先日銀座地すべりに関する記事を書いていたら、太田さんからメールを頂戴し、実は銀座地すべりは日本地すべり学会誌の随想<第17巻第1号(通巻61号)(1980年6月)に出ていることを教えて頂きました。
http://www.landslide-soc.org/publications/gakkaisi/soumokuji.html
実はそのメールを頂戴したとき私はなにをしていたかといえば、地すべり防止工事士の面接試験を受けておりました。面接官は2名で、そのうち私から左側の方は、何年もまえからよ~く知る大学の先生でした。なんともカミカミの他人のふり。そして、会場である砂防会館のすぐ近くには、国立国会図書館がありますので、高野秀雄(1983)『斜面と防災』を読んで見ようと思い足を運んでいたのでした。著作権の関係で、本の前半部をコピーしてきました。
テーマの選びかたや文章もとてもわかりやすい本です。先日太田さんのブログで、「盛土は地震で船になる」という格言がありましたが、『斜面と防災』の22-23ページにも「船と船台」というタイトルの文章がありまして、
全国各地で行われている裸祭りの際、押し合っている若者たちの体にバケツの水を浴びせるのは、体と体の間のm札を少なくして、けがをしないために行うものであり、---(中略-いろんなたとえ話あり-)土と土の間、岩と岩の間に水膜が形成されても同じことであって、必ずしも大量の水が必要であるとはいえない。
このように身近な事例を使って解説されると、とてもイメージしやすいですね。
出版されたのは1983年、私はマサ土からなる雨の日の校庭に形成されるリル・ガリーのシステムを教室のベランダからみて楽しんでいる変わった小学6年生でした。
その後四半世紀がたちましたが、このような優れた教科書がなくなることは、とても大きな損失です。ンット記事のコピペの集合体がいかに薄いか、PCの自然観がなんで誤りにつながるのか、、考えるヒントさえ失われるからです(ただ、粘着力のところで”ハエ取り紙”のたとえがでるのは、”古さ”を感じます。今の学生はまず知らないでしょう)。
実際の銀座では、高級ブランド品が10%値下げしたそうです。売りたい本音と価値がさがったと思われないという境目が10%なのだそうです。『斜面と防災』は、定価は3000円弱なので、当時学生以上だったら”安い”と判断してかったでしょうが、いまはネット上で13,600円になっています。ショーウインドウにはないのに価格が高くなっています。悲しいことです。
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