私が模範とする連載記事は、豊田泰光さんが続けている、週間ベースボール「俺が許さん!」と、日経新聞の「チェンジアップ」です。特に「俺が許さん!」の方は、実に805回週間で続いています。単なる野球の技術論だけではなく、そこを通して見えてくる人間論、小林秀雄さんや丸谷才一さんとのやりとり、含蓄にあふれる言葉でつづられ、限られたスペースに過不足なく収まる(これを書いているときに、日本ハムが逆転サヨナラ満塁ホームラン、9対8になる、いわゆる”つり銭なし”)。
防災の場合は、まずほとんどが技術論で終わってしまいます。野球ほどのメジャーな分野ではないという背景もありますが、人の心にとどく、あるいは文化論の香りがするところまで書いてみたいとは思っています。