少し前の論文ですが、2001年の砂防学会誌に東大の太田先生が、表題のような特集記事を寄せていらっしゃいます。その冒頭を引用しますと、
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水田とともに、背景の”荒廃した”里山がかつて日本の原風景であったことを知る人は少ない。豪雨があれば”無数”の崩壊地が発生したことも、次第に過去のものになろうとしている。油断はできないが、先日の関東地方の豪雨は800ミリをゆうに超えていたのに、それほど多くの崩壊地が発生したとは聞いていない。
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なぜこんなことを今頃述べたかといいますと、明日から久しぶりに災害履歴のある、言いかえれば防災技術者にとっては興味深い流域に現地調査に行くからです。日本の渓流には、戦後間もないころ山が荒れていたころに斜面から落ちてきた巨石が、そのままそこにとどまってコケがむし安定していることは多いのですが、最近はそんな歴史を知ってか知らずか”ワンクリック”で防災計画が立てられてしまっています。
調査箇所がとても多いので、清冽な水と地質との関係や緑化と土砂流出との関係などのテーマをどれだけ楽しんで見れるかわかりませんが、久しぶりにわくわくしています。
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