さらにブログタイトルの解説が続きます。
1995(平成7)年以降、2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震など、住宅やライフラインの被害がクローズアップされるようになりました。一方で、”防災対策”として、非常時の持ち出し物リストや震災時帰宅マップなど、”いのちに関わるどうしようもない災難”の部分での情報量は、ずいぶんと増えてきました。
でも、その情報量のわりには、災難・災害を未然に防ぐための”心の準備”はできているでしょうか。いたずらの流布される実態のない不安感にさいなまれていないでしょうか。
昨年私は3回目の自動車免許更新に行ってきました。不覚にも違反者だったので、初心者の方と同じ講習を受けてきました。そこで流されるビデオは、必ずといって良いほど死亡事故のドキュメンタリーです。実話に基づいているから、みな現実感を持って聞いてくれるだろう、、その思惑は講習会場の”いびき”でかき消されています。
知識を連呼する防災教育には、あまり意味はありません。受け取る側だって、そんなこと十分分かっているんですから。でも、知識を連呼しても効かないから、今度は脅し始める……そうしたやり方はあまり有効ではないと思います。
つまり、みんな「逃げなくてはいけない」ということは分かっています。百も承知なのですが、避難するという意志決定ができないだけ。けっして防災意識が低いから逃げないわけではなく、高くない、ということなのです。危機に備えないというのは人のさがです。そこをどうやって乗り越えていくか――津波がきたそのときに「ああ、やっぱり逃げてよかった」と思える、その一回をどう勝ち取るかが勝負です。これは結局、人間の心との戦いです。いくら専門家といっても、対象はITではなく「人」です。合理的な行動を取れない人、人のさがというものを前提に、どうするかを考えていかなければならないと思います。
いくら警告してもセキュリティ対策が進まない理由
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0704/24/news005.html
群馬大学工学部教授の片田敏孝氏
手っ取り早く乱暴に物事を片付けてしまおうとするよりも、ゆっくり着実に行なう方が、最終的に大きな効果を得ることができる。また、冷たく厳しい態度で人を動かそうとしても、かえって人は頑なになる。
これを読んだとき、我が意を得たり!!と、ポンとひざをたたきました。まさに、北風より太陽なのです。お酒を一気に飲み干すより、ロックアイスが溶け出し、"いい感じ”になって語り明かすお酒が一番おいしいことと一緒です。
でも、これは実はとても難しいのです。一昨年なくなった詩人、茨城のり子さんでさえ、相手の悪口はいくらでも出てくるが、ほめ言葉はなかなか出てこないとおっしゃっていましたから。
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