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現代ビジネスOPEN!! どりこの探偵局




 日本を上げたり下げたりで忙しいマレーシア元首相マハティール氏。最近のご託宣は「日本のパンは世界一美味しい」だそうな。パンはともかく日本のウィスキーなど、いつの間にか本家本元を尻目に世界一との評価を得ることが多くなった。教養はともかく日本のノンフィクションなど、世界に売り出したいものは山ほどある。Googleの著作権問題、果たして吉とでるか凶とでるか、冷静な情報と知見が求められる。

加藤陽子
(2009年5月15日記)


Profile
かとう ようこ
東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。2009
年より東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は日本近現代史。『戦争の日本近現代史』(講談社現代新書)、『シリーズ日本近現代史(5) 満州事変から日中戦争へ』(岩波新書)など著書多数

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国立国会図書館憲政資料室 「ここで、新着史料を確認するのが楽しみ」
国立公文書館 「ここでも新規公開史料をチェック」

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「文藝春秋」に今春連載した「ドキュメント・昭和が終わった日」を『昭和の終わりとワンダーランド』と改題して、追加取材及び加筆中である。あらためて「代替わり」が日本人の意識に与えた影響の大きさに驚いている。今秋には刊行予定なので、ぜひお読みいただきたい。

 直近の仕事では、「週刊ポスト」に「足立区・竹ノ塚発ドバイ行き」というレポートを書いた。東京の最貧地区の竹ノ塚と、沸騰都市のドバイを比較しながら、現代の貧困問題を描いたものである。

  また、週刊新潮の虚報問題を「世界」と「文藝春秋」に書く予定なので、こちらもお読みいただきたい。

 佐野眞一

(2009年5月13日記)


Profile
さの しんいち
1947年生まれ。早稲田大学卒業後、勁文社入社。その後、業界紙記者を経てフリーのノンフィクション作家となり、97年、『旅する巨人』(文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『誰も書けなかった石原慎太郎』(講談社文庫)、 『小泉政権 非情の歳月』(文春文庫)など著書多数。09年、 『甘粕正彦 乱心の曠野』(新潮社)で第31回講談社ノンフィクション賞受賞

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外務省:外交史料館 「案外、資料が充実している」
松岡正剛「千夜千冊遊蕩篇」 「本読みにとっては大いに参考になる」




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岩瀬達哉

ノンフィクション100冊選考にあたり
事実に秘められた真実を求めて


 ノンフィクションも小説と同様に「定型」がない。ただいずれも、すぐれた作品は共通して、真実を執拗に追い詰めている。ディテイルを織り込んで描かれた「時代性」は、やがて時間とともにより一層の「普遍性」を帯びてくるものだ。
 ただノンフィクションは小説と違って「真実」を縁取る「事実」にどれだけ肉薄できたかが問われる。逆にいえば、これがノンフィクションの醍醐味というものだろう。
 したがって、傑出したノンフィクション作品を生み出す作家とは、たとえるならば・十種競技・のトップ・アスリートに似ているのかもしれない。多種多様な「調査」という手法をこなすテクニックとエネルギー、そして次から次と移り変わる現実を柔軟に捉え、組み伏す腕力を持ち合わせていなければならないからだ。
 私が感銘をうけたノンフィクションはどれも、事実にアプローチするための視点や方法が光っている。
 なかでも、マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の読後感は強烈だった。これをノンフィクションに挙げることに違和感を抱く人はいるかもしれない。しかし驚くほど詳細な事実調査をもとに、目で見ることのできない・精神活動・の構造を描きだした成果は、ノンフィクションが目指すべき目標のひとつであろう。
 同書は、調査という帰納的アプローチのうえに、事実を意味づける演繹的な分析を効果的に重ねることがいかに重要かを教えてくれる。読み返すたび、取材の奥深さを教えてくれる書でもある。
 つねに人は、事実に秘められた真実を知りたいと願っている。歴史、事件、政治、文化などの領域のほかに、ときには人の内面に秘められた真実を求めることもある。
 ここにあげた100冊は、それらをあざやかに、いつまでも色あせることなく伝えてくれている作品群ではないかと思う。

岩瀬達哉 ノンフィクション100選:ベスト10
※コメントは選者ご本人によるものです

田中角栄研究―全記録 (上) (講談社文庫)
田中角栄研究―全記録 (下) (講談社文庫)
立花隆
講談社文庫/1982年
調査報道の手法と分析ノウハウの教科書ともいうべき名著。日本の最高権力者を追い詰めていくプロセスには息を呑む

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部良一ほか
中公文庫/1991年
日米戦争の勃発から敗戦にいたるまでの緻密な検証。企業の組織論としていまなお、普遍的な教訓を多く含んでいる

誘拐 (ちくま文庫)
本田靖春
ちくま文庫/2005年
吉展ちゃん誘拐事件をみごとに再現。時代の繁栄から取り残された犯人の孤独と悲哀と身勝手さを浮き彫りにする

マッハの恐怖 (新潮文庫)
柳田邦男
新潮文庫/1986年
航空機事故の発生原因を金属疲労や論理の陥穽から読み解く。技術の欠陥がもたらす事故の悲劇を情感豊かに描きだす

新聞記者の誕生―日本のメディアをつくった人びと
山本武利
新曜社/1990年
新聞ジャーナリズム発達史。欧米の新聞に比べ、日本の新聞の批判力が、なぜ弱いかがよくわかる

戦艦武蔵 (新潮文庫)
吉村昭
新潮文庫/2000年
極秘の巨大戦艦が徐々に姿を現していく冒頭シーンは、美しいモノクロ映画のようでもある

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)
マックス・ヴェーバー/大塚久雄訳
岩波文庫/1989年
「資本主義の精神」が、どのようにして生み出されたかを実証的に解明。徹底した帰納法によって精神活動を定式化した情熱から学ぶべきものは多い

パリは燃えているか?(上) (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)
パリは燃えているか?(下) (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)
ラリー・コリンズ、ドミニク・ラピエール/志摩隆訳
早川書房/2005年
パリ解放に立ち会った人々の証言と、約1トンにのぼる発掘文書をもとに、歴史的瞬間を丹念に再現。何度読み直しても新たな感動がある

夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル/池田香代子訳
みすず書房/2002年
アウシュビッツ強制収容所には、悲惨さの極みにあっても人間の尊厳を捨てず、試練に立ち向かおうとした人々がいた

マクナマラ回顧録 ベトナムの悲劇と教訓
ロバート・S・マクナマラ/仲晃訳
共同通信社/1997年
ケネディ、ジョンソン両政権で国防長官をつとめた著者が、ベトナム戦争における意思決定プロセスの誤りを総括し、どこで判断を間違ったかを率直に語る。日本の官僚機構が抱える問題にも通じる書


「和書その1」に続く

岩瀬達哉
○ジャーナリスト
Profile
いわせ たつや
1955年生まれ。東洋大学卒。編集プロダクション勤務を経て、83年よりフリーで活躍。2004年、『年金大崩壊』(講談社)で講談社ノンフィクション賞受賞。ほかに『われ万死に値す ドキュメント竹下登』(新潮文庫)、『人事はどこまで知っているのか』(講談社)などの著書がある。年金記録問題作業委員会委員、日本年金機構設立委員会委員も務める

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国立国会図書館デジタルアーカイブポータル
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 私は、気分によって仕事場所を移動します。昨2008年後半は、自宅から徒歩2分の所にある仕事場に籠もりきりになって原稿を書いていました。仕事場にはベッドも風呂もあり、家内が訪ねてきて食事を作ってくれるので、特に不便なことはありませんでした。

 昨年末、数週間ぶりに自宅に帰ると、私の顔を見るなり、3匹の飼い猫(いずれもオス)の内、2匹が逃げだし、1匹は「シュゥーッ」と威嚇の声をあげました。「猫たちから家族として認知されていない」という現実にショックを受け、1月からは自宅の仕事部屋に籠もって仕事をしています。茶トラ猫のシマと鯖縞猫のチビがいつも机に乗って、じゃれついてきます。仕事場の方が圧倒的に広く、外国語の書籍も多いので、知的刺激を受けるためには仕事場に通うべきなのですが、猫たちの引力から抜け出すことができません。しばらくこの状態が続きそうです。

佐藤優

(2009年5月6日記)


Profile
さとう まさる
1960年生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。1988年から95年まで在露日本大使館に勤務。2002年逮捕、現在起訴休職中。『自壊する帝国』(新潮文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。 『国家の罠』(新潮文庫)、『交渉術』(文藝春秋)など著書多数

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ネナラ 北朝鮮政府の事実上のHP
毒蛇山荘日記 「文芸評論家・山崎行太郎氏のブログ。切り口が鋭く、勉強になる」

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 本日09年5月16日、ムック 『現代プレミア』ノンフィクションと教養 が刊行されました。同時に本ブログ「現代プレミアブログ」が本格スタートをいたします。

「ノンフィクション冬の時代」などと言われます。実際、ノンフィクションの本はなかなか売れません。ノンフィクションを扱う雑誌も、次々に消えていきます。堅苦しく、古臭いジャンルだと思われているのかもしれません。そんななか、なぜ「ノンフィクションと教養」などと謳ったムックを世に問うのか。それは、今こそ、ノンフィクションが問い直され、求められていると考えたからです。


 市場原理主義の暴走の結果、資本主義の軌道修正がおこなわれ、世界中で政府・公共機関の役割や影響力が大きくなっています。金融危機への対応、景気回復、貧困層の救済。どれも大切なことばかりです。犯罪の摘発もまたしかり。しかしながら、権力は常に「正義の衣」をまとっています。衣の下に「ナイフ」が隠されていないかどうか、自ら事実を見極める必要があります。常に目と耳を研ぎ澄ませていなければなりません。だからこそ、「ノンフィクションと教養」が求められていると思うのです。

 10人のプロたちが選んだ1000冊を眺めてみてください。そこにはきっと、「読みたい本」が必ずあるはずです。「読まなくては」と思わされる本が見つかるはずです。
 最強にして最高のブックガイドだけがこのムックの「売り」ではありません。ノンフィクションの魅力と可能性を感じてもらえるラインナップをそろえたつもりです。ぜひ、手に取ってみてください。

 このブログも、これからどんどん充実させていきます。どうぞ、これからの「現代プレミアシリーズ」にご期待ください。




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