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魚住昭のノンフィクション100選:和書その3
※コメントは選者ご本人によるものです

規制緩和という悪夢 (文春文庫)
内橋克人とグループ二〇〇一
文春文庫/2002年
新自由主義の地獄絵を最も早くから予見した書

大杉栄自叙伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)
大杉栄
中公文庫/2001年
自由奔放な精神の記録。パリの獄中から娘にあてた手紙は絶品

刑事裁判の光と陰―有罪率99%の意味するもの (有斐閣人権ライブラリイ)
大野正男、渡部保夫編
有斐閣人権ライブラリィ/1989年
日本の裁判の実態を知るための最良のテキスト

戦後秘史〈1〉日本崩壊 (1981年) (講談社文庫)
戦後秘史〈2〉天皇と原子爆弾 (1981年) (講談社文庫)
戦後秘史〈3〉祖国革命工作 (1981年) (講談社文庫)
戦後秘史〈4〉赤旗とGHQ (1981年) (講談社文庫)
戦後秘史〈5〉マッカーサーの憲法 (1981年) (講談社文庫)
戦後秘史〈6〉禁じられた政治 (1981年) (講談社文庫)
戦後秘史〈7〉謀略と冷戦の十字路 (1981年) (講談社文庫)
戦後秘史〈8〉朝鮮の戦火 (1981年) (講談社文庫)
戦後秘史 (9) (講談社文庫)
戦後秘史 (10) (講談社文庫)
大森実
講談社文庫/1981年 戦中・戦後史への有力な手引き

■『昭和怪物伝』 大宅壮一
角川文庫/1973年
大宅人物論のエッセンスが詰まった作品

大逆事件〈1〉黒い謀略の渦―幸徳秋水と明治天皇 (1976年)
大逆事件〈2〉密造された爆裂弾―幸徳秋水と明治天皇 (1977年)
大逆事件〈3〉この暗黒裁判―幸徳秋水と明治天皇 (1977年)
大逆事件〈4〉十二個の棺桶―幸徳秋水と明治天皇 (1977年)
神崎清
あゆみ出版/1976年
大逆事件研究の集大成

新聞が衰退するとき
黒田清
文藝春秋/1987年
新聞の自由が失われていく過程を描いた手記

生きることの意味―ある少年のおいたち (ちくま文庫)
高史明
ちくま文庫/1986年
在日作家の回想。生きる勇気を与えてくれる

兆民先生―兆民先生行状記 (1960年) (岩波文庫)
幸徳秋水
岩波文庫/1960年
明治を代表する知性・中江兆民の実像を伝える唯一のノンフィクション

現代日本思想大系〈第16〉アナーキズム (1963年)「思い出すまま」
近藤憲二
筑摩書房/1963年
人間味あふれるアナキストの回想録

父よ母よ!―ルポルタージュ (講談社文庫)
斎藤茂男
講談社文庫/1996年
新米記者だったときに憧れたシゲさんの代表作

機会不平等 (文春文庫)
斎藤貴男
文春文庫/2004年
新自由主義とは何かを考えるきっかけになったルポ

日本の近代 14 メディアと権力
佐々木隆
中央公論新社/1999年
記者と権力の「隠微な関係」についての学問的考察


「和書その4」に続く


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魚住昭のノンフィクション100選:和書その2
※コメントは選者ご本人によるものです

日本文壇史〈1〉開化期の人々 回想の文学 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈2〉新文学の創始者たち (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈3〉悩める若人の群 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈4〉硯友社と一葉の時代 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈5〉詩人と革命家たち (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈6〉明治思潮の転換期 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈7〉硯友社の時代終る (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈8〉日露戦争の時代 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈9〉日露戦後の新文学 (講談社文芸文庫―回想の文学)
日本文壇史〈10〉新文学の群生期 (講談社文芸文庫―回想の文学)
日本文壇史〈11〉自然主義の勃興期 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈12〉自然主義の最盛期―回想の文学 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈13〉頽唐派の人たち (講談社文芸文庫―回想の文学)
日本文壇史〈14〉反自然主義の人たち (講談社文芸文庫―回想の文学)
日本文壇史〈15〉近代劇運動の発足―回想の文学 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈16〉大逆事件前後 (講談社文芸文庫―回想の文学)
日本文壇史〈17〉転換点に立つ―回想の文学 (講談社文芸文庫)
日本文壇史〈18〉明治末期の文壇 (講談社文芸文庫)
伊藤整
講談社文芸文庫/1994年
明治文化史についての知識の宝庫

自民党戦国史 (上) (朝日文庫)
自民党戦国史 (中) (朝日文庫)
自民党戦国史 (下) (朝日文庫)
伊藤昌哉
朝日文庫/1985年
権力をめぐる暗闘。政治ノンフィクションの傑作

完全版 年金大崩壊 (講談社文庫)
岩瀬達哉
講談社文庫/2007年
これぞ雑誌ジャーナリズム。著者の執念の結実

安曇野〈第1部〉 (ちくま文庫)
安曇野〈第2部〉 (ちくま文庫)
安曇野〈第3部〉 (ちくま文庫)
安曇野〈第4部〉 (ちくま文庫)
安曇野〈第5部〉 (ちくま文庫)
臼井吉見
ちくま文庫/1987年
中村屋の相馬夫妻を軸にした大河ドラマ。アナキスト石川三四郎の強烈な魅力


「和書その3」に続く


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魚住昭 ノンフィクション100選:和書その1
※コメントは選者ご本人によるものです

新聞と戦争
朝日新聞「新聞と戦争」取材班
朝日新聞出版/2008年
新聞が初めて自らの恥部をさらした画期的な作品

異形の王権 (平凡社ライブラリー)
網野善彦
平凡社ライブラリー/1993年
「聖」と「賤」の表裏一体構造の不思議さ。歴史学の魅力の塊

日本論の視座―列島の社会と国家
網野善彦
小学館/2004年
従来の日本論の常識を打ち砕いた快著。歴史を学ぶ楽しさを教えられる

寒村自伝〈上巻〉 (1975年) (岩波文庫)
寒村自伝〈下巻〉 (1975年) (岩波文庫)
荒畑寒村
岩波文庫/1975年
最もあけっぴろげで、最も詳細な社会主義運動史。著者の人間性が光る

戦後日本共産党私記 (文春文庫)
安東仁兵衛
文春文庫/1995年
戦後共産党東大細胞の青春物語。貴重な反体制運動史

■「伊丹万作全集〈1〉新時代映画に関する考察 (1973年)戦争責任者の問題」/『伊丹万作全集1』所収
伊丹万作
筑摩書房/1973年
だまされた民衆側の責任を問う衝撃的エッセー

さよなら、サイレント・ネイビー―地下鉄に乗った同級生
伊東乾
集英社/2006年
オウム事件に関する最も優れたノンフィクション。事件を被告たちの死刑判決で終息させていいのかという問い掛けが胸を打つ

秋霜烈日―検事総長の回想
伊藤栄樹
朝日新聞社/1988年
ミスター検察の遺稿。貴重な戦後検察史。『不当逮捕』とあわせて読むと面白い


「和書その2」に続く


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魚住昭

ノンフィクション100冊選考にあたり
「戦後」の息吹に魅せられて


 本田靖春さんの『不当逮捕』について語りたい。この本を読んだのは、共同通信の検察担当になって間もないころだ。検察担当は社会部記者にとっての正念場だから、私は必死になって取材をした。
 しかし、最初の数ヵ月はどうあがいてもうまくいかなかった。夜回りで何の収穫も得られず、その焦りで帰宅後もなかなか寝付けなかった。どうせ眠れないのなら、検察関係の本を読もうと思い、記者クラブの本棚にあった何冊かの本を借りて自宅に持ち帰った。そのうちの一冊が『不当逮捕』だった。
『不当逮捕』の主人公は読売社会部のかつての検察担当記者・立松和博さんだった。その立松さんの物語を読み進むうち私は夢中になった。主人公の魅力もさることながら、自由と希望と熱気をはらんだ「戦後」という時代の息吹が私を虜にしたのである。
 以来、私の興味は戦後史の一点に絞られることになった。それほど本田さんが描いた「戦後」は強烈な印象を私に与えた。
 それから二年近く検察取材を続けた。それはそれでとても面白い体験だったが、私の内部では少しずつ不満が募っていった。自分の書く記事が、たとえ大特ダネであっても『不当逮捕』の深みや輝きに到底及ばないという事実に直面させられたからである。
 自分も『不当逮捕』のような作品を書いてみたい。叶わぬ夢とは知りながら、そんな思いが年を経るごとに膨らんでいった。
挙げ句の果てに私は共同通信を中途で辞めた。他にもいろいろ事情はあるのだが、『不当逮捕』の感動が私をフリーライターへの道に進ませたことだけは間違いない。
 そういう意味で私は『不当逮捕』をベスト1に選んだ。まだお読みでない方がいらっしゃるなら是非読んでほしい。もっと多くの読者と感動を共有したい。そして、それがノンフィクションの再興につながるなら、天国の本田さんも喜ばれるに違いない。

魚住昭 ノンフィクション100選
※コメントは選者ご本人によるものです

開高健全ノンフィクション VOL 1 (1)
開高健全ノンフィクション VOL 2 (2)
開高健全ノンフィクション VOL 3 (3)
開高健全ノンフィクション VOL 4 (4)
開高健全ノンフィクション VOL 5 (5)
開高健
文藝春秋/1977年
自然であれ、社会であれ、世界は驚きに満ちているのだということを私に知らしめてくれた作品群

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)
佐藤優
新潮文庫/2007年
とてつもない知力。とてつもない表現力。この作品を読んだときの衝撃は今も忘れない

敗れざる者たち (文春文庫)
沢木耕太郎
文春文庫/1979年
取材対象との距離感の絶妙さ! すごい才能の書き手が現れたなと驚いたことを覚えている

被告人田中角栄の闘争〈1〉―ロッキード裁判傍聴記 (1981年)
闇将軍田中角栄の策謀―ロッキード裁判傍聴記2 (1983年)
軍団総帥田中角栄の反攻―ロッキード裁判傍聴記3 (1983年)
政治家田中角栄の敗北―ロッキード裁判傍聴記 4
立花隆
朝日新聞社/1981年
立花隆氏の優れた作品群の中ではこれが最も充実している。ジャーナリズムの武器は「論理」なのだと教えられた

遠い崖〈1〉―アーネスト・サトウ日記抄 (1980年)
萩原延寿
朝日新聞社/1980年
近代国家日本の成り立ちを知るうえでの必読書。著者の長年にわたる地道な努力に敬意を表したい

■『松川裁判』(上中下)
広津和郎
中公文庫/1976年
司法ノンフィクションの白眉。冤罪の構図をこれほど見事に解明した作品はない

■「新しい『ペン部隊』について」
辺見庸
角川書店/2000年
短いが、最も鋭いメディア批判。「顔を取り戻せ、言葉を取り戻せ、文体を取り戻せ……」という言葉に震えた。表題論文は、『私たちはどのような時代に生きているのか』(辺見庸、高橋哲哉著)に所収

不当逮捕 (講談社文庫)
本田靖春
講談社文庫/1986年
共同通信の検察担当記者だったとき、この本に出合った。読み終えるまでの時間の何と幸せだったことか。戦後ノンフィクションの金字塔

誘拐 (ちくま文庫)
本田靖春
ちくま文庫/2005年
被害者と加害者。その両方に注がれる著者の優しく、透徹した眼差し。ノンフィクションの最良の教科書

死刑弁護人 生きるという権利 (講談社+α文庫 (G175-1))
安田好弘
講談社+α文庫/2008年
事実をひたすら追い求める弁護士の手記。刑事弁護のバイブルになるべき本


「和書その1」に続く
魚住昭
○ノンフィクション作家
Profile
うおずみ あきら
1951年生まれ。一橋大学卒。75年共同通信社入社。検察担当記者時代にリクルート事件で数々のスクープを放つ。96年よりフリーで活躍。2004年、『野中広務 差別と権力』(講談社)で講談社ノンフィクション賞受賞。ほかに『特捜検察』(岩波新書)、『渡邉恒雄 メディアと権力』(講談社文庫)、『テロルとクーデターの予感ラスプーチンかく語りき2』(朝日新聞出版、佐藤優氏との共著)どの著書がある

My Bookmark
「特にないが、調べものでは国立国会図書館HP、本を探す際に『日本の古本屋』を利用する」



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岩瀬達哉 ノンフィクション100選:翻訳書その2
※コメントは選者ご本人によるものです

敵対水域―ソ連原潜浮上せず (文春文庫)
ピーター・ハクソーゼン、R・アラン・ホワイト、イーゴリ・クルジン/三宅真理訳
文春文庫/2000年
ソ連の原潜事故を追跡ルポ。冷戦下のなか葬り去られた潜水艦乗りたちは、しかしその絆を失うことはなかった

ザ・フィフティーズ〈第1部〉1950年代アメリカの光と影 (新潮OH!文庫)
ザ・フィフティーズ〈第2部〉1950年代アメリカの光と影 (新潮OH!文庫)
ザ・フィフティーズ〈第3部〉1950年代アメリカの光と影 (新潮OH!文庫)
デイヴィッド・ハルバースタム/金子宣子訳
新潮OH!文庫/2002年
アメリカが繁栄を謳歌した1950年代を、膨大な資料を精選しながらカラフルに再現

ベルリン陥落 1945
アントニー・ビーヴァー/川上洸訳
白水社/2004年
包囲された首都が陥落した時、そこに閉じ込められた市民が受けねばならなかった試練は、われわれの想像を超えている

監獄の誕生―監視と処罰
ミシェル・フーコー/田村俶訳
新潮社/1977年
監獄の歴史を通し、今日の管理社会に?がる思考を論述

カスパー・ハウザー (福武文庫)
Av・フォイエルバッハ/西村克彦訳
福武文庫/1991年
生後まもなく誘拐され、17年を地下牢で過ごした少年についての観察記録

ジャーナリストの倫理 (文庫クセジュ)
ミシェル・マティアン/松本伸夫訳
白水社/1997年
日本のメディア状況を考える際に欠かせない一冊

スピノザ 異端の系譜
Y・ヨベル/小岸昭、細見和之、E・ヨリッセン訳
人文書院/1998年
マラーノ(ユダヤ)として迫害を受けたスピノザは、理性を鍛え上げ、内在の哲学を築き上げた。民族的背景から、異端の哲学を読み解く

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)
アルフレッド・ランシング/山本光伸訳
新潮文庫/2001年
困難に陥った人を限りなく勇気づけてくれる

ショアー
クロード・ランズマン/高橋武智訳
作品社/1995年
徹底してホロコーストの歴史を掘り起こす執念は、生存を脅かされた民族にとっての存在証明か

紅色新聞兵
李振盛/清宮真理訳
ファイドン/2005年
「文革」の嵐に翻弄された中国の人々を記録した写真集

何のための豊かさ (1968年)
D・リースマン/加藤秀俊訳
みすず書房/1968年
1950年代のアメリカ大衆消費社会は、人間の内部にどのような変化をもたらしたのか。いまなお普遍的な示唆に富む

松岡洋右とその時代 (1981年)
デービッド・J・ルー/長谷川進一訳
ティビーエス・ブリタニカ/1981年
松岡洋右が個人的に抱くアメリカへの愛憎を通じ、日本が戦争へ向かってゆく空気とそのプロセスを浮かび上がらせる


この項了



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岩瀬達哉 ノンフィクション100選:翻訳書その1
※コメントは選者ご本人によるものです

予算編成の政治学 (1972年) (現代政治理論叢書〈4〉)
小島昭訳
勁草書房/1972年
国家の予算編成という"フィルター"を用い、官僚・政治家らの思惑を類型化した画期的な書

アンデス登攀記〈上〉 (岩波文庫)
アンデス登攀記〈下〉 (岩波文庫)
E・ウィンパー/大貫良夫訳
岩波文庫/2004年
画家でもある著者が描く挿画は、130年前のアンデスの人々の生活を今日に伝える

ヒトラー・コード
H・エーベルレ、M・ウール/高木玲訳
講談社/2006年
ヒトラーの死後もその影におびえたスターリンのために書かれたヒトラーの"死亡報告書"

沈黙の春 (新潮文庫)
レイチェル・カーソン/青樹簗一訳
新潮文庫/2004年
日常のささいな変化の発見から、環境汚染の悪化を察知。環境問題に最初に火をつけた

ロバート・キャパ スペイン内戦
ロバート・キャパ/高田ゆみ子訳
岩波書店/2000年
反ファシズムの戦いを記録した写真集。悲惨さに勝る、民衆の意志の崇高さ

空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか (文春文庫)
ジョン・クラカワー/海津正彦訳
文春文庫/2000年
エベレストの山頂を目指し、多額の費用を払って参加する登山客。彼らをガイドするベテラン登山家のチームは、なぜ遭難したか

荒野へ (集英社文庫)
佐宗鈴夫訳
集英社文庫/2007年
精神的自立を求めた若者の旅の足跡をルポ。運命の皮肉と残酷さに絶句

さもなくば喪服を (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)
ラリー・コリンズ、ドミニク・ラピエール/志摩隆訳
早川書房/2005年
貧困から這い上がり、国民的英雄となった闘牛士の物語

占領1945~1952―戦後日本をつくりあげた8人のアメリカ人
ハワード・B・ショーンバーガー/宮崎章訳
時事通信社/1994年
日本の占領期は、GHQvs.ワシントンの対立構造下にあった。貴重な資料に基づいた考察とともに、現在の日米関係の起点に迫る

通産省と日本の奇跡 (1982年)
チャーマーズ・ジョンソン/矢野俊比古監訳
ティビーエス・ブリタニカ/1982年
高度経済成長は市場競争ではなく、通産省率いる「日本株式会社」の賜物だった、とあざやかに輪郭づけた

八月の砲声 上 (ちくま学芸文庫)
八月の砲声 下 (ちくま学芸文庫)
バーバラ・W・タックマン/山室まりや訳
ちくま学芸文庫/2004年
ケネディが大統領に就任した際、その政権に参加した"ベスト・アンド・ブライテスト"たちに読むよう推奨。戦争に至る偶発的事件が指導者の心理に与えた影響等を克明に描写


「翻訳書その2」に続く


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岩瀬達哉 ノンフィクション100選:和書その5
※コメントは選者ご本人によるものです

日本政党史論 第1巻 (1)
日本政党史論 第2巻 (2)
日本政党史論 第3巻 (3)
日本政党史論 第4巻 (4)
日本政党史論 第5巻 (5)
日本政党史論 第6巻 (6)
日本政党史論 第7巻 (7)
升味準之輔
東京大学出版会/1965年
日本の政治・官僚システムの成り立ちを、叙事的につづった大作。長年にわたって記録しつづけた、当事者たちのオーラルヒストリーが圧巻

半生の記 (新潮文庫)
松本清張
新潮文庫/1970年
小説とノンフィクション執筆は、いずれも時代への懐疑心と深い自己分析によるものだったと痛感

うわさの遠近法 (講談社学術文庫)
松山巖
講談社学術文庫/1997年
事実をゆがめられて膾炙した"うわさ"こそが、時代の空気を反映し、歴史的事件のリアリティを肌にまで感じさせる

食肉の帝王―と暴力で巨富を掴んだ男 (講談社プラスアルファ文庫)
溝口敦
講談社+α文庫/2004年
誰も切り込めなかったタブーに肉薄

池田大作「権力者」の構造 (講談社プラスアルファ文庫)
溝口敦
講談社+α文庫/2005年
無名の男が、創価学会のトップに上りつめるまでの波瀾の半生を地道な取材によって説き明かす

謀殺 下山事件 (新風舎文庫)
矢田喜美雄
新風舎文庫/2004年
戦時下の騒然とした社会情勢のなかで発生した謎の事件を丹念に追う

スローカーブを、もう一球 (角川文庫 (5962))
山際淳司
角川文庫/1985年
スポーツノンフィクション集。日本シリーズでの江夏豊の心理を、江夏と一緒にビデオを見ながら解きほぐしていく「江夏の21球」は圧巻

知られざる魯山人
山田和
文藝春秋/2007年
魯山人といえば、贅を尽くし、美食にこだわったグルメの代名詞。しかし彼が追求した美学の本質は、その正反対のところに

ベルリン終戦日記―ある女性の記録
山本浩司訳
白水社/2008年
戦時下の女性への性暴力を、匿名の女性ジャーナリストが自らの体験として記録

墜落の夏―日航123便事故全記録 (新潮文庫)
吉岡忍
新潮文庫/1989年
航空機事故の遺族、生存者などを丹念に訪ね歩き、事故がもたらす悲劇を再現。あらゆる角度から事故原因に迫る

特命転勤―毎日新聞を救え!
吉原勇
文藝春秋/2007年
権力から特別待遇を受けている新聞社の実態を暴露

戦艦武蔵ノート (文春文庫―作家のノート (169‐10))
吉村昭
文春文庫/1985年
『戦艦武蔵』執筆の挿話にとどまらず、当時の著者の不安、経済の困窮ぶりも静かに挟まれている

外務省が消した日本人―南米移民の半世紀
若槻泰雄
毎日新聞社/2001年
無責任な官僚主義によって、苦難の人生を歩まされた日本人移民の怒りの声を拾い上げ、国を告発する


「翻訳書その1」に続く


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 4月からBS朝日でインタビュー・ドキュメンタリー“勝負の瞬間(とき)”という番組を月イチで始めた。初回のゲストが3月のWBCで活躍した内川聖一(横浜)、2回目のゲストが元NBAプレーヤーの田臥勇太(リンク栃木)だ。脱人間ドラマを目指している。時代背景も無視する。ひたすらスポーツへの“純度”を高めたいと考えている。

 内川聖一編の再放送は5月24日(日)16時から、田臥勇太編の初回放送は5月31日(日)22時から。興味のある方は観てください。

二宮清純
(2009年5月20日記)


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にのみや せいじゅん
1960年生まれ。2000年、(株)スポーツコミュニケーションズ設立。オリンピックは88年ソウル大会から、サッカーW杯は90年イタリア大会から取材。『月刊現代』では19年間にわたりノンフィクション・評論を連載。『歩を「と金」に変える人材活用術』(日本経済新聞出版社、羽生善治氏との共著)、『プロ野球の一流たち』(講談社現代新書)など著書多数

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岩瀬達哉 ノンフィクション100選:和書その4
※コメントは選者ご本人によるものです

水平記〈上〉―松本治一郎と解放運動の一〇〇年 (新潮文庫)
水平記〈下〉―松本治一郎と解放運動の一〇〇年 (新潮文庫)
高山文彦
新潮文庫/2007年
解放運動の父と称される松本治一郎の生涯を通し、近代史の裏に閉じ込められた闇を照らしだす

日本共産党の研究 (1) (講談社文庫)
日本共産党の研究 (2) (講談社文庫)
日本共産党の研究 (3) (講談社文庫)
立花隆
講談社文庫/1983年
日本共産党の歴史を克明にたどりながら、その内部で繰り広げられた権力闘争、人間ドラマを膨大な資料と証言で実証的に描く

アメリカジャーナリズム報告 (文春文庫 (330‐2))
立花隆
文春文庫/1984年
日本のジャーナリズムのあるべき姿を指し示す、体験的ジャーナリズム論

復讐する神話―松下幸之助の昭和史 (文春文庫)
立石泰則
文春文庫/1992年
側近を通して描き出した松下幸之助の思想と素顔

通訳者と戦後日米外交
鳥飼玖美子
みすず書房/2007年
戦後日米外交を支えた通訳者たちの記録。異文化コミュニケーションの壁と課題を鋭く分析

メディアの支配者 上
メディアの支配者 下
中川一徳
講談社/2005年
フジサンケイグループの実態をあますところなく明らかにする

AV女優 (文春文庫)
永沢光雄
文春文庫/1999年
異色のインタビューノンフィクション。性産業に従事する女性たちの本音を引き出した人柄がしのばれる

水俣病の科学(増補版)
西村肇、岡本達明
日本評論社/2006年
世界でも例を見ない最悪の公害事件の原因追究にかけたのは、科学者と労組委員長だった

新聞にみる社会資本整備の歴史的変遷(明治・大正期)
日本都市センター編
総合研究開発機構/1986年
新聞記事だけをつかって社会資本の整備状況を分析。歴史書にはない新鮮な発見がある

日本領サイパン島の一万日
野村進
岩波書店/2005年
戦前の移民家族の苦難の歴史から敷衍した日本人論

官僚の研究―不滅のパワー・1868‐1983
秦郁彦
講談社/1983年
キャリア官僚のデータを膨大に蓄積し、計量的にアプローチした日本官僚システムの解析

ミシェル城館の人〈第1部〉争乱の時代 (集英社文庫)
ミシェル城館の人〈第2部〉自然・理性・運命 (集英社文庫)
ミシェル城館の人〈第3部〉精神の祝祭 (集英社文庫)
堀田善衞
集英社/2004年
16世紀の思想家、モンテーニュを現代に甦らせる

もう一つのワシントン報道―赤旗初代特派員の1000日
堀江則雄
未来社/1985年
日米両政府の取材対応の違いについての体験的レポート。言論の自由の崇高さを再認識させてくれる

不当逮捕 (講談社文庫)
本田靖春
講談社文庫/1986年
破天荒な新聞記者の生きざまと、検察権力の恐ろしさとを伝えてあまりある


「和書その5」に続く


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岩瀬達哉 ノンフィクション100選:和書その3
※コメントは選者ご本人によるものです

飛び立ちかねつ鳥にしあらねば―現代の貧しさについて (1978年) (ルポルタージュ叢書〈10〉)
斎藤茂男
晩聲社/1978年
資本主義経済が生みだす「現代の貧しさ」を、重層的にとらえたルポルタージュ。奥付を何度も見直すほど慧眼に溢れた作品

事実が「私」を鍛える (ルポルタージュ日本の情景)
斎藤茂男
岩波書店/1994年
取材への姿勢とともに、取材ノウハウを惜しげもなく披露

父よ母よ!―ルポルタージュ (講談社文庫)
斎藤茂男
講談社文庫/1996年
子供の人格形成にとっての、父母と家庭の役割を問う。モンスターペアレントは過去からの負の遺産である

昭和研究会―ある知識人集団の軌跡 (中公文庫)
酒井三郎
中公文庫/1992年
戦前の国策研究にかけたシンクタンクの全記録。精査なデータと英知を集めていながら、なぜ戦争を回避できなかったのか

病める巨象―朝日新聞私史 (1983年)
佐々克明
文藝春秋/1983年
朝日新聞が抱える病理を、すでにこの時点でほとんど指摘

長谷川恒男 虚空の登攀者 (中公文庫)
佐瀬稔
中公文庫/1998年
孤高の登山家の内面に迫る。山好きでなくても楽しめる

テロルの決算 (文春文庫)(新装版)
沢木耕太郎
文春文庫/2008年
ごく普通の青年であった山口二矢が、浅沼稲次郎の刺殺にいたるまでに重ねた内面の葛藤は、読者に不思議な一体感を抱かせる

滄海(うみ)よ眠れ―ミッドウェー海戦の生と死〈1〉
滄海(うみ)よ眠れ―ミッドウェー海戦の生と死〈2〉
滄海(うみ)よ眠れ〈3〉ミッドウェー海戦の生と死
澤地久枝
文春文庫/1987年
ミッドウェー海戦で戦死した日米双方の兵士を特定し、そのひとりひとりの人生を、残された者の証言で再現

だしの基本と日本料理―うま味のもとを解きあかす
柴田書店編
柴田書店/2006年
料理の命である「だし」を、図鑑風の素材分類とともに科学的に追究。やわなグルメを一喝する教養本

京料理のこころみ
柴田日本料理研鑽会
柴田書店/1990年
京料理の泰斗6名による、技と伝統の競演。えんえんとアイデアが飛び交う「献立会議」がみどころ

新藤兼人の足跡 (1)
■『新藤兼人の足跡』(2)
新藤兼人の足跡 (3)
新藤兼人の足跡 (4)
■『新藤兼人の足跡』(5)
新藤兼人の足跡 (6)
新藤兼人
岩波書店/1993年
細やかなまなざしで、生活感あふれる人物描写をものにする。視点の斬新さは映画監督ならでは

新聞の取材〈上〉 (1968年)
新聞の取材〈下〉 (1968年)
新聞取材研究会編
日本新聞協会/1968年
古典的な新聞記者教育の書。ありきたりの内容だけに、逆の意味で発見がある

プリーモ・レーヴィへの旅
徐京植
朝日新聞社/1999年
アウシュビッツを奇跡的に生き抜いた化学者の魂の遍歴

からくり民主主義
高橋秀実
草思社/2002年
報道された出来事と人々の良識のすきまに棄て置かれた「ズレ」を集積。現代日本人の意識構造がみごとに再構築されている

現代天皇家の研究 (1978年)
高橋紘
講談社/1978年
皇室を知るには最適の入門書


「和書その4」に続く


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岩瀬達哉 ノンフィクション100選:和書その1
※コメントは選者ご本人によるものです

虫に書く―ある若きジャーナリストの死 (1972年)
大森実
潮出版社/1972年
ジャーナリズムが信じられた時代の過大な期待と悲劇

「表現の自由」を求めて―アメリカにおける権利獲得の軌跡
奥平康弘
岩波書店/1999年
言論の自由が、どのように生まれたか。権利獲得までの長い道のりと払った代償の大きさに感銘

デスク日記―マスコミと歴史 (1965年) (みすず叢書)
デスク日記〈続(1965.1-12)〉 (1966年) (みすず叢書)
デスク日記〈第3〉マスコミと歴史 (1967年) (みすず叢書)
デスク日記〈第4〉マスコミと歴史 (1968年) (みすず叢書)
デスク日記〈第5〉マスコミと歴史 (1969年) (みすず叢書)
小和田次郎
みすず叢書/1965年
国民が新聞ジャーナリズムに期待していた時代、その期待に応えようとした記者の葛藤の記録

開高健全ノンフィクション〈vol.2〉叫びと囁き (1977年)
開高健
文藝春秋/1977年
戦闘場面に怯え、動揺しながらも、その臨場感を伝えようとする意欲的ルポ

ずばり東京―開高健ルポルタージュ選集 (光文社文庫)
開高健
光文社文庫/2007年
軽妙なタッチで描かれた高度成長期の東京の素顔。著者はまたルポルタージュの名手でもあった

宣告 (上巻) (新潮文庫)
宣告 (中巻) (新潮文庫)
宣告 (下巻) (新潮文庫)
加賀乙彦
新潮文庫/2003年
精神科医として、極限におかれた死刑囚の日常と心理を、臨場感あふれる筆致で描く

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)
神谷美恵子
みすず書房/2004年
ハンセン病の治療園での医師時代に綴った「生きがい」の探求。安易な癒しを乞うだけでは、人間の懊悩はぬぐえない

大正幻影 (岩波現代文庫)
川本三郎
岩波現代文庫/2008年
時代のアンテナである作家たちを通じて、都市空間の変容が、生活者たちにどのような精神作用を及ぼしたかを辿る

税の攻防―大蔵官僚 四半世紀の戦争
岸宣仁
文藝春秋/1998年
旧大蔵省が政治と世論を相手に、消費税導入にかけた執念を活写

沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫
共同通信社社会部編
新潮文庫/1999年
スパイ説の絶えなかった"大物フィクサー"の闇に迫る

『食道楽』の人 村井弦斎
黒岩比佐子
岩波書店/2004年
明治の奇才・村井弦斎の評伝。「食育」が人間形成においていかに重要かを伝える

■『厚生年金保険制度回顧録』
厚生団編
社会保険法規研究会/1988年
歴代の年金官僚らが、後輩をまえに、年金行政の"偉業"を大胆かつ無邪気に語る

この三十年の日本人 (新潮文庫)
児玉隆也
新潮文庫/1983年
短編ルポ集。「淋しき越山会の女王」ほか、いずれも時代と事件の鮮度をいまに保つ

おかしな男 渥美清 (新潮文庫)
小林信彦
新潮文庫/2003年
孤高の喜劇人、渥美清の生涯を著者しか知りえないエピソードをもとに描く。人物ノンフィクションの面白さがつまっている

戦火と混迷の日々―悲劇のインドシナ (文春文庫)
近藤紘一
文春文庫/1987年
カンボジア革命によって、過酷な運命の渦に巻き込まれながらも、それを生き抜いた日本人女性の記録


「和書その3」に続く


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コリアン世界の旅』が、講談社文庫から再び文庫化されました。原著の出版から、はや13年がたち、在日コリアン社会も、それをとりまく状況も大きく変わっています。文庫版のまえがきで、この間の変化をまとめてありますので、関心のある方はご一読ください。

 また、いま取材と執筆を続けている在日チャイニーズ(華人・華僑)に関する連載は、「月刊現代」からPR誌の「本」に舞台を移して続行しています。人口数でコリアンを上回り、初めて在日外国人の最大グループに急成長したチャイニーズ社会の取材は、予想どおりエキサイティングで、(もう)(ひら)かれる日々を送っています。

野村進
(2009年5月17日記)


Profile
のむら すすむ
1956年生まれ。上智大学中退。アテネオ・デ・マニラ大学留学中に取材・執筆活動を始める。97年、『コリアン世界の旅』(講談社+α文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。99年、『アジア 新しい物語』(文春文庫)でアジア太平洋賞受賞。『千年、働いてきました』(角川oneテーマ21)など著書多数。現在、拓殖大学国際学部教授も務める

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調べる技術・書く技術 』(講談社現代新書)に詳述  

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岩瀬達哉 ノンフィクション100選:和書その1
※コメントは選者ご本人によるものです

納棺夫日記 (文春文庫)(増補改訂版)
青木新門
文春文庫/1996年
肉親を失った者は、その死体を扱う態度と姿勢に慰められる

志賀直哉〈上〉 (新潮文庫)
志賀直哉〈下〉 (新潮文庫)
阿川弘之
新潮文庫/1997年
師弟関係にあった著者が描く志賀直哉の思想と哲学

昭和政治経済史への証言 (1972年)
安藤良雄編
毎日新聞社/1972年
恐慌、戦争、占領、復興という激動の昭和経済史を、当事者たちによるナマの声が伝える。構成も丁寧

カフカの生涯
池内紀
新書館/2004年
カフカの日常生活に肉薄した評伝。日本語の読者だけが味わえる贅沢

城下の人―石光真清の手記 1 (中公文庫) 
曠野の花―石光真清の手記 2 (中公文庫)
望郷の歌―石光真清の手記 3 (中公文庫 (い16-3))
誰のために―石光真清の手記 4 (中公文庫 (い16-4))
石光真清
中公文庫/1978年
栄達を求めることなく、使命感と信念に従って、国家の礎になろうとした人物の回想録。その清貧な生きざまに教えられることは多い

自民党戦国史 (上) (朝日文庫)
自民党戦国史 (中) (朝日文庫)
自民党戦国史 (下) (朝日文庫)
伊藤昌哉
朝日文庫/1985年
政権内部で頂点を極めようとする大物政治家たちの素顔を赤裸々に描く

土地の神話 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
猪瀬直樹
小学館/2002年
西武と東急の成り立ちを検証しながら、"土地資本主義"を解明

ミカドの肖像 (小学館文庫)
猪瀬直樹
小学館文庫/2005年
歴史的出来事のパロディー化によって、皇室の実像と果たしてきた役割を伝える

野中広務 差別と権力 (講談社文庫)
魚住昭
講談社文庫/2006年
マイノリティーから身を起こした政治家が、さまざまな矛盾を抱えながら権力中枢に君臨するまでの過程と思想を克明に論述

レイテ戦記 (上巻) (中公文庫)
レイテ戦記 (中巻) (中公文庫)
レイテ戦記 下  中公文庫 A 33-4
大岡昇平
中公文庫/1974年
膨大な戦史資料を駆使し、戦場での兵士の苦しみを描く。記録文学の金字塔


「和書その2」に続く


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 6月に、文春新書から『松本清張の「遺言」』という本を出します。清張の遺作であり、未完に終わった長編推理小説『神々の乱心』の謎を読み解いたものです。
 同月、私が所長をつとめる明治学院大学国際学部付属研究所が昨年秋に企画した公開セミナー「『政治思想』の現在」全9回のうち7回分の記録が、河出書房新社から刊行されます。さらに6月から7月にかけて、教育テレビの毎週月曜日に放映される「知る楽」に、「鉄道から見える日本」というテーマで、8回にわたって出演します。


原武史
(2009年5月16日記)


Profile
はら たけし
1962年生まれ。早稲田大学卒。日本経済新聞社、国立国会図書館勤務ののち、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。専攻は日本政治思想史。2001年、『大正天皇』(朝日選書)で毎日出版文化賞受賞。08年『滝山コミューン一九七四』(講談社)で講談社ノンフィクション賞受賞。同年『昭和天皇』(岩波新書)で司馬遼太郎賞受賞。鉄道ファンとしても知られ、講談社現代新書に『鉄道ひとつばなし』 『鉄道ひとつばなし2』がある

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 日本を上げたり下げたりで忙しいマレーシア元首相マハティール氏。最近のご託宣は「日本のパンは世界一美味しい」だそうな。パンはともかく日本のウィスキーなど、いつの間にか本家本元を尻目に世界一との評価を得ることが多くなった。教養はともかく日本のノンフィクションなど、世界に売り出したいものは山ほどある。Googleの著作権問題、果たして吉とでるか凶とでるか、冷静な情報と知見が求められる。

加藤陽子
(2009年5月15日記)


Profile
かとう ようこ
東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。2009
年より東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は日本近現代史。『戦争の日本近現代史』(講談社現代新書)、『シリーズ日本近現代史(5) 満州事変から日中戦争へ』(岩波新書)など著書多数

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