月に一度ぐらい国立国会図書館で知恵の収集をすることにしています。マニュアル、カルテ仕事にどっぷり使ったままでは、脳みそは運動不足になるからです。今回は、こんな論文(砂防学会誌の技術ノート)を見つけました。
水山高久・和田 浩・吉田一雄(2009):下流に流路が準備できないゼロ次谷等の土石流対策-土石流フェンスの提案-,砂防学会誌,Vol62,№1. pp.74~76
・0次谷の出口のごく近くに家が立ち、土砂・水の量は多くはないが、家が全壊するような被害が出る。
・地形解析のためのルールである谷の定義を土石流危険渓流の抽出に持ち込んだのは適当ではなかったが、現在は0次谷からも抽出している。
・0次谷の防災対策は、現象的にも対策的にも急傾斜地対策と土石流対策との中間にあり、このような渓流に従来の概念で砂防堰堤を建設しようとすると、充分に断面が確保できない。
・このための対策は基準に基づく砂防堰堤ではなく、土石流フェンスとか土石流バリアとでも呼ぶ。
・対策費用は基礎コンクリートも含め3000万円程度か?
概要はこんな感じです。
別に基準書にあることだけが防災ではありません。このようなことは、技術者は薄々考えていたと思いますが、今になって表に出てきました。
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