今度の地すべり学会では、このところ休日を利用して歩いていた擁壁のチェック法についてまとめてみようと思っています。これまで宅地や擁壁の危険度判定といえば、被災宅地危険度判定士という資格に代表されるように「事後」の点検が主体だったと思います。この点検は、大きな地震が起こった後ですので、亀裂や段差が相対的に小さいものでも、結構目立つものです。そのため、幅3cmだとかある程度定まった値が出てくる訳です。
そうなると、昨日の記事にも書きましたが。「誰でもできる」「個人差がなくなる」という、技術者の存亡に関わる大問題が出てきてしまいます。
この問題を避けるために、技術者のための調査票を作成したつもりです。特にスケッチに重点を置いています。対象となる宅地だけでなく、そこが谷埋め盛土であった場合、宅地耐震化などの公的補助も必要だからです。公共事業の対象とならない場合、自主防災組織などの共助も必要でしょう。いずれにしても、エンドユーザーたる住民に、専門家が直にその力を発揮できるようなきっかけのひとつとしたいと思っています。
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