が実現した場合、物流、観光などを中心に県全体で年間約二千億円の経済波及効果があるとの試算を発表した。国際航空貨物の流通が県内で年間十一万トン、国内外からの観光客が年間百十四万人増加する見通し。県は神奈川口など京浜臨海部への産業集積によるメリットを強調して企業誘致などを進め、構想の早期実現につなげたい考えだ。

軟弱地盤の一極集中、新旧、既存不適格も入り乱れ。。。

ニューハウジングジャーナル

2009年04月10日 | 技術動向
http://socks-center.xsrv.jp/enkaku.html

2006年の「住生活基本法」の制定により、住宅業界のおける憲法ともいえる法制度が整備され、今年から超長期優良住宅(200年住宅)の先導的モデル事業の採択が継続的に進むなど、これまでの「質より量の住まい」の時代から「量より質の住宅」の時代へと目まぐるしい勢いでシフトチェンジしています。
 弊社における新事業のスタードも、こうした時代の流れを受けて、業界誘導のためのマスプロモーション中心の時代から、成熟を深める市場の中で良質な情報を選択する時代へと転換する、ちょうど節目の時期にあたります。
 業界誌の役割も近年では大きく変わりました。かつては各種産業をリードするための旗印的な役割だった業界誌は、日本の産業の成熟化とIT革命による情報発信形態の変化によって情報に対する意識が高まり、これまで以上に「本物志向」の情報提供が求められています。特に住宅建築に対するより科学的な目が向けられる中、メーカーとユーザーの相互理解が今よりも必要になっている時代はないと言っても過言ではないでしょう。ここに新しい時代のビジネスチャンスが開かれています。


さあ、防災です。

嗚呼・・地盤工学会誌

2009年04月09日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題

地盤工学会誌が地球温暖化特集を組んでいました。最初の論文を読んだら、地球が温暖化→平均気温上昇→豪雨の頻発→災害の増加 とまあ、気象庁の定番の論理でした。山古志村の芋川に施工された砂防ダムが”湛水化”していたので、”このまま水がよどんで富栄養化(水質悪化)してしまうなあ”と思っていたら、温暖化にそなえいい対策だあみたいなことになってて、、御○学会誌にならなきゃいいのですが。。


地すべり対策工維持管理のマインドマップ

2009年04月08日 | 維持管理の時代
このごろこういう仕事が増えています。つくりっぱなしのほったらかし。もはやそれが地すべり対策工ともわからぬような状態。指摘するのは簡単ですが、維持管理の方策を練るとなるとなかなか難しい。人も減ってきているので山は荒れます。高齢化しているからといって、若い人に頼もうとすると、そこが地すべり地だとは知りません。教科書的に機能している施設になぜかで会いません。維持管理の時代、災害になってからでは遅いのです。

ここが地すべり地で、こまかくブロック状に細分化していくこと、維持管理することによる意義、インセンティブを設けなければ、人は動かないのかもしれません。

横浜サイエンスフロンティア高校

2009年04月07日 | 各地でのTOPICS
昨日のブログで理科離れが懸念されるなか、こんなニュースがありました。

----------------------------------------------------------------------------
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090318-OYT8T00374.htm
ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊・東京大特別栄誉教授らをスーパーアドバイザーに迎えた横浜市立の「横浜サイエンスフロンティア高校」が来月開校する。充実した教育環境で未来の日本の科学技術を担う人材の育成を目指す。

 電子顕微鏡、DNA(デオキシリボ核酸)解読装置、質量分析装置――。普通の高校の5倍近い20室もある実験室には理工系大学並みの設備が並ぶ。談話室や廊下にはパソコン400台が配備されている。「公立高でこれだけの設備はちょっとない」と小島理明教諭は胸を張る。

 こうした機材を使えば、授業などで、近くで捕まえたクワガタが外来種かどうか遺伝子を調べたり、河川敷のヨシがどこの群落から来たかを特定したりすることもできる。

 授業の目玉は週2時間、20人の少人数クラスで行う課題探求型の学習。大学や企業の研究者が、生命科学やナノテクノロジーなど最先端の科学技術を紹介するだけでなく、自分たちで課題を設定して、実験や討論を行う。2年生の最後には、成果を英語で発表する。
---------------------------------------------------------------------------
いいことだとは思いますが、学校名がどうにかならんでしょうか。


地学はどこへ行った。。。。

2009年04月06日 | Design with Nature

<理科教師>生徒は自分の授業が好きだ…高校で極端に少なく
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090406-00000047-mai-soci

 「生徒は自分の授業が好きだ」と感じている高校の理科教師の割合は、小・中学校より極端に低いことが、国立教育政策研究所(東京都千代田区)などの調査で分かった。実験や観察を週1度以上実施している教師も1割以下で、大学受験重視の授業が生徒の理科離れを助長している可能性があるとみている。その結果、1年生に必修理科を教えている教師(655人)に、自分の授業を好きと感じている生徒の割合を聞いたところ、「20~40%未満」が最も多く42%に達したことが分かった。「40~60%未満」が30%、「0~20%未満」が19%で、「60%以上」は9%にとどまった。小中学校教師を対象にした昨年の調査では、小学校担任の63%、中学校理科教師の42%が「60%以上は自分の授業を好きだ」と答えており、高校の低さが際だった。

 生徒の意欲を高めるとされる実験や観察を週1度以上実施している高校教師は、1年生でわずか3%と、小学校の63%、中学校の63%から急減。66%が「授業時間不足」を理由に挙げ、2年生以上に物理、化学、生物を教える教師の6割が「入試指導に時間をとられる」と答えた。

----------------------------------------------------------------------------

文学部出身の私も実験や観察に興味がなかったわけではありません。現場は観察ですし。手先がとても不器用なので、実験が苦手でしたけど。。。

でも、物理、化学、生物を教える教師の6割が「入試指導に時間をとられる」と答えた。

地学はどこへ行った、、、、、、


ブログ1年

2009年04月05日 | Design with Nature

昨年の4月6日スタートしたこのブログも、1年たちました。どうもこの業界、ブログやメールマガジンといった、世間一般の人がやってるようなコミュニケーションツールを敬遠したがる人が多いのですが、言いたいことは酒の席まで持っていかずに、かつ学会論文にするのも手間がかかる、そしたらブログやメルマガなどで少しづつ考えるヒントでもつかむことができたらと思ったのが、きっかけのひとつでした。

いい仲間にも恵まれました。

今岡さんのブログは、このモデルとなりました。実名・顔出し、資格やそれに伴う使命感がほとばしっています。加えて現場の見方も身に付きます。

現場の見方が身に付くと言えば、kon25さんのブログの迫力も勉強になります。

社会情勢ではやっぱりリーマンショックが大きかった。ポジティブにとらえれば、これは大量生産大量消費や大組織主義の終焉を意味し、少数精鋭(Excellent Small)と維持管理の時代の幕開けといったところでしょうか。

危惧しているのは理科離れにより環境論がますます感情論化していくのではないかということです。先日ゆとり教育世代が学校の先生となり、理数系が課題というニュースが出てましたが、地球科学や地質学はただでさえマイナーなのです。温暖化するから豪雨が増加→災害発生→公共事業という図式があるから、公共事業は半永久的にあると思っている業界人も少なくないような気がします。そこに胡坐をかいていると、地質技術者はますます市民社会から孤立してしまいます。

でも、悲観的なことばかり言っても始まらないので、次の一年は打って出ようと思います。来週火曜日に住宅ジャーナルという雑誌の編集者が、私のところへ来てくれます。学会誌はどうしても市民は読みません。もう少し、それこそ市民権を得た雑誌に文章を寄せて、世間での存在感を出したいと思っています(テポドンが飛んだようで、、、世間のムードが沈滞しなきゃいいですが)

さて、次の一年も、実名顔だし毎日、の維持はもちろんのこと、皆さんとの有意義なコミュニケーションを目指したいと思います。みなさん、今後ともよろしくお願いいたします。
-----------------------------------------------------------------------------
妻がブログ1周年の記念に桜の画像はどう?といいましたので,,,,,,


技術士の時給

2009年04月04日 | 雑感
今日のケンプラッツに、技術士の時給に関する記事がありました。

技術士の時給は2462円
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20090402/531699/
建設関連の16職種の平均の時給を算出し、高い順に並べた。「現金給与額」を12倍した額と、「その他特別給与額」とを合わせた額を「年収」として算出。この年収を、所定内実労働時間と超過実労働時間とを合わせて12倍して求めた「年間総労働時間」で割った数値を「時給」としている。前回の試算では不動産鑑定士も含めて算出していたが、サンプル数が極端に少ないので今回は除いた(資料:厚生労働省の「平成20年賃金構造基本統計調査(全国)」を基に日経コンストラクションが試算)

昨年のネットカキコミでは、
---------------------------------------------------------------------------
 このリポートは大手企業のみ対象なのでしょうか。あまりにも現場との温度差があるリポートですね。うちの会社では、時給1200円もかなり怪しいところです。残業代なんて中小企業で支払われているところなんてあるんですか。労働基準法自体、大手企業しか対象とされていない法律ですし・・・。 (2008/06/18)
 技術士の超過労働時間が19時間なんてありえない。その5~7倍は月に当たり前。時給も書類上2400円ぐらいだが、サービス残業だから事実1600円くらい。 (2008/06/15)
 週休二日で、勤務時間が9時~6時な設計事務所ってあるんですかね? ごくごく一部のおっきな会社の管理職みたいな方が統計の対象ならいいんですけど、これが設計事務所の給与水準だというようならば、全く現状に添っていない調査結果だと思います。 (2008/06/13)
--------------------------------------------------------------------------
いずれも、私も同感です。

給与・報酬に関して、例えば宅建業では以下のようです。
--------------------------------------------------------------------------
本体価格が報酬計算のもとになる。例えば税込み5,100万円の取引が成立した場合、税抜き価格5000万円がもとになる。そして、400万円以上の売買の媒介の場合、課税事業者である宅建業者は、依頼者の一方から代金×3%+6万円に消費税を上乗せした額までが報酬となる。この場合、5000万円×3%+6万円=156万円×5%の163万8000円
--------------------------------------------------------------------------
という風に、個別物件ごとの報酬になっています。代金額200万円以下なら5%、代金200~400万円なら4%+2万円といった具合です。

翻って我々は、とにかく仕事をとれ、と低入札合戦です。「士」なのにサラリーマン的です。

鳥瞰的(3次元的)表現と平面・断面

2009年04月03日 | Design with Nature

先日紹介した地すべり学会誌を読んでいたら、あることに気がつきました。そして、私の論文を読んだ感想として多く寄せられたのですが「鳥瞰的(3次元的)表現が面白い、あるいは重要な視点だ」といったものです。そういえば、他の論文は、全て平面と断面のセットです。

このことは今に始まったことではなく、地質業界では、平面・断面・柱状図が3点セットのように出てきます。特に断面を結論的な図として用いられることが多い。

平面と断面は、文字通り平たく言うと真上と真横からの視点です。ところが、この2次元情報の組み合わせは、自然を饒舌に説明しているとは言いがたいものです。

私が描いた鳥瞰的表現は、人によってはとても手間がかかるものに見えるようです。でも実際は逆です(少なくとも私にとっては)。平面・断面の組み合わせで自然をイメージすることは実は難解で、図として表現する前段階で悩んでしまいます。特に専門外の人にとっては(とりわけ一般市民にとっては)普段ながめている3次元の風景を、いきなり2次元の「代表」断面で説明されても、そこに至る思考回路が見えてこないがゆえに相当難解なのだろうと思います。

2次元断面のイメージのまま突っ走る弊害として、山はいろんな方向に、いろんな形で、いろんなタイミングで動くという想像力を減退させます。私より10年くらい若い世代にそういう技術者が出てきました。

私がよく読む「環境と地質(全五巻)」は、鳥瞰的表現を用いた図がとても多い。カラフルなのですが、そのことよりも鳥瞰的表現がわかりやすさの理由となっていると思いますが、誰も指摘しません。
http://d.hatena.ne.jp/kmokudai/20051128

2次元断面を精密に書くことと、わかりやすさ、山への理解度は決して比例していないと思います。そして、「書く」ことよりも「描く」意識をつよく持った方が良いように思われます。


地すべり学会誌45巻6号-特集:最近の大規模地震と地すべり-

2009年04月02日 | 技術動向
今日私の論文が掲載された地すべり学会誌が届きました。最近の大規模地震と地すべりという特集号でした。最近地震に伴う地すべりが多発しているので、結構たくさんの投稿があるのかと思ったら、意外と少なく4編でした。そのうち3編は2004年に発生した新潟県中越地震でした。論文を投稿した時期は。中越地震からもう4年もたっていましたので、少ないのかなあと思ったのですが。

さて、このうち、論文として掲載されていたのは、ボーリング孔を利用した土質試験や物理探査を行ったものでした。すべり面の写真も掲載されていました。このような地中の状態を観察できる機会は貴重なので、今後も続けてほしい研究だと思います。

新年度の目標

2009年04月01日 | Design with Nature
今日から新年度です。これほど世間のムードが高揚しない新年度も珍しいですが、大量生産大量消費の時代の終焉、維持管理の時代の本格化、いろんな時代・価値観のシフトへ至る峠のような年なのでしょう。峠というのは、たいがい道は狭く見通しが悪いですが、その先には街灯りがあるはずなんです。

さて、ここで個人的な目標です

○仮説の実証
 何の調査にしても、周囲との違和感を感じ、それを問題提起するところまでは「報告」としてだそうと思います。幸か不幸か投稿がとおりやすい時代ですから。でも今年は「実証」してみたいです。沖積層のど真ん中、川崎に住んでいると、先日書いた地すべりと内陸地震との関連を証明しようにも遠いのです。また、盛土の物理探査をしようにも金と人手がかかります。
 この辺を実証して「報告」でなく「論文」を書いてみたいものです。

○資格の取得
 宅建と地質調査技士を目指します。宅建には金をかけているので、今年こそリベンジしたいです。

○一般社会への接点
 論文を書くといっても応用地質学会や地すべり学会誌は、普通の人は読みません。もっと、市民社会への接点を持ちたいですね。

 そして、このブログも、実名顔出し毎日を維持することです。